オールスターゲームMVP初受賞のステフィン・カリー「完璧な終わり方だった」|NBAオールスター2022

YOKO B

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2月20日(日本時間21日)、オハイオ州クリーブランドのロケット・モーゲージ・フィールドハウスで行われた第71回NBAオールスターゲームは、チーム・レブロンがチーム・デュラントに163-160で勝利し、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーがコービー・ブライアントMVP賞を獲得した。カリーのオールスターゲームMVP受賞は初。

カリーは第1Qは3ポイントショット2本成功の6得点で終えたが、第2Qの残り6分でコートに戻るとそこから一気に調子を上げて3本連続で3Pを成功させる。最終的には第2Qで3P6本を成功させ、オールスターにおけるクォーターの3P成功本数の新記録を樹立。前半では3P11本中8本成功の24得点を記録し、オールスターゲームにおける前半の3P成功本数記録も更新した。

リズムに乗ったカリーは第3Q早々に2本の3Pを沈めると、残り7分33秒、センターコートからのロングショットを軽々と成功させた。さらに残り2分47秒には右サイドから放った3Pショットが入るのを見ることなくターンして、後ろにいたファンに決まったかどうか確認するなどのパフォーマンスで会場を盛り上げた。

第3Qにも5本の3Pを成功させて45得点をマークしたカリーは、続く第4Qでは序盤に3Pを沈めて48得点をマーク。その後も何度も3Pを打ったがそのたびにリングに弾かれ、試合終盤、フローターを決めて50得点を記録した。

最終的に、カリーは36分15秒の出場で、いずれもオールスターゲーム史上最多記録となる27本中16本の3Pを成功させ、ゲーム最多の50得点、5リバウンド、2アシストを記録。アンソニー・デイビスが持つ52得点のオールスターゲーム最多得点記録更新は叶わなかったが、カリーの驚異的なシュート力とパフォーマンスがチーム・レブロンに勢いをつけたことには違いない。

試合後、カリーが報道陣の質疑に応じた。

――コービー・ブライアントMVP賞のトロフィーを獲得することは、何か特別な意味があるか?また、75周年記念チームのメンバーであることはどんな意味を持つか?

このトロフィーは間違いなく特別だね。このトロフィーを受賞することで、コービーと彼の人生、彼のレガシーを称えることができた最初の年だから。そこに思いのすべてが込められている。すぐには思いつかないけど、このトロフィーのあちこちに意味があって、彼の人生、彼が体現していたことやコートでの功績が表現されていることは知ってるんだ。それがオールスターMVPのトロフィーになり、そしてその最初のトロフィーを受賞できたのは間違いなく特別だよ。これが僕にとって初の受賞で、このトロフィーをもらえたので、僕の家の特別な場所に置くことになるね。

さっきも言ったように、75周年記念リストとセレモニーはとても非現実的だった。特に、あのリストに入った僕やほかの現役選手にとっては夢が実現したも同然で、でも、ハーフタイムにみんながコートに歩いていくのを見て、自分の居場所やリーグの歴史を理解するまでは、そのありがたみがわからないものなんだ。だから、すごく特別なんだよ。

――あなたはレブロンとは長い付き合いがあり、同じ病院で生まれたこと、アクロン出身であることなどの共通点もあるが、それによって、クリーブランドでのオールスターゲームでのMVP受賞がもう少し特別なものになった?

試合後にコート上で彼に言ったんだ。なんだか完璧な終わり方だったって。僕はあと2点〜3点追加しようとしていて、確かデマー(デローザン)がビッグショットを打って、そのあと彼(ジェームズ)が決勝点を打ったと思う。完璧な終わり方だった気がした。

もちろん、MVPを受賞したのは僕だけど。僕はずっと調子が良かった。彼はウィニングショットを打ってくれた。僕らの過去のシリーズやアクロンのつながり、そういったものがすべてこの夜の展開に反映されたわけで、これ以上ないくらい素晴らしい筋書きだった。まさに、こうあるべき理想的な展開だったね。

――あなたの経歴にはファイナルMVPとオールスターMVPの2つが欠けていたわけだが、今日の試合に向けてそのことは頭にあった?それがあなたのモチベーションになったのか?

実はちょっとだけね。このゲームに出るのは8回目だから、ゲームのニュアンスや選手によってアプローチの仕方が違うことは理解している。みんな熱くなってきてショーを展開する。ある特定の方向に試合が展開し始めるんだ。それは僕が経験したいと思ったことだったし、一旦その感覚をつかみ始めたら、その波に乗って、最後がどうなるのかみたくなるよね。

だから8回目の出場で、このウィークエンドがどう機能するのか、どうすればこのゲームを楽しみながらプレイできるのかってこと前より少し理解できるようになったということだよ。

――ここに来る前に「生まれ故郷に帰るんだ」とつぶやいていたが、ここからトロフィーを持って戻ることになる。このオールスターウィークエンド全体はどうだった?

最高だったね。普段通りのオールスター・ウィークエンドという感じで、去年よりずっと良かった。いろいろな祭典を楽しむことができた。(過去の試合のせいで)たくさんのブーイングももちろん聞いたし、それを楽しんだ。今夜の試合やセレモニー、この4〜5時間に起きたすべてが、思い出に残る体験という意味でとても素晴らしいものだった。かなり完璧だね。

【今夜の注目】ステフィン・カリーがオールスター戦で16本もの3Pを決め50得点|2022.2.20

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。