【プレイオフ展望】ナゲッツ対ブレイザーズ

Michael C. Wright, NBA.com

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2019年のウェスタン・カンファレンス・セミファイナルの対戦だ。クァドラプル・オーバータイムまでもつれることもあった当時のシリーズのようになれば、第7戦までもつれ込む激戦となるかもしれない。見出しを飾るのは、経験豊富なMVP候補のニコラ・ヨキッチとデイミアン・リラードだ。だが、このシリーズは選手層やサポートキャストにかかっている。

リラードは「『2年前も勝ったから今回も』みたいなつもりでシリーズに臨むことはない」と話した。

「彼らは当時と違う。ヨキッチはさらに優れた選手になった。当時も素晴らしかったけど、今はもっと良い選手だ。今の彼らはより層が厚いと感じている。だから、大変に違いない。でも、僕らにとっては良いマッチアップだ。僕たちは勝てると感じている」。

CJ・マッカラムにユスフ・ヌルキッチと主力が長期離脱したため、ブレイザーズはすでに歴戦のチームという感じだ。いつものように、それによってリラードが負荷を背負うことになった。一方、ナゲッツもポストシーズンを前に負傷者が出ており、ジャマール・マレーの得点力を補う方法を見つけなければならない。マレーは2020年のプレイオフ・ファーストラウンドの2試合で50得点をあげ、シリーズ平均31.6得点を記録している。そのマレーが4月に前十字靭帯断裂でシーズン終了となり、ナゲッツは若きスターのマイケル・ポーターJr.が、ヨキッチと並ぶ得点源となることが必要だ。

3つの注目ポイント

1. 両チームの選手層

前述のように、マレー離脱はナゲッツの攻撃ポテンシャルに影響する。だが、彼らが合計21試合欠場と長期にわたり離脱したモンテ・モリスやウィル・バートンを欠いて戦ってきたことも忘れてはいけない。彼らはどういう状態なのか? バートン(ハムストリング)はブレイザーズとのレギュラーシーズン最終戦を欠場した。モリスはハムストリングの張りで12試合を欠場し、最近復帰したばかりだ。ポーターJr.と新戦力アーロン・ゴードンの2人も、マレーの穴埋め以上となれ、守備やリバウンドでも運動能力を発揮できる。

一方、ブレイザーズのベンチはレギュラーシーズンの大変で苦しんだ。オフシーズンに守備向上を目指した補強をしたが、それらが本当に実ることはなかった。ブレイザーズのディフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの平均失点)は、リーグ29位だ。

2. 3ポイントショットに対するナゲッツの守備

ブレイザーズは3P試投平均40.8本でリーグ2位。そして何より、成功率が38.5%とリーグ6位の数字を誇る。一方、ナゲッツは1試合平均の被3P試投が35.7本とリーグ22位。相手の成功率は36.3%だった。この点では、ゴードンの力が必要だろう。その運動能力と多才ぶりで、ナゲッツの守備を広げられるリラードとマッカラムの能力を何とか抑えなければならない。リラードはナゲッツとの直近5試合で3P成功率44%超。そのうちの2試合で成功率54%超だった。

3. 経験 vs 経験

ブレイザーズは8年連続、ナゲッツは3年連続のプレイオフ出場となる。両チームとも超ハイリスクなバスケットボールのニュアンスをよく知っており、似通ったところがある。何より、それぞれ近年のポストシーズンで示してきたポテンシャルにふさわしくあろうと飢えている。

リラードは「僕らはポストシーズンのたびに自分たちにチャンスを与え、自分たちこそやれるチームだと信じている」と述べた。

「信じなければ、チャンスはない。僕らは『8年連続だ』とポストシーズンに臨んでいるわけじゃない。何かを起こそうとしているんだ」。

興味深い数字

0.83

ナゲッツはピック&ロールのボールハンドラーに許した得点が、ポゼッションごとで0.83とリーグ最少だ。ヨキッチはリーグ有数のスクリーンレベル。彼らはかなりアグレッシブなピック&ロールをする。それが相手のボールハンドラーに簡単に得点させず、効率よくショットを打たせないのだ。

これは、ブレイザーズ相手に良い戦略と思われる。彼らはポゼッションごとのボールハンドラーの平均得点が1.00と、『Synergy tracking』によれば、この17シーズンで最多。昨季、リラードはその17年間でポゼッション平均1.15得点と自己最多を記録した。今季は彼とマッカラムを含め9選手が、ボールハンドラーとして1試合平均7超をマークした試合でポゼッション平均1得点をあげた。

レギュラーシーズンのシリーズは、2勝1敗でナゲッツが制した。5月16日(日本時間17日)の対戦では、後半にスターターを休ませている。ただ、ブレイザーズはリーグ2位の攻撃力を持ち、ここ3試合は100ポゼッションあたり122得点超をマークした。

リーグ29位というブレイザーズの守備は、ナゲッツの攻撃を止めるのに問題だ。だが、このシリーズでは、リラードとマッカラムを抑え、彼らと競えるヨキッチの能力が注目される。

-- John Schuhmann

予想

疑いない。レギュラーシーズン終盤のブレイザーズの守備は、最終順位が示すよりもはるかに良かった。それでもそこがブレイザーズにとって問題なのは変わらない。彼らはオフェンシブ・レーティング(116.3)がリーグ6位だったナゲッツの高い攻撃力と対峙するのだ。ブレイザーズのオフェンシブ・レーティング(117.1)も2位だけに、得点を奪い合うシリーズになることが予想できる。

ただ、最後には、リラードとヨキッチを支えるサポートメンバーやベンチメンバーがどう補うかに懸かってくる。その両方でアドバンテージを持つのはナゲッツだ。第7戦でナゲッツが勝利と予想する。

原文:Series preview: Depth, defense will be key in Nuggets-Blazers series by Michael C. Wright/NBA.com(抄訳)​


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