数字に見る76ersの好調ぶり:シーズン好スタートを示す4つのスタッツ

Benyam Kidane

坂東実藍 Miran Bando

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現在のバスケットボール界で最もホットなチームが、フィラデルフィア・76ersだ。

開幕戦を落としたものの、76ersはそれから8連勝を達成。2000-2001シーズン以来となる好発進を記録した。

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ボストン・セルティックスとインディアナ・ペイサーズに敗れたはしたが、現在の76ersは10勝3敗という成績で、イースタン・カンファレンスでセルティックスに次ぐ2位につけている。

タイリース・マクシーと昨季MVPジョエル・エンビードのダイナミックなプレイの裏で、2023-2024シーズンの76ersの好スタートを支えている数字を分析してみよう。

ペース:100.27

今季の76ersは違うチームになったように見える。それは、実際に違うからだ。

ニック・ナース新ヘッドコーチの下で、76ersは攻撃をスピードアップさせた。今季のペース(48分間あたりの平均ポゼッション数)はリーグ15位という数字だ。

重要な成績に見えないかもしれない。だが、昨季の76ersは100ポゼッションあたり97.44得点でリーグ27位と、NBAで最もスローなチームのひとつだった。

エンビードは依然としてポストでほとんどのダメージを与えている。一方、マクシーがジェームズ・ハーデン(現ロサンゼルス・クリッパーズ)に代わって主なボールハンドラーとなったことはすぐに功を奏した。23歳のマクシーがフロアを駆けまわり、76ersは速攻からの得点(19.2)がリーグトップ。マクシー自身(4.3)はザック・ラビーン、ジェイレン・ブラウン、デズモンド・ベイン、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、アンソニー・エドワーズ、レブロン・ジェームズ、ドノバン・ミッチェルに続くリーグ8位の数字だ。

エンビードの平均アシスト数:6.2

エンビードのアシストも注目だ。

ハーデンがいなくなり、プレイメークはマクシーがけん引している。だが、エンビードのパス、特にダブルチームからのパスが向上したことは、76ersの攻撃にさらなる一面を加えた。

昨季、自己最多の1試合平均4.2アシストを記録したエンビードだが、それからさらに向上し、現在はセンターでドマンタス・サボニスとニコラ・ヨキッチに続くリーグ3位のアシストを記録している。

もちろん、エンビードはヨキッチではない。だが、こういったアシストでなかなか似たところを見せている。

エンビードは平均31.9得点、11.2リバウンド、6.2アシスト、1.5ブロックと、今季も再びMVP級の活躍を披露しているのだ。

Nick Nurse
(NBAE via Getty Images)

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ネットレーティング:8.9

開幕からの3週間、76ersは攻守両面においてうまくバランスをとってきた。攻撃は3位、守備は7位の数字で、ネットレーティング(48分間あたりの平均得失点差)8.9はリーグ2位だ。

それらの数字は昨季とあまり変わらないが、76ersはロスターに多くの新戦力が加わり、指揮官が新しくなった。ナースHCのシステムとなり、76ersはリーグで最も守備が強力なチームのひとつとなっている。

エンビードを中央に据え、76ersは相手のシューターたちをクローズアウトし、ハードな守備ローテーションで、ルースボール奪取(6.1)はリーグ10位。ディフレクション(16.3)は9位という数字だ。

ナースHCは「ウチにはサイズと身体能力、積極性が平均を超える5人がいるようなものだ」と話している。

「コートに立つ選手たちが本当にハードに守備をしようとしている」

マクシーの平均得点:26.8

マクシーのインパクトに触れずして、76ersの好調を語ることができるだろうか?

4年目のマクシーは1試合平均得点を6.5点も伸ばしており、76ersで攻撃の主導権を握っている。

先週のペイサーズ戦では自己最多の50得点をあげており、開幕からの13試合でマクシーは平均26.8得点、7.1アシスト、4.8リバウンドを記録している。ショットはフィールドゴール成功率が47.5%、3ポイントショット成功率が44.6%、フリースロー成功率が95.3%だ。

ジャスティン・クバトコ記者が指摘したように、ショットの数字は先週から落ちたが、今季のマクシーはロケットスタートでエリート級の選手たちの仲間入りをしている。開幕からの9試合で平均25得点&5リバウンド&5アシスト&ショット成功率50/40/90超(FG50%、3P40%、FT90%超)を達成したのは、NBAの歴史でラリー・バード(1987-1988シーズン)とステフィン・カリー(2015-2016シーズン、2018-2019シーズン)に続き、マクシーが3人目なのだ。

原文:By The Numbers: Four key stats powering the Philadelphia 76ers hot start to the season(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Benyam Kidane is a senior NBA editor and has been covering the league for The Sporting News since 2016. In his spare time you can find him watching Allen Iverson highlights on repeat.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。