決勝弾の富永啓生をコーチたちが称賛「あれで試合が決まった」|米大学バスケNCAA

YOKO B

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1月20日(日本時間21日)、富永啓生が所属する米大学バスケットボールNCAAディビジョン1(1部)のネブラスカ大学がノースウェスタン大学戦に75-69で勝利した。

この試合で富永は、3ポイントショット4本中2本成功を含む14得点を記録。得意の3Pはなかなか打たせてもらえなかったものの、前半と後半に1本ずつ、自らドライブでペイント内に切り込んでフローターとターンアラウンドジャンパーで得点するなど、得点源は3Pだけではないところも披露している。

試合の最後には決勝弾となる3Pを沈めてチームの勝利に貢献した富永啓生について、ネブラスカ大のフレッド・ホイバーグ・ヘッドコーチ(HC)と、対戦相手のノースウェスタン大のクリス・コリンズHCが試合後の記者会見で語った。

以下、英語での質疑応答の抜粋の翻訳。


フレッド・ホイバーグHC「フィジカルで強くなった啓生を誇りに思う」

——思うようにプレイできなくてもずっとトライし続けてあのショットにつながった啓生の粘り強さについてどう思うか。

ホイバーグ:確かに彼は粘り強さがある。相手に抑えられ、思うように自由に動けないように行く手をふさがれても、彼は動き続けてチャンスを作る。そういうのを彼にはもっとやってほしいと思っている。この2年の実績があるからこそ、そういう扱いを受けるんだ。彼はずっとそれと戦っている。

そこがここ数年の啓生の成長で私が誇りに思うところだ。身体を作ってフィジカルで強くなった。試合中、相手は啓生にフォーカスしている。それでもひたすら戦って戦って、最後のポゼッションで抜け出すことができて3Pを決めた。あれでリードが2ポゼッションに広がった。

2年前にここに来てから現在のようになるまで、彼はボールを持っていないときの動きに本当に一生懸命取り組んできたんだ。チームになんとしても得点が必要なときにフローターを2本打ってくれたのも大きかった。


クリス・コリンズHC「重要なのは啓生からいかにレイアップと3Pを奪えるか」

——啓生をどう守るプランだったのか。

コリンズ:ベストを尽くすしかないんだよ。スペースを与えてしまったら、彼はカットがうまいし、あのシュートレンジがあったらステップバックをするから、スクリーンの外側を抜けることはできない。彼を追いかけまわして2ポイントショットを打たせるんだ。

彼はフックショットも何本か決めていただろう? 彼にはカッティングがあるから、彼を守るときに重要なのは、彼からいかにレイアップと3Pを奪えるかなんだ。彼にフローターやプルアップジャンプショットを打たせるように仕向けられるか。

確かに何度か彼を見失って3Pシュートを2本決められたが、彼が決めたほとんどのショット、あのフローターやフックショットは我々が望んでいたものだった。それを2本決めてきたのは、彼が素晴らしかったってことだ。

ネブラスカ大との対戦ではコミュニケーションが重要になる。なぜならカッティングがうまくてよく動き、ボールをシェアするチームだからだ。我々はスイッチでコミュニケーションミスをして、そこを啓生に突かれたんだ。あれで試合が決まったんだ。あれは彼を褒めなくちゃいけない。

YOKO B

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。