NBAプレイオフ準決勝プレビュー:セルティックス対ウィザーズ

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NBAプレイオフ2017も1回戦が終了し、勝ち進んだ合計8チームによるウェスタン/イースタン・カンファレンス決勝進出をかけた準決勝が4月30日(日本時間5月1日)からスタートする。

ここでは各対戦カードの注目ポイントを紹介。今回はイースト1位ボストン・セルティックスvs 同4位ワシントン・ウィザーズのシリーズだ。

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NBAプレイオフ2017 イースタン・カンファレンス準決勝

ボストン・セルティックス(1位)対ワシントン・ウィザーズ(4位)

背景

両チームともにファーストラウンドで苦戦を強いられたが、多くのファンの予想通り準決勝に勝ち上がった。イーストで考えられるマッチアップの中で、セルティックスとウィザーズの対戦ほど火花飛び散る刺激的なシリーズはないだろう。両チームの因縁は、昨季の対戦でマーカス・スマートの肘打ちによりウィザーズのブラッドリー・ビールが鼻骨を骨折したことに端を発した。

今レギュラーシーズンで4度対戦した両チームだが、今年の1月の対戦では、ウィザーズの選手たちが『セルティックスの葬式』を意味する全身黒づくめの服装で会場入りしたことが話題になった。セルティックスのジェイ・クロウダーとウィザーズのジョン・ウォールの小競り合いも激しさを増し、両選手がそれぞれのロッカールームに戻る際には警備が強化されたほどだ。

順当にファーストラウンドを突破したセルティックスだったが、エースであるアイザイア・トーマスが突然の悲劇に見舞われた。シリーズ開幕前日、最愛の妹が交通事故で亡くなる不幸が起こったのだ。普通ならプレイすること自体難しい中、トーマスは出場を決断。シカゴ・ブルズとのシリーズ6戦で平均23得点、フィールドゴール成功率43%という好成績を残し、チームの勝利に貢献した。

一般的にプレイオフ・シリーズは試合を重ねるごとに熱量が増す傾向にある。たいていはシリーズの行方を大きく左右する第3、4戦で白熱することが多いが、セルティックスとウィザーズの対戦は第1戦から激しい戦いになるだろう。ライバル同士の対決に注目が集まる。

キープレイヤー

ウォールといえば、抜群のスピードを誇るボールハンドラーで、相手が敷く守備の群れを掻い潜りながらゴールに向かうという印象だったが、今年のプレイオフでは、これまで弱点とされていたペリメーター周辺のシュートが大きな武器になっている。ウォールは、アトランタ・ホークスとのファーストラウンド6戦で3ポイントショット成功率47.4%を記録し、平均29.5得点、10.3アシストをマーク。ミッドレンジからのショット成功率でも50%近い数字を残している。

これまでウォールはプレイオフで苦しむ傾向にあった。今年を除き、ウォールは過去にポストシーズン18試合に出場し、平均16.7得点、FG成功率37.6%、3P成功率20.4%という数字を残した。だが今年のプレイオフでは好調を維持し続け、ピック・アンド・ロールから12.3得点(リーグ5位)をあげるなど、最も生産性の高いプレイをするガードとしてチームを牽引している。

つまり、セルティックスにとっては非常に厄介な対戦相手だ。おそらくウォールにはエイブリー・ブラッドリーとスマートをぶつけてくると予想される。レギュラーシーズンの対戦でウォールはセルティックスを苦手とし、平均17.8得点、FG成功率37.3%、3P成功率15.4%に抑えられた。だがセルティックスは今シリーズで相性の悪いビール(今季のセルティックス戦で平均22.0得点、3P成功率47.8%)、それからオットー・ポーターJr.(同様に平均17.0得点、FG成功率67.4%)を止める手立てを見出さなくてはならない。

注目の数字
12.7

これは、セルティックスがブルズとのファーストラウンドで守から攻への速い切り替えから許した平均失点。ラジョン・ロンドが負傷離脱した影響もあっただろうが、セルティックスはトランジションに対する守備に優れるチームで、ブルズとのシリーズではトランジションにおけるポゼッションあたりの平均失点をわずか0.9に抑えた。レギュラーシーズン中も同様にわずか1.07失点(リーグ9位)という数字を残している。


ホークスを速攻から苦しめたウィザーズが相手だけに、セルティックスはさらに守備意識を高めなくてはならない。ウィザーズは今年のプレイオフ中トランジションから平均25.2得点(リーグ1位)、ポゼッションあたりの平均得点は1.15得点(同3位)を記録。レギュラーシーズンでもトランジションから平均20.3得点(同4位)という高い数字を残したが、プレイオフでは完成度を高め、主要な武器として有効活用している。

予想

今季のウィザーズはロードで19勝22敗と負け越した。今年に入り敵地での戦績も改善し、1月19日(同20日)のニューヨーク・ニックス戦からレギュラーシーズン終了までに15勝9敗と勝ち越している。だが、ホークスとのファーストラウンドではロード3試合で2敗と苦しんだ。特に、セカンドユニットがロードで本来の力を発揮できていない。

つまり、セルティックスがホームコート・アドバンテージを保持している以上、第7戦までもつれたとしてもセルティックスが勝ち上がりを決める可能性が高い。

原文:NBA playoffs 2017: Wizards, Celtics renew rivalry with much more on the line by Sean Deveney/Sporting News


各シリーズの日程&結果

プレイオフ組み合わせ(勝ち上がり表)


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