NBAプレイオフ2017も1回戦が終了し、勝ち進んだ合計8チームによるウェスタン/イースタン・カンファレンス決勝進出をかけた準決勝が4月30日(日本時間5月1日)からスタートする。
ここでは各対戦カードの注目ポイントを紹介。今回はウェスト2位サンアントニオ・スパーズ vs 同3位ヒューストン・ロケッツのシリーズだ。
NBAプレイオフ2017 ウェスタン・カンファレンス準決勝
サンアントニオ・スパーズ(2位)対ヒューストン・ロケッツ(3位)
背景
ロケッツ対オクラホマシティ・サンダーとのファーストラウンドは、戦前の予想通り、シーズンMVP最有力候補のジェームズ・ハーデンとラッセル・ウェストブルックによるハイスコアリングマッチアップに注目が集まった。シリーズを通じて接戦が続いたものの、選手層で勝るロケッツが第5戦で勝ち上がりを決めた。対するスパーズは、メンフィス・グリズリーズに苦しめられながらも、エースのカワイ・レナードのパフォーマンスに引っ張られ、第6戦での突破を決めている。
レギュラーシーズンの対戦ではスパーズが3勝1敗で勝ち越した。3シーズン続けて同一カードを3勝1敗で終えたことになるが、今季はいずれも接戦で、4試合中3試合は2点差での決着。残り1試合も6点差で、両チームの実力は拮抗している。印象に残る対戦は3月6日(同7日)にAT&Tセンターで行なわれた試合だろう。レナードが第4クォーター終盤に逆転3ポイントショットを決めた直後、ハーデンのレイアップをレナードがブロックで阻止し、スパーズが112-110で勝利した試合だ。
So about that Kawhi Leonard guy.... pic.twitter.com/ZLg4ekd7mi
— San Antonio Spurs (@spurs) March 7, 2017
キープレイヤー
両チームのシーズンMVP候補とマッチアップするであろうロケッツのトレバー・アリーザ、スパーズのダニー・グリーンを注目選手にあげたい。
より難しいタスクに直面するのはレナードとマッチアップするアリーザだ。手の負傷で離脱中の2年目のサム・デッカーは今シリーズ中に復帰すると見られているが、基本的にはアリーザ一人でレナードを抑えなければならない。アリーザはスパーズとの直近7試合中6試合に出場してレナードとマッチアップしたが、レナードに平均20得点以上を決められ、相性が良いとは言えない。プレイオフ開幕後のレナードは絶好調で、グリズリーズとのシリーズでは第1戦から2試合連続30得点超え、第4戦では43得点の活躍を見せた。アリーザは、今回のシリーズでもレナードに手こずるはずだ。
グリーンにとっても、ハーデンとのマッチアップは決して簡単ではない。サンダーとのシリーズで平均33.2得点を記録したハーデンは、終始リムを狙ってアタックしてくる。プレイオフでは1試合平均14.6本のフリースロー試投数を記録しているハーデンは、グリーン、そのほかの選手をファウルトラブルに誘い込む技術も持っている。グリーンがハーデンとマッチアップする時間は増えるだろうが、勝負どころではレナードがその役を務めるはず。スパーズは今季の対戦でハーデンにボールを持たせず、チームメイトにショットを打たせることに成功している。
注目の数字
50.0
これは、ロケッツのセカンドユニットがサンダーとのシリーズで記録した平均得点で、スパーズを相手にアップセットを成し遂げるには重要な要素になる。リーグ屈指のパンチ力を持つセカンドユニットを擁するロケッツは、今季ベンチ選手の1試合平均得点でリーグ5位(39.5)の数字をマーク。しかし、スパーズのベンチ陣も強力で、同6位(38.7)の数字を残した。両チームともに先発に優秀なメンバーが揃っているだけに、セカンドユニットのパフォーマンスが勝敗を左右するかもしれない。
ロケッツのシックスマン、ルー・ウィリアムズはプレイオフでショットセレクションに気を使い、重要な役割を担っている。ロサンゼルス・レイカーズからロケッツにトレードされて以降レギュラーシーズン23試合に出場し、3ポイントショット成功率は31.8%と低く、フィールドゴール成功率も38.6%に終わったが、プレイオフでは3P成功率が40.9%、FG成功率も47.8%に改善された。
予想
ロケッツのオフェンス力は強力で、スパーズの守備にもプレッシャーをかけられる。また、ペリメーター内での得点力も大きな武器だ。しかし、スパーズの攻撃を抑えられるだけのサイズ、多彩なスキルを持つ選手はいない。今回のシリーズの鍵がレナード対ハーデンになるのは間違いないが、ロケッツにはラマーカス・オルドリッジに対抗できる選手がいない。接戦になるのは必定だが、スパーズが第6戦までにカンファレンス決勝進出を決めるだろう。
原文:NBA playoffs 2017: Spurs-Rockets matchup much more than James Harden vs. Kawhi Leonard by Sean Deveney/Sporting News(抄訳)