ニューオーリンズ・ペリカンズとロサンゼルス・レイカーズが、アンソニー・デイビスを含む大型トレードに合意したと報じられた。ペリカンズはデイビスをレイカーズにトレードし、レイカーズはペリカンズに3選手(ロンゾ・ボール、ブランドン・イングラム、ジョシュ・ハート)、ドラフト1巡目指名権3枠、ドラフト指名権2枠を交換する権利をペリカンズにトレードすると伝えられてる。今回のトレードで我々が学んだ7つのことがある。
📺 NBAドラフト2019配信(Rakuten TV / NBA公式視聴サービス)
1. デイビスの希望が叶う
代理人のリッチ・ポールが先頭に立つデイビスの関係者は、今年の1月にペリカンズにトレードを要求した。プレイヤーオプションの行使を決めるまで1年半も前の時期のトレード要求だったが、デル・デンプス前GMはパワープレイを拒否。デイビスのリクエストに応じず、チームの戦績も下降した結果、デンプスは解任された。
デンプスの後任に就任したデイビッド・グリフィンは、デイビスの慰留を試みたが、必要と思うことを実行した。これにより、オールスター選出6回を誇るデイビスは、優れたビッグマンを軸に優勝してきたレイカーズのような功績を残せていないフランチャイズから、より魅力的なフランチャイズへの移籍を2020年の夏、もしくは2019-20シーズンのトレードデッドラインまで待つ必要がなくなった。
2. 未来のフランチャイズプレイヤーも同じ道を辿る?
今回のトレード要求で、デイビスが失ったものはほとんどなかった。2018-19シーズン開幕からの4か月間は1試合平均37分のプレイタイムを得ていたが、1月18日(同19日)以降に同選手が出場した16試合では、平均22分の出場だった。ペリカンズは、トレード要員としてのデイビスの価値を傷つけないため、21試合を欠場させた。この判断により彼らはロッタリーに回り、今年のドラフト全体1位指名権を獲得した。
そんな話はデイビスに関係なく、彼の希望は叶い、ペリカンズも見返りを得られた。
3. ペリカンズにとって良いタイミングでの好条件
金融とトレードにはタイムバリューが存在する。グリフィンGMにとって、トレードを成立させるベストな時期は今だった。全体1位指名権を行使してデューク大のザイオン・ウィリアムソンの指名が濃厚と言われ、そこに全体4位指名権を追加できたのだ。また、『ESPN』によれば、将来的な1巡目指名権2枠に加えて、2023年のドラフト指名権を交換できる権利、ロンゾ・ボール、ブランドン・イングラム、ジョシュ・ハートの獲得にも成功し、現在のコアメンバーと今後が楽しみな若手による再建モードに切り替えられた。
もしデイビスのトレードを来季のトレードデッドラインまで引き伸ばしていたら、ペリカンズはさらに良い条件を他チームから引き出せていただろうか? 可能だったかもしれないが、以前からトレード先として噂されていたボストン・セルティックスは、カイリー・アービングがフリーエージェントになって退団する可能性が高い状況となり、デイビスとのデュオは実現不可能となってしまった。それに、セルティックスはジェイソン・テイタムのトレードを望まなかった。これではペリカンズに提示できる条件も制限されてしまう。
いずれにしても、グリフィンは今回の件を新シーズンまで引っ張りたくはなかったのだろう。ただ、ポイントガードのドリュー・ホリデーの市場価値を知るため、他チームに連絡を入れる可能性はある。ホリデーは攻守に優れ、リーダーとしての能力も高いが、キャリア10年を終えて29歳で、新時代を迎えるニューオーリンズに適した存在ではない。
4. グリフィンGMはカイル・クーズマ獲得に向けて粘るべきだった
レイカーズは、2017年のドラフト全体27位指名という評価を上回る選手に成長したクーズマを、以前もトレードに加えなかった。そしてペリカンズは、ドラフト前にデイビスの問題を決着させたかった。
もしグリフィンGMがクーズマを獲得するために粘っていたら、レイカーズは今回のトレードを断念していただろうか? 断念していたかもしれないという意見もあるが、私にはわからない。ただ、2008年にミネソタ・ティンバーウルブズがケビン・ガーネットをセルティックスにトレードした当時のことを思い出した。
当時のウルブズのバスケットボール運営部代表だったケビン・マクヘイルは、ガーネットをトレードする代わりにラジョン・ロンドの獲得を希望した。セルティックスの運営部には現役時代にチームメイトだったダニー・エインジがいて、ロンドではなくセバスチャン・テルフェアを条件に加えた。ポール・ピアースとレイ・アレンがチームにいて、ガーネットを獲得できる寸前の時期に、当時若手だったロンド一人のためにエインジはトレードを取り止めていただろうか?
11年前の話と今回の件は似ている。レイカーズは、クーズマをキープするために良い仕事をしたということだ。
5. レブロンはまだ最高の相棒を得られていない
こんなことを書くと、ドウェイン・ウェイド、アービング、クリス・ボッシュ、ケビン・ラブという名前を出されて反論されてしまうかもしれない。ただ、これまでニューオーリンズの顔だったデイビスは、『相棒』という表現に苛立つ可能性もある。今回のトレードの成否は、デイビスがキャリア4回目の優勝を目指すジェームズと息が合うかどうかで判断される。しかも、そう遠くない時期にだ。
両選手の代理人であるリッチ・ポールは、デイビスよりジェームズの力になろうとしていると言われている。その噂に関しては、今回のトレードが合意に至る数日前にポール本人が反論した。もしセルティックスが、1年後にFAとなるカワイ・レナードを獲得した昨年のトロント・ラプターズのような形でデイビスを獲得していたら、そのほうが優勝への近道だったという意見は出るだろうか? 今年で35歳になるジェームズがすでに全盛期を超え、故障に強かった時期も終わり、今後は負傷により優勝が阻まれるとしたら?
ジェームズにとっては、今回のトレードがマイナスに働く要素はない。2018-19シーズンを血栓症により終えたイングラムは、今後どうなるかわからない。ボールを独占するジェームズにとって、ロンゾは欠かせない選手ではなかった。ハートは2年目の昨季に評価を落とした。現在のジェームズのキャリアを考えれば、ドラフト指名権など役に立たない。
これまでにキャリア全盛期にジェームズと組んだスーパースターと比べても、デイビスは誰よりもジェームズの負担を軽減させられる。ただ、2人の連携がどこまで機能するかは、やってみなければわからない。エリートビッグマンのボッシュとラブは、ジェームズと同じチームに加わってから、第3のオプション扱いになった。
6. レイカーズが次に狙うのはケンバ・ウォーカー
この夏にFAになるウォーカーは、シャーロット・ホーネッツ一筋のキャリアを送ってきた。ホーネッツは、ウォーカーとのスーパーマックス契約に難色を示す可能性もある。そうなった場合、彼はジェームズとデイビスのチームをバックコートから支えられる。また、レイカーズに必要なピュアシューターではなくとも、スコアラーとして活躍できる。レイカーズは、この夏にFAとなるシューターの獲得を検討するだろう。もしターゲットがJJ・レディックでなければ、レディックに代わる誰かを獲得するかもしれない。
7. 2020年のファイナルにはレイカーズが進出?
ゴールデンステイト・ウォリアーズに代わり、ジェームズがウェスタン・カンファレンスのファイナリストとなって優勝を目指していたことは明らかだった。レイカーズが負傷者と機能障害に苦しむまでは、今年の6月に彼らがファイナルの舞台に立っていたと予想する意見もあった。デイビスのトレードにより、早くも『ESPN』はレイカーズを2020年の優勝候補に挙げている。
『Caesars Sportsbook』も、ミルウォーキー・バックス、ロサンゼルス・クリッパーズ、現王者のラプターズ、ヒューストン・ロケッツ、そして来季は陣容が大幅に変わりそうなウォリアーズより、レイカーズが優勝する可能性が高いと見ている。
原文:Seven takeaways from Lakers' reported trade for Anthony Davis by Steve Aschburner/NBA.com(抄訳)
- NBA 18-19シーズンをRakuten TVで楽しもう
- NBA公式視聴・配信サービス『Rakuten NBA Special』とは?
- Rakuten TVがNBAマニア必見の新番組『俺達のNBA!!』を毎月2回配信へ
- Rakuten TVの新たなNBA情報番組『週刊NBA』が10月19日より配信スタート
- 【NBA開幕特番配信決定】Rakuten TVがNBA 2018-19シーズンを徹底分析する開幕直前特別番組を10月14日(日)に配信へ
- 1か月間無料で見放題 スポーツ観るならDAZN