手術で離脱のエンビードはパリ・オリンピックに出場できるか? カーHCは「祈っている」

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坂東実藍 Miran Bando

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フィラデルフィア・76ersは先週、スターセンターのジョエル・エンビードがゴールデンステイト・ウォリアーズ戦でひざを負傷する大きな痛手を受けた。

MVP候補だったエンビードは、左ひざ半月板の負傷で2月6日(日本時間7日)に手術を受けた。約4週間後に再検査する予定となっている。

もちろん、これは76ersのシーズンを大きく左右するニュースだ。だが、夏のパリ・オリンピックに出場するチームUSA(アメリカ代表)にどのように影響するかについては、あまり話題になっていない。

ESPN』のティム・ボンテンプス記者によると、7日(同8日)のウォリアーズと76ersの試合を前に、アメリカ代表のヘッドコーチを務めるウォリアーズのスティーブ・カーHCは、「我々のために彼がプレイできることを祈っている」と話した。エリートクラスの選手が戦列を一定期間離脱するのは常に残念なことだとし、早くコートに戻ってこられるように願っているともつけ加えている。

エンビードがオリンピックに間に合うと考えるのは現実的なのか。『スポーティングニュース』では、以下にスケジュールをまとめる。

ジョエル・エンビードはアメリカ代表でパリ・オリンピックに出場できる?

エンビードが76ersでNBAプレイオフ2024に出場できるだけ健康になったとしても、夏は回復期間が必要となる可能性がある。こう考えるのは、決してありえそうもないことではない。

エンビードのひざの手術は、少なくとも1か月の戦列離脱が見込まれる。プレイオフが始まるまで2か月だ。通常なら7月1週目に行われるUSAバスケットボール(アメリカ代表)のトレーニングキャンプまでは5か月となる。

アメリカ代表の最初のエキシビションマッチマッチは、7月10日(同11日)のカナダ戦の予定だ。

エンビードが起用できるかどうかは、ひざの反応次第で決まるだろう。だが、76ersがプレイオフでどこまで勝ち上がるかによるところも大きいかもしれない。エンビードが今季中に復帰するかどうかを論じるには時期尚早だ。だが、確実に分かっているのは、NBAファイナルが終わるのは、アメリカ代表のトレーニングキャンプが始まる約2週間前ということである。

76ersがプレイオフのファーストラウンドやセカンドラウンドで敗退となれば、エンビードはアメリカ代表のトレーニングキャンプが始まるまでにさらなる時間の余裕を得られるかもしれない。復帰を果たし、健康で、76ersがプレイオフで勝ち進むのをけん引すれば、休息をとり、2024-2025シーズンのNBA開幕に備えるのが、エンビードにとって最善かもしれない。

だが、エンビードのケガからの回復状態を見てみるまでは、具体的な答えは分からないだろう。

ジョエル・エンビードのアメリカ代表への考え

昨年10月、エンビードは初めてアメリカ代表でプレイする考えを明かした。

エンビードが投稿で触れたように、彼にはカメルーン、フランス、アメリカでプレイする選択肢があった。だが最終的に、アメリカで生まれた息子のために決めたという。

「だが何より、アメリカで生まれた息子に敬意を表したい。自分のために僕が初めてのオリンピックを戦ったのだと息子に知っていてほしいんだ」

直近の国際主要大会でセンターのポジションに長く穴があったアメリカ代表にとって、エンビードの存在は大きい。だが、その彼が負傷したことで、アメリカはパリ・オリンピックに向けたフロントコートの補強を再び練らなければいけないかもしれない。

パリ・オリンピック2024のアメリカ代表候補

1月に発表されたアメリカ代表の候補となる41人はこちら

原文:'Fingers are crossed:' Team USA coach Steve Kerr hopeful for Joel Embiid's availability at Paris Olympics(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Kyle Irving

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。