リーグ創設2年目に初めてクリスマスデー(日本時間12月26日)に試合を開催して以来、毎年の伝統となっているNBAクリスマスゲームは、今年も5試合が予定されている。
ライバルチームの対戦、昨季のプレイオフシリーズの再戦、人気チーム対決など、ファンが注目する試合が多く組まれることが特徴だ。
今季は新型コロナウイルス(COVID-19)のオミクロン株が感染拡大していることで、ここまで多くの選手が安全衛生プロトコル入りしていることもあって、クリスマスゲームへの影響も気になるところだ。
リーグとしてはシーズン中断は検討していないものの、すでに今季は9試合が延期となっており、クリスマスゲームも場合によっては延期対象となる可能性はあるが、現在予定されているマッチアップをチェックしてみよう。
アトランタ・ホークス対ニューヨーク・ニックス
試合開始: 日本時間午前2:00
会場: マディソン・スクエア・ガーデン(NYK)
プロトコル入り選手
ホークス: ケビン・ハーター、ティモテイ・ルワウ・キャバロ、ルー・ウィリアムズ、クリント・カペラ、ダニーロ・ガリナーリ、トレイ・ヤング
ニックス: ナーレンズ・ノエル、マイルズ・マクブライド、イマニュエル・クイックリー、ケビン・ノックス二世
昨季のプレイオフで対戦し、トレイ・ヤングがニューヨークの新たなヒール(悪役)として知られることになったホークス対ニックス。どちらも昨季は大躍進を遂げて、プレイオフにイースタン・カンファレンスの上位チームとして出場したものの、今季はここまでホークスが10位(15勝16敗)、ニックスが12位(14勝18敗)と停滞気味だ。
ホークスは連勝と連敗を繰り返し、なかなか安定した成績になれていない印象であるだけに、なんとか順位の近いニックス相手に勝利し、昨季のプレイオフの勢いを取り戻したいところだ。プロトコル入り選手が多いことも大きな要因となっている。
ニックスはデリック・ローズが足首手術で長期離脱となったばかり。ローズ抜きでどう戦っていくのか、そのきっかけを掴むためにも重要な一戦となりそうだ。今季のニックスは、ローズ出場時のネットレーティングが+5.8であるのに対して、出場していない時間帯は-7.3と大きく数字を落としている。
ボストン・セルティックス対ミルウォーキー・バックス
試合開始: 日本時間午前4:30
会場: ファイサーブ・フォーラム(MIL)
プロトコル入り選手
セルティックス: エネス・カンター・フリーダム、ジョシュ・リチャードソン、ブロドリック・トーマス、サム・ハウザー、アル・ホーフォード、グラント・ウィリアムズ、フアンチョ、エルナンゴメス、ジャバリ・パーカー
バックス: ジャコーリ・マグローフリン、ボビー・ポーティス、ヤニス・アデトクンボ、ドンテ・ディビンチェンゾ
昨季覇者のバックスがイーストの強豪セルティックスと対戦するこのマッチアップだが、注目はまずヤニス・アデトクンボが出場できるかどうかだろう。彼の10日間プロトコルは前日に終了となることもあって、検査次第では物理的に出場は可能だ。
しかしプロトコルで離脱してからすぐに復帰して強度の高い試合に出場するのは簡単なことではなく、ぎりぎりまで出場できるかどうかを見極める形となりそうだ。開幕直後こそ苦戦していたバックスだが、クリス・ミドルトン復帰後は調子を上げており、現在21勝13敗で東3位だ。
一方のセルティックスは、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンというふたりのスター選手を擁しながらも、今季はここまで16勝16敗の東8位と、開幕前の予想よりも順位を落としている。
プロトコル入りしている選手が多いこともあって、両選手への負荷はさらに高まっている状況だが、ここで王者バックスを倒して勢いをつけたいところだろう。
ゴールデンステイト・ウォリアーズ対フェニックス・サンズ
試合開始: 日本時間午前7:00
会場: フットプリント・センター(PHX)
プロトコル入り選手
ウォリアーズ: デイミオン・リー、アンドリュー・ウィギンズ、ジョーダン・プール
サンズ: なし
今季最大のライバルチームとなっているのがウォリアーズ対サンズだ。現在サンズが26勝5敗でウェスタン・カンファレンス1位、ウォリアーズが26勝6敗で同2位にランクインしており、西の天王山の戦いとなる。
ここまで今季は2度対戦しており、お互いがホームで勝利して1勝1敗。12月3日(日本時間3日)に行われた2試合目では、ウォリアーズがサンズの18連勝を止める勝利をあげている。
ウォリアーズはクレイ・トンプソンの復帰が待たれながらも勝利を重ね続けており、さらにはステフィン・カリーが通算3ポイントショット成功数のNBA新記録を打ち立てるなど明るい話題が多い。
サンズは開幕から1勝3敗スタートだったものの、そこから驚異の18連勝を見せて一気に西の上位へと躍り出た。ウォリアーズへの敗戦で連勝は途絶えたものの、その後も6勝1敗と好調を維持しており、昨季NBAファイナルに出場した勢いをそのままシーズンに持ち込むことに成功している。
どちらもプロトコル入りしている選手が少なく、好ゲームとなることが期待される。
ブルックリン・ネッツ対ロサンゼルス・レイカーズ
試合開始: 日本時間午前10:00
会場: クリプトドットコム・アリーナ(LAL、旧ステイプルズ・センター)
プロトコル入り選手
ネッツ: ケスラー・エドワーズ、キャム・トーマス、デイビッド・デュークJr.、ケビン・デュラント、カイリー・アービング、デイロン・シャープ、ラマーカス・オルドリッジ、ディアンドレ・ベンブリー、ブルース・ブラウン、ジェームズ・ブラウン
レイカーズ: トレバー・アリーザ、ケント・ベイズモア、オースティン・リーブズ、エイブリー・ブラッドリー、マリーク・モンク
東西のスターチーム対戦となるはずだったネッツ対レイカーズだったが、どちらもチーム状況は厳しいのが現状だ。
ネッツは多くの選手がプロトコル入りしており、試合が組めない状態であることから3試合連続で延期となっている。ジェームズ・ハーデンのプロトコルが終了したのは救いだが、ここまでチームを東の1位(21勝9敗)まで牽引してきたケビン・デュラントがプロトコル入りしたのは大きな痛手だ。直前にプロトコル期間が終了するデュラントが出場できるかが重要となりそうだ。
対するレイカーズは、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックといったリーグを代表するスター選手を揃えながらも、今季ここまで16勝17敗で西の6位と伸び悩んでいる。
プロトコル入りしていた選手が少しずつ戻ってきてはいるものの、デイビスが左ひざの捻挫で最低4週間の離脱が決まり、こちらも大幅な戦力ダウンを強いられている。
ダラス・マーベリックス対ユタ・ジャズ
試合開始: 日本時間午後12:30
会場: ビビント・アリーナ(UTA)
プロトコル入り選手
マーベリックス: ルカ・ドンチッチ、トレイ・バーク、ティム・ハーダウェイJr.、マクシ・クリーバー、ジョシュ・グリーン、レジー・ブロック
ジャズ: なし
今季初対戦となる両チームは、ジャズがここまで22勝9敗で西の3位、マーベリックスが15勝16敗で西の7位という状況だ。
ジャズはプロトコル入りしている選手もいなく、ドノバン・ミッチェルが更なる飛躍を見せているなど、良い状態でクリスマスゲームを迎える。
一方のマーベリックスはジェイソン・キッドを新たなヘッドコーチとして迎え、まだ新体制としてのアイデンティティーを構築中であることに加え、ルカ・ドンチッチを筆頭に多くの選手がプロトコル入りをしている。
今季好調なクリスタプス・ポルジンギスも負傷を抱えており、出場できるかは試合前に判断することが続いており、マーベリックスとしては不安要素の多い状態でクリスマスゲームを迎える。