スペンサー・ディンウィディーはレイカーズで活躍できるか?

Kyle Irving

坂東実藍 Miran Bando

スペンサー・ディンウィディーはレイカーズで活躍できるか? image

ロサンゼルス・レイカーズがバイアウト市場を通じて補強を行った。

トレードデッドライン(トレード期限)で忍耐強く動かなかったレイカーズは、ベテランガードのスペンサー・ディンウィディーと契約した。

ディンウィディーはトレードデッドラインでブルックリン・ネッツからトロント・ラプターズにトレードされていた。だが、ラプターズは彼の契約に含まれていた出場試合のボーナスの支払いを回避するために、30歳のディンウィディーをウェイブ(保有権放棄)した。

それにより、ディンウィディーはバイアウト市場で選択肢を検討する道が開かれた。「複数のプレイオフ進出クラスのチーム」が彼を追っていた。

ディンウィディーはトレードデッドラインの日の夜、ダラスでマーベリックスの試合をオーナーのマーク・キューバンと見ていた。そして2月9日(日本時間10日)には、ロブ・ペリンカGMと一緒にロサンゼルス・レイカーズのニューオーリンズ・ペリカンズ戦を観戦する様子が目撃されていた。

この2つの直接のミーティングを経て、10年のキャリアを持つベテランは、レイカーズに加入してレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが再びプレイオフで勝ち上がりを目指すのを助けることを選んだ。

スペンサー・ディンウィディーはレイカーズにどうフィットする?

トレードに使える資産や財政的な余裕が最小限のレイカーズは、トレードデッドラインで動かなかった。しかし、ジェームズとデイビスを筆頭とするタイトルを争うチームだけに、レイカーズは自分たちがバイアウト市場に出回るベテランに好まれると知っていたのだ。

ディンウィディーは獲得可能な中でトップの選手だった。そしてレイカーズは時間を無駄にしなかった。30歳のディンウィディーは今季ネッツで苦しんだが、ジェームズとデイビスは彼がまだレイカーズでベンチスタートから活躍し、バックコートの層に厚みを持たせることができると信じている。

ペリカンズ戦の試合後、ディンウィディーがレイカーズにもたらすことを問われると、ジェームズは報道陣に「プレイメークができ、ボールハンドラー、ショットメーカー、ベテランが増えることになる」と話した。

デイビスも「彼は大きいガードでショットメーカーであり、プレイメーカーだ。もちろん、(NBAプレイオフ2022で)彼がマーベリックスのためにビッグプレイをするのを見てきた。確立された選手であり、このリーグのベテランだ」と述べている。

今季のディンウィディーは平均12.6得点、6.0アシスト、フィールドゴール成功率39.1%、3ポイントショット成功率32.0%を記録している。得点は2016-2017シーズン以降で最少だ(出場3試合で前十字じん帯のケガによりシーズン終了となった2020-2021シーズンを除く)。

しかし、デイビスが述べたように、最近のディンウィディーはプレイオフチームでインパクトを残せると示してきた。

NBAプレイオフ2022では、マーベリックスがウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進む中で、ベンチスタートから効果的な存在となっていた。

マーベリックスでは、プレイオフの18試合に出場し、そのうち9試合で15得点超を記録した。5試合で20得点超、9試合で4アシスト超をマークしている。そのディンウィディーは、レイカーズでも似たような役割を担うことになるだろう。

レイカーズは1試合平均のベンチメンバーの得点がNBAで20位。ディンウィディーの得点力やプレイメーク能力は、ディアンジェロ・ラッセル、オースティン・リーブスに続く存在として強く必要とされている。

レイカーズのロスター

現在、レイカーズはゲイブ・ビンセント(ひざ)、キャム・レディッシュ(足首)、ジャレッド・バンダービルト(足)が負傷離脱している。

そのため、ディンウィディーにとっては、すぐにローテーション入りを果たし、レイカーズの軌道修正に貢献するために自分に残せるインパクトを示す絶好の機会だ。

戦力がそろった時にレイカーズがどんなローテーションになるのかは、以下をご覧いただきたい。

  スターター 2nd 3rd 4th
PG ディアンジェロ・ラッセル スペンサー・ディンウィディー ゲイブ・ビンセント(負傷) ジェイレン・フッド・シフィーノ
SG オースティン・リーブス キャム・レディッシュ(負傷) マックス・クリスティー スカイラー・メイズ
SF レブロン・ジェームズ トーリアン・プリンス マクスウェル・ルイス ディラン・ウィンドラー
PF 八村塁 ジャレッド・バンダービルト(負傷) クリスチャン・ウッド  
C アンソニー・デイビス ジャクソン・ヘイズ コリン・キャッスルトン  

原文:Spencer Dinwiddie to sign with Lakers: Will the veteran guard make an impact in Los Angeles?(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Kyle Irving

Kyle Irving Photo

You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。