なぜ八村塁をスターターにすべきか レブロン、デイビスらとの先発起用がレイカーズのベスト?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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八村塁は昨季、ロサンゼルス・レイカーズでブレイクした。チームのトレーニングキャンプ開始に向け、レイカーズのロブ・ペリンカGMが9月28日(日本時間29日)に話した際の言葉を借りるなら、八村は「個人のルネッサンス」で「再び選手として生き返った」のだ。

レイカーズがウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだ要因のひとつが、プレイオフでベンチスタートから平均12.2得点、3ポイントショット成功率48.7%を記録した八村の活躍だった。この活躍で、八村は3年5100万ドル(約75億4800万円/1ドル=149円換算)の契約を手に入れている。だが、まだローテーション内での居場所は定まっていない。

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28日(同29日)、ダービン・ハム・ヘッドコーチは5人のスターターのうち4人の名前をあげた。ディアンジェロ・ラッセル、オースティン・リーブス、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスだ。スターティングラインナップの最後の1枠は誰のものになるか分からないとも話した。

その1枠は、八村とジャレッド・バンダービルトの争いになるだろう。どちらも才能ある選手だ。だが、スターターとして理にかなっているのは、八村である。

八村塁がレイカーズ最後のスターター枠を手にすべき理由

2022-2023シーズンのレギュラーシーズンで、レイカーズは八村をスターターとして試している。八村は非常に良かった。だが、チームの負傷者のために、つなぎあわせのラインナップでのプレイだった。レギュラーシーズンでリーブス、ジェームズ、デイビスと一緒だったのは20分だけだ。

それがプレイオフになって変わった。ポストシーズンのレイカーズは、八村がバンダービルトに代わり、リーブス、ジェームズ、デイビス、そしてラッセルかデニス・シュルーダーと一緒になるたびに、最高のラインナップとなったのだ。

バンダービルトもそのグループで良いプレイだった。だが、レイカーズが本当に止められなくなったのは、八村が出場していた時間帯だ。『NBA Stats』によると、相手を52得点も上回っている。

ラインナップ 時間 プラスマイナス
バンダービルト、リーブス、ジェームズ、デイビス、ラッセル/シュルーダー 187 +12
八村、リーブス、ジェームズ、デイビス、ラッセル/シュルーダー 126 +52

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八村は攻守両面で重要なクオリティーをチームに加えた。それは、バンダービルトにできなかったことだ。バンダービルトはプレイオフで3P成功率24.1%。相手チームはレイカーズのほかの選手たちへのプレッシャーを強めるために、バンダービルトのマークを緩めていた。

だが、八村がコートに立つと、相手チームは同じ戦略を使えなかった。八村をマークしなければ、オープンな3Pをコンスタントに決められるからだ。

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レイカーズがベストを発揮するのに、八村のショットの脅威は極めて重要だ。トレードデッドライン(トレード期限)までのレイカーズは、25勝31敗と苦しい成績だったが、ジェームズやデイビスのそばにいたのは、ラッセル・ウェストブルックやパトリック・ベバリーなど、ショットが良くない選手たちだった。

より優れたシューターを獲得し、ロスターを一新してからのレイカーズは、18勝8敗と成績を好転させた。ジェームズとデイビスがペイント内を密集させることなくプレイをつくれるようになり、チームはその勢いで西地区決勝まで勝ち進んだのである。

一方、守備において、八村はバンダービルトに劣っている。バンダービルトは複数のポジションを守れるエリート級のストッパーだ。しかし、八村も守備を改善してきた。ハムHCは28日(同29日)、「昨季は守備で大きく飛躍した」と話している。

数字も裏付けている。八村がリーブス、ジェームズ、デイビスと一緒にプレイすると、レイカーズの守備は非常に良かった。NBA Statsによると、八村とスターターが一緒にプレイした時のレイカーズは、プレイオフ全体のチームスタッツと比べ、100ポゼッションあたりの失点が2.7点少ない。

1on1の守備でも大きな向上が見られた。NBA Statsによれば、八村がマークすると、相手のフィールドゴール成功率は6.4%ダウンしている。これはヤニス・アデトクンボに次ぐリーグ2位の数字だ。

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スターターグループとの昨季の成功を受け、ハムHCは八村が大きく貢献できると信じている。

28日(同29日)、ハムHCは報道陣に「今季の塁には大きな、大きな、大きなことだけを期待している」と話した。

「彼はまだ若い選手で、もっと違うレベルに達することができる。すでに極めて高いレベルにあるけどね。だから、見ていこう。でも確実に、彼は深く関わってくるはずだ」

スターターだろうがベンチスタートだろうが、八村はどちらの役割でもレイカーズに貢献できる。だが、本人にとってもチームにとっても、彼を生かす最善策は先発起用だろう。

原文:Why Rui Hachimura should join LeBron James, Anthony Davis in Lakers' starting lineup(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。