イースタン・カンファレンス決勝プレビュー: バックス対ラプターズ

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イースタン・カンファレンス・ファイナルは、ミルウォーキー・バックスとトロント・ラプターズの対戦に決まった。どちらかのチームが、レブロン・ジェームズがウェスタン・カンファレンスに去ってできた穴を埋めることになる。

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バックスとラプターズには類似点がある。どちらも、ヤニス・アデトクンボにカワイ・レナードとMVP級のフォワードがけん引するチームだ。それぞれ堅実な相棒(クリス・ミドルトンとパスカル・シアカム)や、屈強なベテランのポイントガード(エリック・ブレッドソーとカイル・ラウリー)もいる。

バックスのマイク・ブーデンホルザー・ヘッドコーチとラプターズのニック・ナースHCは、それぞれのチームを率いて1年目だ。レギュラーシーズンはバックスがラプターズより2勝多くあげている。

バックスとラプターズは、攻守両面において、リーグのトップ5に入った。バックスはジョージ・ヒルとニコラ・ミロティッチ、ラプターズがマルク・ガソルを獲得し、シーズン途中に重要な動きで勝負に出たのも一緒だ。

両チームの違いはわずかしかない。バックスにはホームコート・アドバンテージがあり、リバウンドでラプターズを大きく上回る。一方のラプターズはより多くのターンオーバーを強いているチームだ。そんな両チームのうちどちらかが、これからの10日ないし2週間でより多くの勝利を手にすることになる。

 

3つの注目ポイント

 

1. アデトクンボとレナードのマッチアップ

オールNBAクラスの両選手は、それぞれ攻守両面で存在感を出している。ただ、試合を通じて互いがマッチップを続けるとは限らない。それぞれの攻撃における負荷を考えれば、そんなことをするのは愚かだろう。よって、レナードはミドルトンと対峙し、アデトクンボはシアカムにチェックされることになるのが予想される。

 

2. どちらのベンチが上か

2017-18シーズンのラプターズはNBA最高の選手層だったが、今季はシアカムがスタメンとなったことや、負傷やローテーションなどが不利に働いた。一方のバックスは、シーズンやポストシーズンが進むにつれて、リザーブチームが良くなっている。その有効性を示す例のひとつが、プレイオフになって、アデトクンボがベンチに座っているときの数字だ。バックスは100ポゼッションあたりで相手を21得点上回っている。一方、レナードがコートに立っていないときのラプターズは16得点下回っている。

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3. 3人目の男たち

7試合の戦いにおいて、アデトクンボやレナード、ミドルトン、シアカムが、互いの存在を大きく消すこともあり得る。その場合、どちらのチームもポイントガードで優位に立とうとするかもしれない。ラウリーとブレッドソーはそれぞれ、攻撃に関して不安定なシーズンだった。だが、オールスター以降のラウリーは好調で、ここまでのプレイオフでも欠かせないタイミングがいくつかあった。一方、ブレッドソーはシーズンを通じてコーチ陣からその守備を称賛されている。

 

知っておくべき数字

 

30.1

ポストシーズンの2ラウンドで、ラプターズはレナードがコートにいるときの攻撃が100ポゼッションあたりで113.2得点。ベンチにいるときの83.1得点と比べ、30.1得点も上回っている勝ち残った4チームのうち、オフェンシブ・レーティングが最下位のラプターズの攻撃において、レナードは絶対的な存在だ。1試合平均31.8得点は、ポストシーズン全体で2位につけている。オーランド・マジックやフィラデルフィア・76ersとの対戦では、自身に注意を引き付けることで、チームメイトたちがオープンショットを打てるようにもしていた。

レギュラーシーズンでのバックス戦でも、ラプターズは非常に似た数字を残している。レナードがコートにいるときの攻撃は、100ポゼッションあたりで115.9得点だが、コートにいないときは88.0得点と、27.9点の差。バックスとの4試合における100ポゼッションあたり105.0得点という数字は、対戦相手別で3番目に悪い数字だ。このシリーズで、ラウリーは3ポイントショットが20本中1本成功に終わっている。

バックスを相手にしたときのレナードのUsage Rate(※ユーセージ・レート: フィールドゴール試投、フリースロー試投、ターンオーバーのいずれかで味方の攻撃機会を終了させた割合を示す指標)も、イーストの対戦相手別で2番目に低い26.2%。バックスがうまくレナードにボールを持たせていないということだ。それでも、レナードがいるときのラプターズは、リーグNo.1のディフェンスを誇るバックスを相手に良い攻撃をしていた。レナードとアデトクンボがプレイした3試合のうち、ラプターズは2試合を落としている。だが、両スターがコートに立っていた合計84分間では、ラプターズがバックスを19点上回っているのだ。

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勝敗

今回の対戦は、休養vs勢いという以前からの疑問も生じるかもしれない。バックスはボストン・セルティックスを第5戦で下し、カンファレンス・ファイナルが始まるまでに1週間の時間がある。だが、リングに4回も当たった末のレナードの決勝ブザービーターという、76ersとの第7戦での劇的な勝利は、ラプターズにエネルギーを与えるかもしれない。

イーストの上位2チームは、決着がつくまで殴り合い、バックスが第6戦で勝利するだろう。

原文: Series Preview: Similarities abound in Eastern finals matchup by Steve Aschburner/NBA.com(抄訳)​

Photo: NBA.com


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ