3ポイントショット成功数で歴代1位目前のステフィン・カリー

大西玲央 Reo Onishi

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9月21日(22日)、NBA屈指のシューターとして15年間のキャリアを送ったJJ・レディックが引退を発表した。彼がキャリアを通して記録した3ポイントショット成功数の1950本は、NBAで歴代15位にランクインする。

昨季終了時点で、NBAの通算3ポイントショット成功数ランキングのトップ15にはレディックを含めて現役選手がわずか5人だったものの、今季はさらに増えることとなりそうだ。それどころか、ランキング上位に大きな変動が見られそうなのだ。

マイアミ・ヒートに移籍したカイル・ラウリーが1827本で18位、復帰が期待されるゴールデンステイト・ウォリアーズのクレイ・トンプソンが1798本で20位、カワイ・レナード不在でさらなる活躍が必要とされるロサンゼルス・クリッパーズが1761本で22位と、トップ15入りどころか歴代で10人しか達成していない通算2000本超えが射程圏内にある選手が少なくとも3人控えている。さらにロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ(13位)も現在1979本で、通算2000本超え目前だ。

NBA通算3ポイントショット成功数ランキング

  1. レイ・アレン 2973本
  2. ステフィン・カリー 2832本
  3. レジー・ミラー 2560本
  4. カイル・コーバー 2450本
  5. ジェームズ・ハーデン 2445本
  6. ビンス・カーター 2290本
  7. ジェイソン・テリー 2282本
  8. ジャマール・クロフォード 2221本
  9. ポール・ピアース 2143本
  10. デイミアン・リラード 2051本
  11. ジェイソン・キッド 1988本
  12. ダーク・ノビツキー 1982本
  13. レブロン・ジェームズ 1979本
  14. ジョー・ジョンソン 1978本
  15. JJ・レディック 1950本

※太字は現役選手

しかし、今季の同記録に関する最も大きな入れ替えとなる可能性が高いのが、歴代1位の座だろう。現在歴代1位はレイ・アレンの2973本。ウォリアーズのステフィン・カリーが歴代2位の2832本で追っている状態だ。

その差は141本。短縮された昨季、出場した63試合で337本もの3Pショットを決めたカリーなら、楽に超えられる数字だ。問題なく試合に出続けることさえできれば、82試合ある今季中にカリーが歴代1位となり、前人未到である通算3000本超えを記録する可能性は極めて高い。

現役選手でカリーに次いで成功数が多いのは、ジェームズ・ハーデン(5位)の2445本だ。ヒューストン・ロケッツからブルックリン・ネッツへ移籍した昨季、役割の変化から彼の3P成功数はこれまでと比較して大幅に落ちたものの、ネッツでの平均2.7本成功を維持していれば、レジー・ミラーを抜いて歴代3位となる可能性もある。

カリー同様、驚異的なペースでランキングを駆け上がっているのが、ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードだ。現在通算2051本で10位に位置するリラードは、ここ2シーズンで合計545本もの3Pショットを決めており、平均試投数も成功数も年々上昇している。

さらに2シーズン連続でカリーに次ぐ2位の成功本数を記録しているサクラメント・キングスのバディ・ヒールドも注目したい存在だろう。わずか5シーズンで通算1155本(84位)を決めており、一気に上位に食い込んでくる勢いを見せている。

しかし、勢いが衰えていないのはカリーも同様だ。

昨季のカリーは、1試合平均5.3本もの3Pショットを決め、NBA新記録を打ち立てた。これまでのは記録も、カリーが2015-16シーズンと2018-19シーズンに記録した5.1本。1試合平均5本を超えたことがあるのが、そもそもカリーのみなのだ。それだけ3P記録に関して、カリーが別格なのがわかる。

今季もカリーの3ポイントショットが多くの話題を作ることとなりそうだ。


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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。