2022-2023シーズン、オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーは大ブレイクしたと言っても過言ではないだろう。
昨シーズン68試合に出場したSGA(ギルジャス・アレクサンダーの愛称)は、毎試合のように注目に値する活躍を見せ、自己最多となる1試合平均31.4得点を記録してオールNBAのファーストチームに選出された。パトリック・ベバリー(フィラデルフィア・76ers)とディアンジェロ・ラッセル(ロサンゼルス・レイカーズ)の2人も、昨シーズンのギルジャス・アレクサンダーのプレイに衝撃を受けた選手だ。
「シェイはリーグで最も過小評価されている選手だ」と、ラッセルはベバリーのポッドキャスト『Pat Bev Podcast』に出演した際に話している。
ロサンゼルス・クリッパーズ時代にルーキーだったギルジャス・アレクサンダーと一緒にプレイしたことのあるベバリーと交わした会話を思い出しながら、ラッセルはさらにこう続けた。
「(ベバリーが)『あいつはコービーみたいなところがある』って言ったのを覚えているんだ」
「シェイはリーグで最も過小評価されている、最もガードしにくい選手だよ」
ギルジャス・アレクサンダーを守るのが難しいのはなぜかという質問に対しては、ラッセルはすぐに非常に具体的な例を出した。
OKC(サンダー)はフリースローの際にある特定のプレイをするんだ。僕ら(相手チーム)がフリースローを打つとき、シェイはフリースローラインの辺りにいて、ほかの選手を反対側のコートのコーナーに配置する。その結果、フリースローの後にシェイを相手に1対1のフルコートディフェンスをすることになる。彼らは毎試合ずっとそれをやるんだけど、それでも止められないんだ。ハーフコートじゃなくて、フリースローラインからずっと守ることになるんだけど、彼のことはガードできないんだよ。
この会話は、ベバリーとラッセルが「IQの高い選手は、ファウルを誘ってフリースローに持ち込む技術を理解している」と話したことに端を発している。ギルジャス・アレクサンダーは昨年、フリースロー試投数でNBA3位、フリースロー成功数で1位で、昨シーズンのラッセルとの2度の直接対決ではフリースローを18本中18本成功させるという完璧な結果を残した。
3月24日(日本時間25日)にサンダーがレイカーズに5点差で負けた試合をけがで欠場したラッセルは、ギルジャス・アレクサンダーがフリースロー9本中8本を成功させるところをベンチから見ていた。そしてまさにその試合中に、ギルジャス・アレクサンダーは、アンソニー・デイビスのフリースローの後でレイカーズのディフェンスを崩し、ラッセルが説明したとおりのプレイで得点したのだ。
上の映像でわかるように、レイカーズのディフェンスがセットされているかどうかに関係なく、ギルジャス・アレクサンダーは得点する方法を見出している。
まだ25歳のギルジャス・アレクサンダーは、NBAにおけるスコアラー、かつオールラウンドプレイヤーとしてのポテンシャルを見せ始めただけの可能性が高い。この『過小評価』というレッテルは、もはや適切ではないのかもしれない。
原文:D'Angelo Russell lauds 'unguardable' Shai Gilgeous-Alexander on Patrick Beverley's podcast
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc