2021-22シーズンで活躍を見せているルーキーたちをチェック

大西玲央 Reo Onishi

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2021年12月の終わりを迎え、各チームが35試合前後を消化し、シーズンは4割ほど消化したこともあり、新人選手たちのプレイもだいぶ安定してきた印象だ。リーグ全体が安全衛生プロトコルなどの影響で選手たちの出場試合数にばらつきがあるものの、そんななかでも際立った活躍を見せているルーキーたちをチェックしてみよう。

※スタッツは日本時間12月31日現在。

スコッティー・バーンズ(トロント・ラプターズ)

平均15.6得点、8.3リバウンド、3.4アシスト

年齢: 20歳
身長体重: 201cm、102kg
ポジション: フォワード
指名: 2021年全体4位

ラプターズの試合が延期になることが多かったり、本人が現在安全衛生プロトコル入りしていることから、最近は全くプレイしていない。しかし12月中旬辺りまで素晴らしい活躍を見せていた。

渡邊雄太のチームメイトということで、ルーキーのなかでは彼のプレイを一番見ているという人も少なくないだろう。渡邊のプレイタイムが伸びていることから、ふたりの連携プレイも増えてきている。

バーンズの成長スピードは凄まじく、攻守ともにチームに大きく貢献している。特にオフェンスでは相手のディフェンスを読む力が高く、オフボールで空いているスペースに飛び込んで得点を重ねることができる。

ボールを持った状態でもプルアップからのミドルジャンパーを得意としており、ディフェンスでも複数ポジションを守れるポテンシャルを見せる。シーズン前の予想を大きく上回る活躍でラプターズの成長計画を一気に押し進めている状態だ。

復帰後も活躍と成長を続ければ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに最も近い選手となるだろう。

エバン・モーブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)

平均14.3得点、8.1リバウンド、2.4アシスト

年齢: 20歳
身長体重: 211cm、98kg
ポジション: センター
指名: 2021年全体3位

安全衛生プロトコルから復帰していきなり22得点、7リバウンドを記録し、変わらぬ活躍を見せたモーブリーもルーキー・オブ・ザ・イヤーの有力候補だ。

モーブリーはビッグマンでありながらも、あらゆるスキルが高く多様性のあるプレイが魅力だ。実際にプレイを見てみると、身体の動かし方、ボールハンドリングをしているときの姿がビッグマンではなくウィング選手のように見えるのが印象的だ。

ディフェンスでもスイッチからペリメーターを守ることができ、彼とジャレット・アレンのコンビは守備面で強力な機動力をもたらすことに成功しており、それこそが今季のサプライズチームのひとつであるキャバリアーズの原動力となっていると言っていいだろう。

ベテラン選手としてチームを支えていたリッキー・ルビオの離脱が与えるチームの影響は気になるところではあるが、逆にそういった状況でどれだけ彼とチームが成長できるのかは見ものだ。

フランツ・バグナー(オーランド・マジック)

平均15.8得点、4.7リバウンド、2.7アシスト

年齢: 20歳
身長体重: 208cm、100kg
ポジション: フォワード
指名: 2021年全体8位

35試合出場はルーキーのなかで最多であり、出場時間も平均32.4分とマジックにとって不可欠な選手に既になっているのがバグナーだ。

先日のミルウォーキー・バックス戦では3ポイントショット8本中4本成功を含むフィールドゴール20本中12本成功、フリースロー10本中10本成功の38得点、7リバウンド、3アシストというキャリア最高の活躍を見せた。

ドライブからフィニッシュしたり、トランジションで3Pを決めるなど得点方法も多彩であることに加え、ダブルチームで囲まれれば、できるだけ引きつけてから周りに捌くことができるなど、ルーキーとは思えぬような冷静さも持ち合わせている。

今季は選手が試合に出場できるということ自体が強みになり得るだけに、バグナーのように試合に出場し続け、安定した活躍を見せられることは非常に重要だ。

ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)

平均15.3得点、6.2リバウンド、5.2アシスト

年齢: 20歳
身長体重: 198cm、100kg
ポジション: ガード
指名: 2021年全体1位

評価が急上昇中なのが全体1位指名のケイド・カニングハムだ。開幕当初はスロースタートとなっていたが、徐々に活躍の場を広げ始めている。

苦戦していた3Pも、12月は平均5.8本試投で成功率40.4%と大きく上昇させており、プレイの質も向上している。

平均15分以上出場しているルーキーのなかではUSG%(ユーセッジレート、オフェンスで選手がどれだけ使用されているかを表す数値)が25.6%でトップだ。チーム内でもジェレミー・グラントの26.3%に次ぐ2位で、どれだけチームの中心人物として利用されているかがわかる。

アシスト(5.2)に対してターンオーバー(3.8)が多く、もっとプレイが安定することが当面の課題だが、スタープレイメイカーとしてのポテンシャルは既に十分に見せてくれている。

その他注目ルーキー

  • ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)
  • クリス・ドゥアルテ(インディアナ・ペイサーズ)
  • ジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ)
  • アルペレン・シェングン(ヒューストン・ロケッツ)

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大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。