【プレイオフ展望】サンズ vs レイカーズ

Michael C. Wright, NBA.com

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数週間前にはほとんど考えられなかったようなマッチアップだ。だが、王者ロサンゼルス・レイカーズはプレイイン・トーナメントでゴールデンステイト・ウォリアーズに辛勝し、ウェスタン・カンファレンスの第7シードでプレイオフに進出した。ファーストラウンドの相手は、2010年以来のポストシーズンを迎えるフェニックス・サンズだ。

1週間まるまる休みとあり、ジェイ・クラウダーによると、サンズの面々は集ってプレイイン・トーナメントの試合を見たという。5月23日(日本時間24日)の彼らのホームでの初戦は、観客動員が約1万1000人に増やされると報じられている。

サンズのディアンドレ・エイトンは「プレイオフでプレイを続けられることにワクワクしている。でも、何が待っているかは分からない」と話した。

「分かっているのは、超激しくなるということだけだ。真剣な戦いになる。本当に、肉体だけじゃなく、より精神的な集中が必要だ。その次なるステップへの準備はできている。僕はそれを待ち望み、そのために仕事してきたんだ」。

昨季、モンティ・ウィリアムズ・ヘッドコーチが就任した時、サンズは2018-19シーズンを19勝63敗で終えていた。ウィリアムズ体制1年目は34勝39敗。だが、バブルでの再開シーズンは8戦全勝とリーグを驚かせた。

エイトンは、その夏の短期間がターニングポイントになったと見ている。

エイトンは「バブルの前も、(ウィリアムズHCは)自分の文化を植え付け、僕ら若手に試合への臨み方を教えてくれた。でも、本当に始まったのはバブルだったんだ。正しい形で試合に臨み、感謝の気持ちを持って、ボールをシェアし、時間を守って、ディフェンスをしようとね」と話した。

「彼がバブルでそれを植え付けてくれた。そしてフルシーズンでの進化ぶりは本当に見事だ。僕たちのことを本当に気にかけてくれるコーチがいてくれて、チームにとって素晴らしい気分だよ」。

3つの注目ポイント

1. ビッグマンのバトル

エイトンはひざのケガでレギュラーシーズン最後の3試合を欠場したが、19日(同20日)に「正直、素晴らしい調子だ」と、第1戦への準備ができていると話した。サンズにとっては間違いなく朗報だろう。アンソニー・デイビスとアンドレ・ドラモンドを擁するレイカーズのインサイドのコンビネーションを守るのは、エイトンとクラウダーにとって容易ではないはずだからだ。

今季の直接対決はサンズが2勝1敗で勝ち越したが、3試合でデイビスが出場したのは1試合のみ。レイカーズが123-110で勝利した9日(同10日)の一戦だ。また、モントレズ・ハレル、マーキーフ・モリス、マルク・ガソルと、レイカーズのインサイドが層も厚いことを忘れてはいけない。ペイント内からの得点は、レイカーズがリーグ6位で、サンズが26位だ。

2. 守備の奮闘

レイカーズは相手に3ポイントショット成功率35.2%しか許していない。サンズも35.4%だ。ディフェンシブ・レーティングはレイカーズがリーグ首位(106.8)で、サンズが6位(110.4)。レイカーズはデビン・ブッカーとクリス・ポールを封じようと多くの力を注ぐだろう。そのため、サンズのサポートキャストのステップアップが必要だ。

継続性に関しては、サンズにアドバンテージがある。彼らはシーズンを通じて選手がそろっていた。一方、レイカーズはデイビスとレブロン・ジェームズが合計63試合を欠場している。ただ、彼らはすぐに調子を取り戻すだろう。

3. サンズのプレイオフ経験値

ブッカー、エイトン、ミケル・ブリッジズと、スターターのうち3人がポストシーズンデビューとなるだけに、サンズが大きく不利だと思うだろう。だが、ポールとクラウダーの経験がサンズを大きく助けるはずだ。特に前者はポイントガードとしてチームを動かす。第1戦は、ポールとジェームズにとってポストシーズン初顔合わせとなる。ポールは「試合前はいつも緊張するよ」と話した。

「いつも言うが、それがなくなったら引退しなければいけない。どの試合でも、僕はワクワクすると同時にナーバスになるんだ。何よりもエキサイティングなんだよ。プレイオフは、そういうことがない。激しさはあるけど、バック・トゥ・バック(2日連戦)はないし、準備する時間がある」。

興味深い数字

2.15

サンズのアシストとターンオーバーの比率は2.15、これはターンオーバーがカウントされるようになった44シーズンで2番目に高い数字だ。リーグ全体では、その44年間で最も比率が高かったのは過去5シーズンで、今季の1.79が最も高い。つまり、ある意味でサンズはその波に乗っている。ただ、彼らにはNBAの歴史で最高のポイントガードのひとりがいる。ポールのアシストとターンオーバーの比率は、通算で3.92。過去44年で出場時間1万分超の選手で(マグシー・ボーグスとジョン・パクソンに続き)3番目の数字だ。今季のポールは3.99でリーグ2位に位置する。

レイカーズの守備がリーグ1位なのは、部分的には相手のターンオーバー率(100ポゼッションあたり15.2)が4位だからだ。19日(同20)のプレイイン・トーナメントでは、ウォリアーズに20ターンオーバー(後半15)を強いた。サイズと運動能力から、レイカーズは守備でどのチームよりも破壊的になれる。そしてターンオーバーで生きたボールを手にできれば、レイカーズは走り、攻撃での問題を軽減できる。

今季の直接対決でサンズが勝利した2試合で、ポールは23アシストを記録し、ターンオーバーは2。だが、レイカーズが勝利した9日(同10日)の試合で、ポールは5ターンオーバーだった。今季の彼が5ターンオーバー超だったのは、この試合を含めて5つしかない。この両チームの対戦で、それは最重要事項ではない。だが、レイカーズの守備に対してサンズがボールを大事にできるかは、攻守両面に影響するだろう。

— John Schuhmann

予想

ファーストラウンドで第7シードが第2シードより有利というのは、やや不思議だ。だが、ジェームズとデイビスが負傷で戦列を離れ、レイカーズは情状酌量の余地がある状況だった。プレイイン・トーナメントのウォリアーズ戦では、後半にレイカーズがリズムとまとまりを取り戻した。サンズとのシリーズに向けて、それは改善されるばかりだろう。

19日(同20日)、デイビスは「僕らは王者だから、簡単なことは何もないと分かっている。本当に僕らは狙われており、どこも僕らを倒したいと望んでいるからだ」と話した。

「僕らはそれを分かっていなければならない。サンズとのプレイオフ・シリーズでは、(ウォリアーズ戦より)もっとうまくやらなければいけない」。

第6戦でレイカーズが勝利と予想する。

原文:Series Preview: Suns face tall task in return to playoffs by Michael C. Wright/NBA.com(抄訳)


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