【インタビュー】キャバリアーズはより「ダイナミック」にと語るビッカースタッフHC

Steve Aschburner, NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

【インタビュー】キャバリアーズはより「ダイナミック」にと語るビッカースタッフHC image

JB・ビッカースタッフの下での2シーズン、若きクリーブランド・キャバリアーズは、2021-2022シーズンに22勝から44勝と飛躍し、プレイイン・トーナメントで敗退した。

オールスターガードのドノバン・ミッチェルを加えてチームを一新した昨季は、厳しいイースタン・カンファレンスで51勝をあげ、第4シードを獲得。だが、プレイオフ・ファーストラウンドでニューヨーク・ニックスに第5戦で敗れている。

[AD] スポーツ得点王:試合結果を予想して豪華賞品をゲット!

今季、キャバリアーズはより細かい変更を行った。最も注目は、ハーフコートオフェンスを強化すべく、マイアミ・ヒートからマックス・ストゥルースを、フィラデルフィア・76ersからジョージ・ニアンを獲得したことだ。2022-2023シーズンのキャバリアーズは、3ポイントショット試投がリーグ24位、k平均得点が25位、ペースが最下位という数字だった。

改善点がそれらにあるのは明白だ。9月初旬にシカゴで行われたNBCA(コーチ協会)の会議の際に、ビッカースタッフHCが『NBA.com』に話してくれた(※以下の質疑応答は要約・編集されている)。

――トレーニングキャンプの開始に向けて最も興奮しているのは?

とにかくまたみんなが一緒に戻ってくることだ。それがうれしい。「チーム」をつくり続けることができるんだ。チームとは何か、どう競って競っていくか、シーズンを通じてやらなければいけない小さなことのすべてを選手たちに示す。それらが最後は助けてくれるんだ。

もちろん新戦力の映像を見て研究したが、実際に指導してみるまで正確には分からないものだ。だからマックスやタイ(ジェローム)、デイミアン(ジョーンズ)、ジョージが加入し、彼らが何をもたらし、どう貢献できるかを見られるのはうれしいね。

[AD] スコア遊ライブ:野球・サッカー・バスケほか注目スポーツの試合結果を超速報!

――レギュラーシーズンでは、どんなプレイオフにつながるようなことを成し遂げられるか?

教訓から学ぶんだ。プレイオフを経験したり、そこで負けたことを乗り越え、夏を過ごさなければいけない。「OK、あれがコーチたちの言っていることで、そういう小さなことが大事になるんだ」とね。

我々はそういう経験をしたと思う。だから次は、どうやって自分たちを守るのをもっと難しくするかだ。相手にもっと、自分たちを追いかけなければと感じさせられるかだ。レギュラーシーズンの我々は、ピック&ロールでエリートチームだった。だからそこに何を加え、もっとダイナミックにするかだよ。

マックスやジョージのような選手たちの加入で、動くことができ、動きをつくること、そこからショットを決めることができると思う。これから相手は彼らを追いかけるようになる。だからダリアス(ガーランド)、ドノバン、エバン(モーブリー)、ジャレット(アレン)とピック&ロールする機会があるんだ。

――では、ニアンとストゥルースをペリメーターやコーナーに置かないのか?

いや、彼らはその一部となる。彼らのスキルセットはウチの選手たちの役に立つ。ベストプレイヤーたちを助けられる選手たちを見つけてきたコビー(アルトマン/バスケットボール運営部代表)やマイク・ギャンジー(GM)たちの功績は大きい。

[AD] 注目試合の結果を徹底予想&分析【Free Yuugado Sports】

――ミッチェルと長期契約を結ぶために、彼に何を見せる必要があるのかということが注目されている。逆にミッチェルがあなたたちやクリーブランドの人々に見せなければいけないものは何か?

攻撃のシステムに変化を見てもらえるだろう。2年前、我々はボールや人の動きを多くすることに基づいていた。そこに戻ろうとしていく。全員がもっと動き、ボールをもっと動かすんだ。そうすれば、守備がシフトしてから、ミッチェルには自分が最も得意とすることをやるための機会があるだろう。

全員がもう少しダイナミックになり、もう少し相手につかまりにくくすることを求めていく。ドノバンのようなエリートプレイヤーを追いかけることになれば、彼は自動的にアドバンテージを得られる。あとはプレイを決めるだけだ。

――100ポゼッションあたりの失点(109.9)はNBAトップだった。攻撃を改善するために、守備の低下を受け入れるか?

またリーグトップの守備にはならないかもしれない。だが、昨季の我々は攻撃のエフィシエンシーで8位だったと思う。目標は攻守ともにトップ5入りすることだ。それができるなら、かなりのところにいけるだろう。

――2年の経験を積んだモーブリーは、プレイオフから何を学んだだろうか?

第一線がどんなものかということだね。レギュラーシーズンからの変化はリアルだ。ポゼッションごとに違うし、同じチームを相手に4勝を目指す。相手が自分のスキルセットにどう対応してくるか、相手について学んだことをどう生かすか、どうすればもっと相手の弱点を突くようなプレイができるかを理解するんだ。

夏を通じてエバンにはそういうことを話してきた。彼は偉大な選手になりたいと望んでいるひとりだ。だから、話に耳を傾ける。シーズンが終わってすぐに情報を知りたがり、仕事に向かったよ。

――キャリス・ルバートと再契約を結んだ。スコアラーとして期待されたブルックリン・ネッツやインディアナ・ペイサーズ時代と比べ、キャバリアーズでの役割はどう違うのか。

我々が求めたことをしてくれた。そしてそれは毎週違ったんだ。誰と一緒にプレイするかに応じて、日ごとに違う時もあった。ドノバンやダリアスがいない時は、彼がウチの得点源のひとりだったんだ。彼らが出場すれば、(ルバートが)しばしば相手の攻撃のベストプレイヤーを守り、ボールを持たなかった。トランジションの早い段階でボールを扱う時もあったが、それ以外はスクリーンからのプレイだった。彼は極めて順応性が高かったんだ。まったく問題にならなかった。だから私は彼をすごく評価しているんだ。チームの勝利に貢献しようと、我々が考えていたような強みのすべてを犠牲にしてくれたんだよ。

[AD] 楽天モバイル『Rakuten最強プラン』でNBA全試合見放題! 詳細&申し込みはこちらから

――今季からコーチのチャレンジが増えたことについては?

私は試合の終盤に保っておけるのが好きだね。第2クォーターで(主力選手に)痛い3つ目のファウルがあったら、ためらってはいけない。チャレンジしたくなるかもしれない。だが、接戦で、第4Qになってから必要となるかもしれない。そういった柔軟性がコーチとして助けになると思う。

――インシーズン・トーナメントについては?

すべての試合への準備のように、1試合ごとに戦うものだ。面白いのは、勝ち進んだらどうなるかだね。ラスベガスでの準決勝と決勝をどう扱うのか。新しいのはそこだ。それらの試合にも同じアプローチになると思う。すべての試合で勝利を目指すものだ。だが、これまでなかったことだから、やりながら学んでいくよ。

原文:Q&A: J.B. Bickerstaff hoping to turn Cavs into a more 'dynamic' team(抄訳)

[AD] スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

Steve Aschburner, NBA.com

Steve Aschburner, NBA.com Photo

NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。