八村塁「スターターも控えも関係なく、試合開始から、みんなが集中する必要がある」|キングス戦後一問一答(3月7日/現地6日)

宮地陽子 Yoko Miyaji

八村塁「スターターも控えも関係なく、試合開始から、みんなが集中する必要がある」|キングス戦後一問一答(3月7日/現地6日) image

ロサンゼルス・レイカーズの八村塁が、3月7日(現地6日)に本拠地であるクリプトドットコム・アリーナで行われたサクラメント・キングス戦後にメディアの取材に応じた。

この試合で先発出場した八村は、32分39秒間のプレイで29得点、2リバウンド、2スティール、1ブロックをマーク。試合はレイカーズが120-130で敗れている

以下、八村の試合後の一問一答(前半は英語、後半は日本語での質疑応答。質問は要約)。


スターターも控えも関係なく、試合開始から、みんなが集中する必要がある

──素晴らしいスタートを切って19点リードを取ったが、どこで流れが変わってしまったのか。

八村:ハーフタイムにも話していたのですけれど、シーズンで一番のスタートを切ることができたと思います。ディフェンス面で集中し、オフェンスではボールをシェアできて、よく動き、素晴らしいスタートでした。

でも第2クォーターに急に追い上げられてしまいました。マリーク(・モンク)と(ディアロン・)フォックスをリズムに乗せてしまい、試合を通してその対応策を見つけることができませんでした。第3Qと第4Qには僕らが追い上げようとしたのですが、すでに時遅しでした。

2人が揃ってリズムに乗っていたのでダブルチームをすることもできず、ディフェンスで抑えるのは簡単でなかった。第2Qで試合が決まってしまったと思います。

──チームとして、プレイオフで何試合もアウェイで勝つ自信はどれだけあるか?

八村:自信はあります。ただ、そのためには集中する必要があると思います。リラックスする余裕はありません。今日の試合はそのいい例で、第1Qに20点位リードしていたのに、リラックスしてしまったことで相手に20点位リードされてしまいました。

どんな時でもリラックスするわけにはいきません。いつもはスタートで苦労するのが、今日は良いスタートを切ることができました。今日の試合出だしのようなプレイを、試合通してやらなくてはいけません。(アウェイで勝つことは)できるけれど、そのためにチームとして集中する必要があるだけです。スターターも控えも関係なく、試合開始から、みんなが集中する必要があります。

──順位表ですぐ上にいるキングスに敗れたことについて。

八村:試合前にもそういう話をしました。順位表を見て、他のチームの順位を見て、これは重要な試合だという話をしました。彼らとの対戦は来週もう1試合あるので、それには絶対に勝たなくてはいけません。

──NBA全体として、大差の勝利をした次の試合に大敗するといった波があることについて。

八村:NBAは世界でも最高のリーグなので、どのチームも強く、良い選手ばかりです。誰かがケガしたり、欠場していたり、相性が良い相手だったりということに左右されます。どのチームも良いチームで、相手が誰でも勝つことができます。

だからチームとして僕らに必要なのは集中すること。自分たちのできることに集中し、ケミストリーをまた築く必要があります。それがチームにとってプラスになります。シーズン通してそれをやってきたんですけれど、あと(約)20試合、残りの試合を全部勝つぐらいのつもりで集中してやる必要があると思います。

──前の試合で出たキャム・レディッシュがDNP(Did not play=ベンチ入りも不出場)で、マックス・クリスティーが出場時間を多く得るなど、試合によって出る選手が頻繁に入れ替わる中でリズムをつかむのは難しいか。

八村:それは確かに大変です。あなたが言った2人のことだけでなく、バンドー(ジャレット・バンダービルト)がもうすぐ戻ってきますし、ゲイブ(ゲイブ・ビンセント)も間もなく復帰します。Cウッド(クリスチャン・ウッド)も戻ってきます。ローテーション的にまた難しくなるでしょうし、またやり方を見つける必要があります。

僕にも、チームがこの先どうするのかわからないですけれど、これがNBAですし、なるようにしかならない。毎試合、自分の役割のために準備し、ハードに、エナジーを持って、自分の役割をプレイするだけ。それが鍵だと思います。

以下、日本語。

こういう大きい舞台で戦っているということを彼らに見せられて良かった

──トミー・ロイドコーチ(元ゴンザガ大学のアソシエイト・ヘッドコーチ、現アリゾナ大ヘッドコーチ)ら、ゴンザガ時代のコーチたちが見ている中で、自分の力をどれぐらい出せたか。

八村:そうですね。彼らが来ているということで、あとはドマス(ゴンザガ大先輩のサボニス)との対戦だということで、僕も気合を入れて入ったんですけれど、こういう形になってしまった。残念ですけれど、僕としては、こういう大きい舞台で戦っているということを彼らに見せられて良かったなと思います。

──第2Qにチームとして得点できなかった時は、どう考えてプレイしていたか。

八村:思い切ってプレイしようと思いましたし、チームがリズムに乗れていなかったので、僕がやろうという感じでやったんですけれど、遅かったというのがあるんじゃないかなと思います。

チームとしても第1Qの20点ぐらい勝っていたところでひっくり返されて、逆に20点差になったということもすごい大きかったと思うので、そこはチームとしてやっていかないといけないなと思います。

取材・一問一答構成:宮地陽子


レイカーズは次戦、3月7日午後12時30分(現地6日)にクリプトドットコム・アリーナでサクラメント・キングスと対戦する。

宮地陽子 Yoko Miyaji

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東京都出身。ロサンゼルスを拠点とするスポーツライター。バスケットボールを専門とし、NBAやアメリカで活動する日本人選手、国際大会等を取材し、複数の媒体に寄稿。著書に「The Man ~ マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編」(日本文化出版)、「スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ」(集英社)、編書に田臥勇太著「Never Too Late 今からでも遅くない」(日本文化出版)