シーズン全休からの復帰で今季の活躍が期待される選手たち

大西玲央 Reo Onishi

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10月18日(日本時間19日)にNBA 2022-23シーズンが開幕する。ここ数年続いている流れだが、今シーズンも絶対的な優勝候補と呼べるチームがひとつあるというよりは、優勝を狙える強豪チームが複数存在する混戦模様だ。

今季はさらに、昨季を全休したスター選手らが多く復帰することでも注目されている。今回は活躍が期待されるそんな選手たちをピックアップしてみよう。


カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)

Kawhi Leonard
(NBA Entertainment)

安定して出場していれば、常にMVP候補として名前が挙がるであろうカワイ・レナードだが、残念ながら最近は欠場している印象が強くなってしまっている。実際、昨季の全休に加えて、その前の2シーズンも出場はそれぞれ60試合未満と、コロナ禍による縮小シーズンのこととはいえ、欠場が目立っていた感は否めない。

しかし今季のクリッパーズは、レナードとポール・ジョージを筆頭にとにかく層が厚い。レナードはある程度セーブしながらも継続してプレイし、プレイオフに照準を合わせてギアを上げていくという手法が取れるはずだ。

大型補強を続けてきたクリッパーズとしては、そろそろ結果を出したいところ。攻守で活躍できるリーグを代表するツーウェイプレイヤーのレナードが、再びチームを牽引できる存在に戻れるのかが注目される。

ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

Zion Williamson
(Getty Images)

2019年にドラフト1位でリーグ入りしてから3シーズン、ザイオン・ウィリアムソンはまだ通算85試合にしか出場していない。しかし出場しているときの破壊力は誰もが認めるものであり、彼をシーズン通してしっかり見たいというファンは多いだろう。

ペリカンズは彼が不在のなか、CJ・マカーラムを獲得するなど戦力アップに成功している。昨季上手く機能したマカーラム、ブランドン・イングラム、ヨナス・バランチュナスのトリオに、さらにウィリアムソンが加わるラインナップのインパクトは絶大だ。彼らがどれだけ機能するのかはまだ未知数だが、昨季のプレイオフで第1シードのフェニックス・サンズを苦しめたチームがさらにレベルアップすることは間違いない。

ベン・シモンズ(ブルックリン・ネッツ)

Ben Simmons
(NBA Entertainment)

今季のプレシーズンを除けば、最後にベン・シモンズがプレイしたのを我々が見たのは2021年のフィラデルフィア・76ers対アトランタ・ホークスのイースタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦だ。

シモンズの不調が敗因のひとつになるという、嫌な形での敗退だったこともあり、以降、彼の評価は決して良いものではなくなっている。だが、今季は名誉挽回の機会になるかもしれない。

コートに立っているシモンズが試合に与える影響は今でも大きい。移籍先のネッツではケビン・デュラントとカイリー・アービングと組み合わせることで、彼の強みを最大限に引き出せるのではないだろうか。

プレシーズンでは渡邊雄太にアシストを供給するシーンなども見られ、日本人NBAファンとしても要注目な選手のひとりだ。

ジャマール・マレー(デンバー・ナゲッツ)

Jamal Murray
(NBA Entertainment)

2020年のNBAバブルで大活躍し、スター選手の仲間入りを果たしたジャマール・マレーだったが、続く2020-21シーズン途中に前十字靭帯(ACL)を断裂。彼の欠場が続く間にチームメイトのニコラ・ヨキッチは2年連続でMVPに輝き、リーグを代表する選手となった。

ヨキッチの負担が大きいという印象が強いナゲッツだが、マレーが復帰することでその負担は分散されるはずだ。さらにマイケル・ポーターJr.も同じくケガから復帰することもあり、ようやくフル戦力のナゲッツが見られそうだ。

ACL断裂からの復帰は決して楽なものではないが、ヨキッチという頼れる存在が横にいることは、マレーにとってプラスと働くだろう。

ジョン・ウォール(ロサンゼルス・クリッパーズ)

John Wall
(NBA Entertainment)

元オールスターで来日経験もあるジョン・ウォールは、日本での人気が高い選手のひとりだ。だが、ケガや契約状況などが影響して、ここ5シーズンのうち2シーズンを全休しており、プレイしたシーズンでも41試合の出場が最多と、近年は良いところを見せることができていない。

だが、今季はクリッパーズという優勝を狙えるチームに加わり、久々に伸び伸びとプレイするウォールが見られるかもしれない。実際ミネソタ・ティンバーウルブズとのプレシーズン戦ではスターターとして出場し、20得点、3アシストを記録する活躍を見せた。

ポイントガードの補強はクリッパーズにとって課題だっただけに、ウォールにかかる期待は大きい。彼の復調は、チームがプレイオフでどこまで進めるのかに大きく関わることとなるだろう。

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大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。