自己最多に2及ばずもカリーがホークスへの敗戦で60得点 NBAの得点ラッシュが続く

Kyle Irving

大西玲央 Reo Onishi

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NBAのスター選手たちによる歴史的得点ラッシュが最近続いている。ステフィン・カリーがその流れに乗るのも時間の問題だったようだ。

ゴールデンステイト・ウォリアーズとアトランタ・ホークスの一戦で、カリーは延長戦での敗戦でありながらも見事な活躍を見せた。3ポイントショット23本中10本成功を含むフィールドゴール38本中22本成功の60得点をマークした。

カリーは、第4クォーターだけで22得点を挙げ、ウォリアーズをけん引していた。最後の4分間でウォリアーズの最後の13得点を全てカリーが獲得したものの、決勝点となる可能性のあったフローターを決めることができず、試合はオーバータイムに突入した。

デジャンテ・マレーのタイムリーな活躍とトレイ・ヤングの35得点の活躍で、最終的にホークスはウォリアーズに141-134で勝利。しかしカリーも自身のキャリア最多の62得点に迫る素晴らしい活躍を見せたのだ。

続くNBA得点ラッシュ

この敗戦でで60得点をマークしたカリーは、ルカ・ドンチッチ(73得点)、ジョエル・エンビード(70得点)、デビン・ブッカー(62得点)、カール・アンソニー・タウンズ(62得点)に続き、この2週間で5人目の60得点超を記録した選手となった。

12月にヤニス・アンテトクンポが記録した64点の試合を加えると、NBA 2023-24シーズンで60点超ゲームはこれで6試合目となる。

そして驚くことに、カリーはこの2週間で60得点以上を記録しながらも試合に敗れた3人目の選手となった。タウンズとブッカーの60得点ゲームも敗戦だった。

ちなみに、1980年から2010年までの30年間でこのようなケースはわずか3回しかないと『The Ringer』のザック・クラム記者が指摘している。

第4Qのカリーは3Pショット6本中4本成功を含むFG 11本中9本成功という正確さで、クォーター最後の4分間でホークスを1人で圧倒した。

試合終了間際に決めたフローターは、これまで何度も決めたことのある素晴らしいショットだった。

不本意な結果に終わったとはいえ、カリーは10本の3Pを決め、自身の長距離ショット記録のひとつを伸ばした。

カリーが1試合10本以上の3P成功記録を更新

カリーが通算3P成功数のNBA記録を更新したことは誰もが知っている。現在の成功数は通算3599本で、彼が3Pを決めるたびにその歴史は塗り替えられている状況だ。

しかし、それ以上にとてつもない記録かもしれないのが、1試合10本以上の3P成功を記録した試合数だ。

ホークス戦で10本の3Pを決めたカリーは、これで24試合目となった。

NBA史上、次に近いのはチームメイトのクレイ・トンプソンで、そんな彼でも9試合しか達成していない。デイミアン・リラードは5回達成。ザック・ラビーン、ジェームス・ハーデン、JR・スミスがそれぞれ3回。それ以外では2回達成した選手はいない。

順位 選手 10本以上3P成功
1 ステフィン・カリー 24
2 クレイ・トンプソン 9
3 デイミアン・リラード 5
4 ザック・ラビーン 3
- ジェームズ・ハーデン 3
- JR・スミス 3
7 50選手がタイ 1

これもまた、NBA史上最高のシューターが持つ破ることが困難な記録のひとつなのだ。

Kyle Irving

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。