毎年、ルーキーとのレベルを上回る選手たちがいる。ことしのサプライズはだれだろうか。昨年はディアンドレ・エイトンがトップルーキーとして抜け出すかと思われたが、実際には最優秀新人賞に選ばれたルカ・ドンチッチと、ドラフト全体5位指名だったトレイ・ヤングの一騎打ちとなった。
ことしは興味深い点がたくさんあるはずだ。今季注目のルーキー10選手を紹介しよう。
ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
だれしもが注目するのは、ドラフト全体1位指名でペリカンズの手綱を託されたザイオン・ウィリアムソンだろう。彼は違いを作る準備ができており、そのためのチャンスも与えられるはずだ。ドリュー・ホリデーとロンゾ・ボールには経験があるが、ペリカンズはウィリアムソンのチームである。
ウィリアムソンは簡単に20得点、10リバウンドといった、ダブルダブルのような数字を記録できるに違いない。そうしていけば、最優秀新人賞に選ばれるだろう。圧倒的な有力候補だ。
ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)
ウィリアムソンのケースと同じように、メンフィス・グリズリーズも有望新人に鍵を託しても失う物がない。ドラフト全体2位指名のジャ・モラントは、マイク・コンリーに代わり、若くて運動能力のあるロスターを引っ張ることになる。
モラントはすべてをできる選手だ。自らショットを作り出し、他選手への配球もでき、長距離ショットもある。ブレイク候補である2年目のジャレン・ジャクソンJr.というビッグマンがおり、モラントは多くのアシストを記録できるはずだ。アシストに関してはルーキーをけん引するだろう。
RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)
ニューヨーク・ニックスのデイビッド・フィズデイル・ヘッドコーチは、RJ・バレットを昨季のケビン・ノックスと同じように扱うと話した。つまり、何も彼には託さないということだ。だが、遅かれ早かれバレットはスタメンのレギュラーとなるだろう。そうでなければショッキングだ。
バレットはニックスの未来だ。そして彼はすぐに成功するだけのスキルを備えている。トップクラスの得点力に加え、守備でもサイズと運動能力がある。ニックスはなかなか勝てないだろうが、マディソン・スクエア・ガーデンのファンは未来に希望を持つだろう。
マティース・サイブル(フィラデルフィア・76ers)
今季、フィラデルフィア・76ersは35試合が全米でテレビ中継される。つまり、ドラフト20位指名のマティース・サイブルを見る機会がたくさんあるということだ。サイブルが守備第一のリザーブという事実は、彼がすぐに出場機会を得るということを意味する。
チームメイトたちはすでに22歳のサイブルの守備能力を称賛している。ベン・シモンズはサイブルとの対峙するのが「嫌い」だと話した。守備に関しては、彼は注目すべき新人なのだ。攻撃面で多くを求められることはないだろう。だが、それでも速攻から得点できるし、必要な差異はアウトサイドからショットを打てる。
ダリアス・ガーランド(クリーブランド・キャバリアーズ)
昨季19勝に終わったクリーブランド・キャバリアーズは、ロッタリーピックのコリン・セクストンを成長させた。そして今季は、5位指名のダリアス・ガーランドが同様に期待されている。セクストンは1試合平均16.7得点を記録したが、特に序盤戦でショットに苦しんだ。ガーランドはアウトサイドで脅威となり、さらにリングに向かうこともでき、速攻からのフィニッシュもある。将来的にバックコートでセクストンとコンビを組み、大きな数字を残せるようになるはずだ。
その他の注目ルーキーたち
八村塁(ワシントン・ウィザーズ)
全体9位指名の八村塁は、パワーフォワードの層が薄いワシントン・ウィザーズで多くの出場機会を得るはずだ。日本人初のドラフト1巡目指名選手となった八村は、見事なリーチと運動能力を持ち、ピック&ロールや、ステップアウトしてのアウトサイドショットもできる。
マイケル・ポーターJr.(デンバー・ナゲッツ)
2018年のドラフトでデンバー・ナゲッツが全体14位指名したマイケル・ポーターJr.は昨季、健康を取り戻すだけとなり、2019-20シーズンがNBAでのルーキーシーズンとなる。かつては上位3位指名の可能性があると言われたポーターJr.を、ファンはようやく見ることができるのだ。だが、ローテーションに割って入っていけるかは、高校時代からの問題だった健康次第だろう。
タイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート)
現在のNBAでは3ポイントシューターが目立つ。そしてここまで、ヒーローはアウトサイドからのショットを決める力で目立っている選手だ。確かにサマーリーグやプレシーズン序盤戦で見ただけだが、ヒーローがディオン・ウェイターズを押しやって出場機会を得るようになる兆しはそろっている。
ブランドン・クラーク(メンフィス・グリズリーズ)
グリズリーズは若返りに動いている。よって、ブランドン・クラークはジャクソンJr.と一緒にフロントコートで多くの出場機会を得るはずだ。センターのヨナス・バランチュナスと出場機会を競うだろう。だが、全体21位指名のクラークには、ジャクソンJr.にリングを守らせ、二桁のリバウンドを記録するようなリバウンダーになるだけのサイズと運動能力がある。
コービー・ホワイト(シカゴ・ブルズ)
シカゴ・ブルズにはまだクリス・ダンとトーマス・サトランスキーがいる。だが、全体7位指名のコービー・ホワイトは、途中出場で多くのプレイ時間を得るはずだ。ジム・ボイレンHCはホワイトに感銘を受けており、ガードのどちらのポジションでもプレイできると話している。ローテーションにとどまるチャンスがあるという前触れだ。
原文:Rookies to watch in 2019-20 by NBA.com(抄訳)