NBAオールスター2023に初選出される可能性のある選手たち

大西玲央 Reo Onishi

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12月20日(日本時間21日)からNBAオールスター2023の投票が開始されることが発表された。お馴染みのスター選手たちが集うバスケットボールの祭典として人気なオールスターだが、常連とともに注目されるのが、初選出を果たす選手たちだ。

昨季覇者のゴールデンステイト・ウォリアーズやレブロン・ジェームズ擁するロサンゼルス・レイカーズがそれぞれウェスタン・カンファレンスの10位と12位である一方、開幕前はドラフト狙いと予想されながらも勝ち星を重ね続けるサプライズチームも現れており、今季は順位表の顔ぶれに変化が見られる。

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毎年5人前後、多いときは10人近くの初出場選手が選ばれるオールスターだが、今季はどんな選手が初選出の可能性を持っているかをチェックしてみよう。

タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)

ハリバートンはここまで27試合で平均19.8得点、10.6アシスト(リーグ2位)を記録しており、昨季の15.3得点、8.2アシストから数字を伸ばしている。11月25~28日(同26~29日)に開催された3試合では合計40アシスト、0ターンオーバーという、ポイントガードとして異次元の活躍を見せた。

ペイサーズは現在15勝14敗でイースタン・カンファレンス7位にランクインしており、プレイオフ出場を狙える位置をキープしている。サプライズチームのひとつリーグを掻き回す存在となっているペイサーズだが、その原動力となっているのは間違いなくハリバートンの活躍だ。

シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)

サンダーは11勝17敗でリーグ下位に位置しているが、それでも今季のギルジャス・アレクサンダーはオールスター入りを果たしてもおかしくない活躍を見せている。ここまで26試合で記録している平均31.0得点はジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)とルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)に次いでリーグ3位だ。

彼の得点の特徴は、他の選手に比べて3ポイントショットが少ないことだろう。3Pは1試合平均1本しか決めておらず、その得点の多くはドライブから生まれている。1試合平均のドライブ数は24.3回で、ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)を抑えてリーグトップ。オールスターゲームで喜ばれそうな、エキサイティングなプレイが魅力的だ。

ディアロン・フォックス(サクラメント・キングス)

24試合で平均22.5得点、5.0リバウンド、5.6アシストを記録しているフォックスは、西のサプライズチームとなっているキングスのポイントガードとして活躍を続けている。現在15勝12敗のキングスは西6位で、2005-2006シーズン以来のプレイオフ出場を十分に狙える位置にいる。

圧倒的なスピードが武器のフォックスだが、安定しないジャンプショットがこれまでずっと弱点とされていた。今季はフィールドゴール成功率49.4%(自己最多)、3P成功率36.2%(平均試投2.9本で37.1%だった2018-19シーズン以来の高さで、今季の平均試投は5.3本)、フリースロー成功率80.8%(自己最多)と、効率的に得点を重ねている。層の厚い西のガード陣の中に食い込めるか注目だ。

ラウリ・マルカネン(ユタ・ジャズ)

28試合で平均22.4得点(自己最多)、8.5リバウンドを記録しているマルカネンは、ジャズのスタートダッシュに大きく貢献していた選手のひとりだ。夏にはユーロバスケットでフィンランド代表のスター選手として大活躍し、その勢いを上手くNBAに持ち込んだ。

マルカネンが2017年にNBA入りしてから、5シーズンで通算15回しかなかった30得点ゲームを、今季はすでに6回も記録している。7フッターでありながらも3P試投平均6.5本で成功率41.5%を記録しており、中でも外でも得点を重ねるスコアラーとして開花している。


ほかにもケガからの復帰次第では76ersのタイリース・マクシーやグリズリーズのデズモンド・ベイン、チームが好調を維持できればクリーブランド・キャバリアーズのエバン・モーブリーやポートランド・トレイルブレイザーズのジェレミー・グラントなども、初選出される可能性はあるだろう。

サプライズの多い今季、オールスターの舞台で誰がスター選手の仲間入りを果たすのかに注目が集まる。

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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。