八村塁と渡邊雄太の状態は? インシーズン・トーナメント準々決勝で「Xファクター」に?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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12月6日(現地時間5日)に行われるインシーズン・トーナメント準々決勝のフェニックス・サンズ対ロサンゼルス・レイカーズでは、スター選手たちに大きな注目が集まるだろう。ブラッドリー・ビールは腰のケガで欠場するが、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、ケビン・デュラント、デビン・ブッカーはいずれも出場が見込まれる。

両チームのロスターにこれだけのタレントたちがそろっているだけに、サンズが12勝8敗でレイカーズが12勝9敗という成績なのはサプライズかもしれない。彼らが月並みな成績なのは、シーズンを通じてサンズのスター選手たちが欠場を余儀なくされてきたことや、両チームのロールプレイヤーたちが十分でなかったことが理由だ。

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そこで非常に重要となるかもしれないのが、レイカーズの八村塁とサンズの渡邊雄太のパフォーマンスだ。どちらも時折、チームを盛り上げるのに役立つ完璧な駒となり得ることを示してきた選手たちである。

インシーズン・トーナメント準々決勝において八村と渡邊がどのような役割を担うかをまとめる。

八村塁と渡邊雄太の負傷状況

今季は八村も渡邊もここまでケガに見舞われ、その効果が限定されてきた。

八村はシーズン序盤に脳震とうで4試合を欠場。鼻骨骨折でここ5試合も欠場している。12月3日(現地2日)のヒューストン・ロケッツ戦では、故障者情報から外れ、出場可能とされていた。だが、『The Athletic』のヨバン・ブーハ記者によると、試合前の状態からレイカーズのダービン・ハム・ヘッドコーチが出場させないことを決めている。

ハムHCはブーハ記者に、サンズ戦での復帰を願うと話したが、状態はまだ分からない。

一方、渡邊はサンズのここ8試合のうち3試合にしか出場していない。大腿四頭筋のケガから回復していたところだが、レイカーズ戦には出場できるはずだ。

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最近の八村塁の調子は?

鼻骨骨折のケガは、八村にとって最悪のタイミングだった。脳震とうから復帰して以降の9試合で、彼は平均13.0得点、フィールドゴール成功率52.4%、3ポイントショット成功率46.2%と卓越した出来だったからだ。

レイカーズ最初の12試合で、八村は自己最少となる平均20.6分間の出場だった。だがその後、指揮官がもっと自分を使わざるを得ないようにしている。出場した直近の4試合では平均28.5分間の出場時間を記録。この4試合でレイカーズは3勝1敗という成績だった。

ハムは八村を信頼し、より厳しい守備の役割を託した。例えば、長時間にわたるルカ・ドンチッチのマークだ。コンテストしながら3Pを沈められたり、レーンを突かれたりした一方で、八村がうまく止めた場面も何度かあった。

八村が鼻骨を骨折したのは、そのダラス・マーベリックス戦だ。そして彼を失ったレイカーズは苦しんだ。クリーブランド・キャバリアーズとロケッツ、最下位デトロイト・ピストンズには良い勝利を収めた。だが、フィラデルフィア・76ersには44点差で大敗。オクラホマシティ・サンダーにも23点差で敗れている。ベンチスタートからの得点力を欠いた。

ロケッツ戦ではジャレッド・バンダービルトがシーズンデビューを飾っている。彼の復帰は八村の序列を押し下げるかもしれない。彼らはレイカーズで一緒になってから、ずっと出場時間を競ってきた。復帰戦でバンダービルトは良い守備を見せたが、出場14分で無得点に終わっている。攻撃と守備のどちらをハムHCが望むかによるだろう。

最近の渡邊雄太の調子は?

今季の渡邊のプレイには浮き沈みがある。3P成功率は36.5%と堅実だが、FG成功率は36.4%にとどまっている。

昨季から3Pの数字は少し落ちたが、渡邊はコーチングスタッフから信頼されている。フランク・ボーゲルHCは先日のメンフィス・グリズリーズ戦で、第1クォーター最後のポゼッションで渡邊を投入した。フロアを広げることを願ってのことだ。

そして渡邊はまさにそのとおりのことをやって見せた。ブッカーがドライブでディフェンダーを3人引きつけてから、渡邊がコーナーからの3Pを沈めたのである。

渡邊はそのスペシャリストの役割に担うようになっている。『Basketball Reference』によると、今季のショットの78.8%が3Pだ。これは彼のキャリアにおいて圧倒的な数字である。今季に先立ち、渡邊の3Pはショットの51.7%だった。

大腿四頭筋の負傷から復帰して以降、渡邊は不調にある。4試合でFG成功率はわずか27.3%。3P成功率は33.3%だ。4試合のうち1試合では、ベンチ入りしながら出場機会がなかった。

自分たちにコントロールできない状況もあって、渡邊と八村はやや静かなシーズンスタートとなっている。しかし、どちらも急に勢いに乗ることができるとも示してきた。インシーズン・トーナメント準々決勝は、どちらか、あるいは双方にとって、ブレイクする一戦となるかもしれない。

原文:Rui Hachimura vs. Yuta Watanabe: Why Japanese forwards could be X factors in Lakers-Suns In-Season Tournament game(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。