オクラホマシティ・サンダーのアレックス・アブリネスは、充実した夏を送った。2017-18シーズンの疲れを癒し、オクラホマシティでの練習に励み、ラッセル・ウェストブルック、デニス・シュルーダーとアップダウンを繰り返す今シーズンに向け、アシスタントコーチのダーコ・ラジャコビッチとともに準備を進めてきた。スペインの地元パルマ・デ・マヨルカでもバスケットボールキャンプを開催した。そして、「自分の人生で何よりも大事なこと」と形容した結婚式も執り行った。
長年交際した恋人のカーラさんと式を挙げたアブリネスは、2018-19シーズンに向けたトレーニングキャンプを心待ちにしている。シューティングと、ペリメーターからのプレイメイクが主体の現代のNBAで、アブリネスにはローテーションで重要な役割を担えるだけの力が備わっている。彼のオフェンススキル、ディフェンス意識の高さ、万能性は、サンダーのゲームプランにフィットしている。
昨季終盤、サンダーはアブリネスの成長を実感した。ユタ・ジャズとのプレイオフ・ファーストラウンドで、彼はドノバン・ミッチェル、リッキー・ルビオ、ジョー・イングルズらとマッチアップし、ペリメーター内でマークにつくべき相手にスイッチを繰り返すサンダーのディフェンススキームで能力を生かした。
アブリネスは「シーズンを通してやってきたことが生きた」と話す。
レギュラーシーズンを通じて成長したアブリネスは、オフシーズン中もレベルアップできる部分が多いと確信している。ディフェンス時の身体の強さや、ボールを保持してのプレイに重点をおいて練習を続けてきた。今季はプレイタイム、それから第4クォーター終盤のラインナップに起用されるチャンスも与えられるだろう。このままのペースで成長できれば、チーム内の競争にも勝てるはずだ。
アブリネスは「集中して取り組むべき部分がある。僕の場合は、ディフェンスのレベルアップと、オフェンスの改善だね」と言う。
「シューターとしてプレイするだけではなくて、ボールを扱って、重要な場面で使ってもらえて、チームメートのチャンスを作れるようになりたい」。
2016年に恋人だったカーラさんが一緒にアメリカに渡ってくれたことは、彼にとって大きかった。サンダーでプレイするようになったこの2年間で、アブリネスはシューターとして評価を高めた。NBAでの1年目と2年目でともに3ポイントショット成功率38%を記録し、36分換算では平均12.5得点というスタッツを残している。
ファウルとターンオーバーの数も抑えられ、コーチングスタッフが試合終盤でも彼にシュートを打たせ続けたのは、チームが信頼している証拠だった。
アブリネスは、世界最高峰のリーグでプレイすること、その中でも強豪と言われるチームで出場時間を得ることが試練になるとわかっていた。出場時間が約束されないリスクもあった。しかしアブリネスは、スペインでのバスケットボールキャンプに参加した子供たちに誇らしく思ってもらえるように、コート上で全力を尽くすと約束している。そして、ウェストブルック、ポール・ジョージ、スティーブン・アダムズとともに試合終盤でも起用される選手になることを目標に掲げている。
これから全盛期を迎える25歳のアブリネスには、それだけの選手になれる兆しはある。今季も成長し続ければ、スーパースターたちを支える重要な役割を担えるかもしれない。さらなる成長を目標に掲げているアブリネスと同様に、サンダーもラリー・オブライエン・トロフィーを獲得するというゴールに向かい、邁進し続ける。
原文:Quite a Summer for Abrines by Nick Gallo/okcthunder.com(抄訳)