NBA 2021-22シーズン開幕に向けて移籍の動向が気になる選手たち

大西玲央 Reo Onishi

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この夏もまた多くの選手たちが動き、チーム事情が大きく変わるオフシーズンとなっている。ビッグネームのほとんどはもうすでに再契約や移籍を完了させているが、まだその動向が注目される選手が何人か残っているので、ピックアップしてみよう。


ベン・シモンズ

この中では一番のビッグネームでありながらも、どうなるかが全く読みにくいのが、フィラデルフィア・76ersのベン・シモンズだ。昨季のプレイオフ敗退以降、76ersがシモンズとジョエル・エンビードの2大スター選手をどう扱うのかは注目されていた。

エンビードは先日大型の延長契約を結んだばかりだ。一方のシモンズは、76ersのトレーニングキャンプに参加する意向はなく、トレードを要求していることも報じられている。見返りに誰を獲得できるかによって、76ersの新シーズンの命運が大きく変わることもあり、今季注目しておきたい動きのひとつであることは間違いない。

ポール・ミルサップ

昨季をデンバー・ナゲッツでプレイしたミルサップ。36歳とだいぶベテランの域に達してはいるものの、プレイした56試合のうち36試合に先発出場し、平均20.8分の出場時間で9.0得点、4.7リバウンド、1.8アシストを記録した。

かつてほどの得点能力はないかもしれないが、攻守で活躍できる経験値の高いベテラン選手として、どんなチームにでも貢献することができるだろう。

『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によると、ブルックリン・ネッツ、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、シカゴ・ブルズ、ロサンゼルス・クリッパーズなどが、獲得に興味を示している。

デマーカス・カズンズ

ケガに泣かされ続けてきたカズンズは、かつてのようなスーパースター級の活躍は難しいかもしれないが、まだベンチからビッグマンという役割は十分にこなすことができる。昨季はヒューストン・ロケッツとクリッパーズで合計41試合に出場し、平均17.4分という少ないプレイタイムながらも8.9得点、6.4リバウンド、1.9アシストという効率的な数字を残している。

これといった大きな噂はまだ出ていないものの、インサイドの補強を狙うマイアミ・ヒートやネッツなどが候補として挙げられる。

JJ・レディック

家族の近くでプレイすることを望んでいるだけに、レディックはイースタン・カンファレンスのチームと契約するのではないかと見られている。昨季はニューオーリンズ・ペリカンズとダラス・マーベリックスで合計44試合に出場したものの、平均7.4得点と2009-10シーズンぶりに二桁得点を切る形となった。

しかし、ケガが影響した部分も多く、まだリーグ屈指のシューターであることには変わりない。年齢的にも優勝を狙えるチームへの移籍が予想され、ネッツ、76ers、ボストン・セルティックスなどが有力だろう。

ギャリソン・マシューズ

八村塁のチームメイトとしてプレイしていたことで記憶しているファンも多いだろう。身長196cmのマシューズは昨季のワシントン・ウィザーズで64試合に出場(24試合で先発)し、平均3ポイント試投数3.1本に対して、成功率38.4%という高確率で決めていたシューターだ。まだ24歳と若いシューターとしてベンチに置いておきたいチームはあるはずだ。

ディアンドレ・ジョーダン

ネッツとのバイアウトが噂されているジョーダンは、昨季のネッツで57試合に出場(先発は43試合)し、平均7.5得点、7.5リバウンドを記録。しかしレギュラーシーズン終盤から徐々にプレイタイムを失い、プレイオフでは一度も出場していない。レイカーズが候補として噂されているが、すでに似たタイプのドワイト・ハワードがいることから、本当に必要なのかは疑問が残る。

ゴラン・ドラギッチ

昨季のヒートで平均13.4得点、4.4アシストを記録しているベテランガードのドラギッチは、今オフにトレードでラプターズへ移籍している。ラプターズとしてはチームリーダーのカイル・ラウリーを失っているだけに、ドラギッチを簡単に手放したくないはずではあるが、本人はのちに謝罪しているものの、「トロントではプレイしたくない。より高みを目指したい」と発言している。

同じスロベニア出身のルカ・ドンチッチが所属するダラス・マーベリックスや、ベン・シモンズをトレードで失うこととなりそうな76ersあたりが、ガードの補強としてトレード期限までに獲得する可能性もあるだろう。


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大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。