過熱するレブロン・ジェームズとレジェンド選手の比較論、「レブロン対コービー」は…?

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もう何年にもわたり、NBA解説者たちはレブロン・ジェームズと過去の偉大な選手たちとを比較し続けている。中にはジェームズをすでに歴代ナンバー1、あるいはナンバー2に挙げる意見もあるが、チャールズ・バークリーのように決してジェームズをトップ5に挙げようとしない解説者もいる。

たいていの場合、ジェームズとマイケル・ジョーダンの比較になるのだが、最近ではジェームズとコービー・ブライアントの比較論が持ち上がるケースも少なくない。バークリーは、もしジェームズ率いるクリーブランド・キャバリアーズがゴールデンステイト・ウォリアーズとのNBAファイナル2017に勝てば、ロサンゼルス・レイカーズのレジェンドを凌ぐ存在になるかもしれないと主張している。だがスコッティ・ピッペンは、『ESPN』に対し「まったくもって、彼(ジェームズ)はまだコービーを凌ぐ存在ではない」と言う。

現役時代にシカゴ・ブルズでジョーダンと長きにわたってプレイしたピッペンは、第一にジェームズとブライアントを比較すること自体がおかしいと主張する。

「私が思うに、彼(ジェームズ)はコービーともマイケルとも比較されるべきではない。彼らは異なるポジションだ。コービーとマイケルはシューティングガードで、2人ともスコアラー。現代の選手で言うなら、カイリー(アービング)に近い。ボールを持てば点を取りに行くタイプの選手で、チームメイトのプレイメイクをするタイプではなかったし、ファシリテーター(促進者)になろうともしていなかった。そういうことはレブロンの役割だ。彼は圧倒的な支配力を持ち、強靭で、そして素晴らしいパサーでもある」。

では、ジェームズは誰と比較されるべきかと聞かれると、ピッペンは、同じくレイカーズで一時代を築いたレジェンドの名前を口にした。

「私なら、レブロンとマジック(ジョンソン)を比較したい。彼はマジックに近いプレイをしていると思う。もしくは、現役時代の私と同様のプレイをしている。もちろん、彼のほうが私やマジックより支配的な選手で、フィジカルも、身体能力もマジックと私を上回っている」。

ピッペンは以前も自身とジェームズを比較したことがある。バスケットボール殿堂入りを果たしているピッペンは、数年前「私は、“レブロン・ジェームズの時代以前にいたレブロン・ジェームズ”だ」と言った。ピッペンが意味するところは、現役時代に今のジェームズに近い役割を担っていたということだ。

歴代最高の選手の議論は尽きないが、実際問題、ジェームズとブライアントを単純に比較するのは難しい。そこで、ピッペンの意見を参考に、両者を比較してみたい。

ピッペンは、ブライアントのほうがジェームズよりもスコアラーであり、ジェームズはファシリテーターであると形容した。つまりそれは、ブライアントの平均得点のほうが上だということになる。だが実際は、ジェームズのほうがレギュラーシーズンでも、ポストシーズンでも、ブライアントを平均得点で上回っている。プレイオフにおける通算得点でも、ブライアントよりも出場試合数が少ないにもかかわらず、ジェームズのほうが上回っているのだ。

『Basketball-Reference.com』によれば、ブライアント(1997年から2012年まで)とジェームズ(2006年から17年まで)がプレイオフで残したスタッツを比較した場合、ブライアントは合計220試合に出場して5640得点、ジェームズはブライアントより8試合少ない212試合に出場しながら歴代首位の5995得点を記録している。

また、ジェームズはフィールドゴール成功率(48.3%、ブライアントは44.8%)でもブライアントを上回っており、ショットにおいてもより影響力の高い選手だ。しかもジェームズは、リバウンド、アシスト、スティールでもより優れた成績を残している。

ジェームズ vs ジョーダンの議論は答えが出ないかもしれないが、ジェームズ vs ブライアントとなるとその議論はもう終わっている。“ザ・キング”の勝ちだ。

原文:Scottie Pippen says LeBron James hasn't surpassed Kobe Bryant 'at all' by Jordan Heck/Sporting News


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