レイカーズが八村塁をもっと使うべき理由:出場時間にふさわしいと証明

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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八村塁は昨季のロサンゼルス・レイカーズがウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進む中で、チーム最高のロールプレイヤーのひとりだった。今季のスタートも同じように成果を出している。なぜ、八村はもっと出場機会を与えられていないのだろうか?

ここまで八村は1試合平均の出場が20.6分間と自己最少の数字だ。ロスターでは9番目の数字である。出場時間あたりの得点が、レブロン・ジェームズに続くチーム2位であるにもかかわらず、だ。サクラメント・キングスに敗れた11月15日(日本時間16日)の試合でも、第4クォーターの大事な局面でコートに立っていなかった。今季の出場時間はまちまちだ。

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今季のレイカーズはここまで6勝6敗と、そのポテンシャルに見合ったプレイができていない。リーグ20位の攻撃に変化を加える必要がある。

ここでは、なぜレイカーズがもっと八村を見るべきかをまとめる。

なぜレイカーズは八村塁をもっと起用すべきか

八村塁はレブロン・ジェームズの負担軽減に貢献可能

レイカーズを踏みとどまらせるために、今季のジェームズは出場時間が長くなりすぎている。平均33.9分間はアンソニー・デイビスに続くチーム2番目の数字だ。それだけの負担がかかっているのは、彼がベンチに座っている時にレイカーズが低調だからである。『NBA.com』によると、ジェームズがコートにいる時のレイカーズは、100ポゼッションあたりで相手を6.3点上回っている。だが、彼が出場していない時は、16.6点下回っているのだ。

八村は、そのジェームズ不在時のベンチユニットが生き残るのに役立てる選手だ。出場時は36分あたり22.3得点と攻撃で貢献してきた。素晴らしいアイソレーションプレイヤーで、好きな時にショットに持ち込める。メンフィス・グリズリーズのデイビッド・ロディーのような自分より大きい選手との肉弾戦からショットにつなげた場面もあった。ミッドレンジからのショットはキャリアを通じて堅実だ。

相手チームが八村を1on1で守ろうとしても、止められるチャンスはほとんどない。八村はファーストステップが素晴らしく成長しており、ドライブする際にパワーと組み合わせて活用している。

ダービン・ハム・ヘッドコーチは、ジェームズがコートに立っていない時に八村を起用することを試してきた。グリズリーズに快勝した14日(同15日)の試合で、八村は最後の14分30秒間をプレイしたが、ジェームズはコートにいなかった。その間、八村はフィールドゴール成功率71.4%でチーム最多の12得点をあげている。

八村はカッターやフロアスペーサーとしてファンタスティックだが、攻撃においてもっと大きな責任を担うことができる。長いレギュラーシーズンを通じてジェームズをもっと休ませられるような存在となるのに、もっと機会を与えられるべきだ。

今季の八村塁は守備が堅実

八村はファンタスティックなディフェンダーとして知られてきたわけではない。だが、今季は他に引けをとらない出来だ。常に問題だったヘルプディフェンスは良くなった。キングス戦では第2Qに体を張ってドマンタス・サボニスのチャージングを誘っている。

パスレーンでも非常にアクティブだ。平均1.1スティールは自己最多。1回のスティールに至ったポゼッションの推定数であるスティール率は、キャム・レディッシュに続くチーム2位だ。

1on1のディフェンスも良い。予想された以上に万能だ。ヒューストン・ロケッツのアーロン・ホリデーのように自分よりクイックな選手をスイッチからブロックする場面もあった。デンバー・ナゲッツのアーロン・ゴードンのように自分より大きな選手との激しい肉弾戦にも耐えている。

八村がコートに立つのは主に攻撃面の理由からであるのは間違いない。だが、かつて欠点と見なされていた守備も、問題ではなくなっているのだ。

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八村塁はレイカーズが強く必要とするショットをもたらす

八村はプレイオフで3ポイントショット成功率48.7%と好調だった。今季を迎えるまでは通算成功率34.7%だっただけに、それがどれだけ持続可能かは大きく疑問視されていた。

だが、八村はショット精度の向上が本物かもしれないと証明している。今季の8試合で3P成功率は50.0%だ。3P試投がリーグ29位、3P成功率がリーグ23位のチームにおいて、八村のショットは強く必要とされるものだろう。

厳しくコンテストされた時でもショットを放つなど、八村は大きな自信を持ってきた。アグレッシブなヘルプディフェンスを苦しめることで、ボールを持っていない時も価値をもたらせることを示しているのだ。

試投数が上位リストに乗るほどであれば、八村は成功率でトップ5に入る。そして、彼のショットは、彼がもたらすことの小さな一部でしかないのだ。

シンプルに、レイカーズは八村の出場時間をもっと増やす必要がある。負傷から復帰してからの5試合で、平均出場時間は24.1分間。そこでFG成功率64.4%から平均15.6得点をあげている。もっと多くの出場時間にふさわしいことを証明するのに、これ以上できることはあまりない。

原文:Rui Hachimura needs to play more: Lakers forward has been one of team's best shooters, scorers, bench players(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。