なぜインシーズン・トーナメントの賞金はNBA選手を真剣にさせるのか?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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NBAがインシーズン・トーナメントの導入を発表した際、選手たちがどれだけ真剣に受け止めるかに関して懐疑的な見方は多かった。

それらの懸念はほとんど杞憂に終わった。試合は非常に面白く、選手たちはすべてを勝ち取りたいとの願望を表している。

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プロアスリートの競争心によるところもある。だが、賞金がどれほどのモチベーションになっているかも、選手たちはオープンに認めている。

NBAインシーズン・トーナメントの賞金

  • 優勝:各選手に50万ドル
  • 準優勝:各選手に20万ドル
  • 準決勝進出:各選手に10万ドル
  • 準々決勝進出:各選手に5万ドル

優勝チームは各選手が50万ドル(約7350万円/1ドル=147円換算)を手にする。準優勝チームの選手たちはそれぞれ20万ドル(約2940万円)だ。準決勝で敗れたチームは各選手に10万ドル(約1470万円)。準々決勝敗退チームは各選手が5万ドル(約735円)を得る。

賞金はコーチングスタッフにも及び、ヘッドコーチは選手と同じ金額を手にする。アシスタントコーチについては、ヘッドコーチへの支払い総額の75%に相当する資金プールから割り当てられる。

インシーズン・トーナメントの賞金に関するNBA選手のコメント

NBAにおける平均サラリーは約1000万ドル(約14億7000円)だ。最高年俸は5000万ドル(約73億5000万円)を上回る。それでも、5万ドルは極めて魅力的なボーナスになると分かった。多くの選手が大会でうまくやるための金銭的なインセンティブに言及している。大会ここまでの選手たちの反応の一部を紹介しよう。

スペンサー・ディンウィディーErik Slater記者):「お金が嫌いな人なんているか? 50万ドルだ。ロールスロイスを買えるよ」

パオロ・バンケロ(『The Hoop Herald』):「意味のあることだ。50万ドルがかかっているんだよ。僕は頑張るね」

レブロン・ジェームズLisa Salters記者):「50万ドルがかかっている。だからそれを狙う」

アンソニー・デイビス(『HoopsHype』):「50万ドルは本当に良い響き。おいしいでしょ」

ギャリー・ペイトン二世(『NBCS Warriors』):「ああやってコートが違うと、お金がかかっていると分かるんだ」

クエンティン・グライムズFred Katz記者):「みんなトロフィーとかいろいろ言っているけど、本当はあのお金のためにやると思う」

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若手にとってのNBAインシーズン・トーナメントの賞金

毎年4000万ドル(約58億8000万円)や5000万ドルを稼ぐ大型契約選手にとって、50万ドルはそれほど貴重ではないかもしれない。だが、年俸110万ドル(約1億6170万円)から始め、経験に基づいて増えていくというミニマム契約を結んでいる選手もたくさんいる。また、各チーム最大3人の2ウェイ契約選手の年俸はその半額だ。

NBAのベテラン選手たちは、若手にとってそのお金がどれほど重要かを知っている。そういったチームメイトたちを助けたいというのも、勝利へのモチベーションに役立っているのだ。

ペイトン二世はNBCS Warriorsで「ウチの何人かの選手、特に若手のことを思うんだ。若手や2ウェイ契約の選手の助けになるだろう」と話している。

デイミアン・リラードは『USA Today』のMike Bohn記者に、「生き残ろうとしている選手たちにとって、(インシーズン・トーナメントの)賞金は家族の生活を変えるものになり得る」と述べた。

「すべてお金というようにはしたくない。でも、それは僕たちにできることなんだ」

原文:NBA In-Season Tournament prize money, explained: Why NBA stars care more about reward than you think(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。