【ウェスタン・カンファレンス・セミファイナル展望】ウォリアーズ対ロケッツ

Reo Onishi

【ウェスタン・カンファレンス・セミファイナル展望】ウォリアーズ対ロケッツ image

NBAプレイオフ2019のウェスタン・カンファレンス・ファーストラウンドでゴールデンステイト・ウォリアーズがロサンゼルス・クリッパーズに、ヒューストン・ロケッツがユタ・ジャズにそれぞれ勝利し、セミファイナルでウォリアーズとロケッツが対戦することが決まった。昨シーズン、第7戦までもつれたカンファレンス・ファイナルの再戦となるこのシリーズの見どころをチェックしてみよう。

📺 NBAプレイオフ2019全試合配信(Rakuten TV / NBA公式視聴サービス)

 

ゴールデンステイト・ウォリアーズ(1) vs ヒューストン・ロケッツ(4)

昨シーズンのウェスタン・カンファレンス決勝は、最終戦までもつれる激闘の末、ウォリアーズがロケッツを破ってNBAファイナル進出を果たした。2年連続で顔を合わせることとなった両チームは、どちらも3ポイントショットを多投する現代NBAを象徴するようなチームである。だが、両チームの性質は異なっている。

レギュラーシーズン中、ウォリアーズが1試合に決めた3Pショットの数は平均13.3本(リーグ3位)、ロケッツは平均16.1本(リーグ1位)だった。しかし、その決めた3Pのうち、アシストがついたものはウォリアーズが80.3%なのに対して、ロケッツは62.6%しかない。この差の大きな要因に、ステフィン・カリーとジェームズ・ハーデンのプレイスタイルの違いがある。

カリーがレギュラーシーズンに決めた3Pショットのうちアシストされたものは68.9%なのに対して、ハーデンのそれはなんとわずか16.1%にすぎない。つまり、ウォリアーズはパスを回して良いショットを生み出しており、ロケッツはハーデンの圧倒的な1対1の能力を最大限に利用して3Pを決めているのだ。

ロケッツはウォリアーズと対戦する際、スウィッチで守ってくるウォリアーズの性質を利用して、ハーデンがカリー相手にアイソレーションを仕掛ける構図を作ることを好む。ハーデンだけでなく、クリス・ポールもアイソレーションからの1対1は非常に強力だ。

先日行なわれたばかりのクリッパーズとの第6戦でカリーが右足首を捻挫したこともあって、ロケッツは容赦無くカリーを攻めてくることが予想される。ディフェンスの得意なクレイ・トンプソンが同じ第6戦で右足首を捻挫したことも、ウォリアーズにとって懸念点のひとつだ。

ハーデンが標的にするのはカリーだけではない。相手センターに対しても積極的にアタックする。そんなハーデンに対して、ウォリアーズのケボン・ルーニーとアンドリュー・ボーガットがどういった守りを見せられるかも重要なポイントとなるだろう。

一方、ウォリアーズのカギを握るのは、ここまでプレイオフ首位となる平均35.0得点を記録しているケビン・デュラントだ。クリッパーズとの第6戦でプレイオフ自己最多となる50得点を叩き出すなど、その爆発力は脅威以外の何者でもない。ロケッツは昨シーズンまではトレバー・アリーザ(現ワシントン・ウィザーズ)がデュラントの守りを担当していたが、今年はそのアリーザがいないため、PJ・タッカーにかかる負担が大きくなるだろう。

Kevin Durant P.J. Tucker Warriors Rockets

デュラントに加え、ウォリアーズにはプレイオフに向けて身体のコンディションを最高な状態に持ってきたドレイモンド・グリーンもいる。クリッパーズとの第6戦で彼がトリプルダブルを記録して勝利に貢献したように、チームの潤滑油としてグリーンが機能したときのウォリアーズを止めるのは、どのチームにとっても難しい。

セミファイナルで早くも実現する「実質的なNBAファイナル」を制するのはどちらのチームになるのか。疲労やケガが蓄積するプレイオフ後半ではなく、セミファイナルという早い段階での対戦により、互いに万全な状態で臨む好勝負が見られることになるだろう。

📺 ウォリアーズ対ロケッツを観るならRakuten NBA Special


Reo Onishi