なぜウェストブルックはベンチスタートに? クリッパーズがスタメン変更へ

Scott Rafferty

坂東実藍 Miran Bando

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ロサンゼルス・クリッパーズはフィラデルフィア・76ersとのトレードでジェームズ・ハーデンを獲得してから6連敗を喫し、ウェスタン・カンファレンスの下位に沈んでいる。

この流れを止めようと、クリッパーズはラッセル・ウェストブルックをベンチスタートにし、スターティングラインナップを変更しようとしている。

ウェストブルックは今季がクリッパーズでの2シーズン目だ。ロサンゼルス・レイカーズとのトレードで加入したユタ・ジャズでウェイブ(保有権放棄)され、その後クリッパーズに加入した。

なぜ、クリッパーズはウェストブルックをベンチスタートにすることを決めたのだろうか?

 

なぜラッセル・ウェストブルックがクリッパーズでベンチスタートに?

Bleacher Report』のクリス・ヘインズ記者によると、スターティングラインナップがケミストリーを発展させ、セカンドユニットに「気迫のこもったプレイ」をもたらすのに役立つために、ウェストブルックがベンチスタートを求めたという。ウェストブルックはコーチングスタッフに、勝つために必要なことを何でもしたいと話したと言われる。

クリッパーズはハーデンを獲得してから大きく苦しんだ。『スポーティングニュース』で伝えたように、トレード前は攻守ともトップ5の数字だったのだ。だが、トレード以降は攻撃効率がリーグ27位、守備が25位と急落。この間のセカンドユニットの出来も静かで、得点がリーグ27位だった。

タロン・ルー・ヘッドコーチは最近、『Bleacher Report』で「ヘッドコーチとして私にとって最もタフな挑戦だ。だが、必ずこの任務をこなしてみせる」と話している。

「最も大事なのは、これらの選手たちにみんなのために犠牲を払ってもらうことだ。誰が試合を始め、誰が終えるか、誰がショットを打ち、ボールに触れ、ピック&ロールをするかによらずね。シーズンを通じて、それが最も大きな挑戦となる」

ヘインズ記者によると、ウェストブルックに代わってスターティングラインナップに入るのはテレンス・マンという。マンは3ポイントシューターではないが、通算成功率で38.1%と30.5%のウェストブルックよりも高い精度を記録している。また、マンはボールを支配しないので、ハーデン、ポール・ジョージ、カワイイ・レナードとよりうまくフィットするはずだ。

ウェストブルックはクリッパーズでの最初の31試合で先発出場した。最後のベンチスタートは、ロサンゼルス・レイカーズに在籍していた2022-2023シーズン。レイカーズでの49試合でシックスマンとして平均16.2得点、7.7アシスト、6.1リバウンド、フィールドゴール成功率42.4%、3ポイントショット成功率30.8%、フリースロー成功率64.9%をマークした。

ウェストブルックのベンチスタートでクリッパーズの陣容は?

ウェストブルックがベンチスタートになることで、クリッパーズは以下のような構成となる。

  • PG:ハーデン、ウェストブルック、ボーンズ・ハイランド
  • SG:マン、ノーマン・パウエル
  • SF:ジョージ、アミア・コフィー
  • PF:レナード、PJ・タッカー
  • C:イビツァ・ズバッツ、ダニエル・タイス、メイソン・プラムリー

ウェストブルックはパウエルやタイスのセカンドユニットをけん引することになる。インディアナ・ペイサーズとの契約をバイアウトしたタイスは、クリッパーズとの契約が報じられているところだ。

プラムリーは左ひざ内側側副じん帯の負傷で数か月の離脱となる可能性があり、タイスはそのプラムリーに代わってズバッツのバックアップを務めることになる。

原文:Russell Westbrook's move to the bench, explained: Why Clippers are making lineup change after James Harden trade(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Scott Rafferty

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Scott Rafferty is an experienced NBA journalist who first started writing for The Sporting News in 2017. There are few things he appreciates more than a Nikola Jokic no-look pass, Klay Thompson heat check or Giannis Antetokounmpo eurostep. He's a member of the NBA Global team.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。