ポール・ジョージの76ers移籍を評価 優勝への後押しになるか?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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5年前、オクラホマシティ・サンダーからロサンゼルス・クリッパーズへのトレードで、ポール・ジョージは世界を驚かせた。そしてこの夏、再び彼は大きな話題となっている。フリーエージェントでのフィラデルフィア・76ersへの移籍だ。

ジョージがこの夏移籍する最高のFA選手であることはほぼ確かだ。彼は最大契約に見合うだけのものを76ersにもたらせるだろうか。

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ここでは、ジョージと76ersの契約や、ダリル・モーリーGMが称賛されるべき理由についてまとめる。

ポール・ジョージと76ersの契約

ジョージは1億4060万ドル(約226億3660万円/1ドル=161円換算)のサラリーキャップの約35%を手にする。毎年5%の昇給だ。

  • 2024-2025シーズン:4920万5800ドル(約79億2213万円)
  • 2025-2026シーズン:5166万6090ドル(約83億1824万円)
  • 2026-2027 シーズン:5412万6380ドル(約87億1435万円)
  • 2027-2028シーズン:5658万6670ドル(約91億1045万円)

ポール・ジョージと76ersの契約の評価

ジョージは37歳になるまで最大限の契約に見合うだろうか。おそらくは、そうならないだろう。だからこそ、クリッパーズは4年目の設定を厳しくし、ジョージを手放すことになったのだ。だが、契約の早期に実りを得るために、契約の終盤に過剰な額を支払わなければならないことはしばしばある。76ersはジョエル・エンビードの全盛期を最大限に活用するために、喜んでそれをしたのだ。

攻守両面で見事なプレイを見せているジョージが、リーグのトップ10に入る選手であることは変わらない。2023-2024シーズンは平均22.6得点、5.2リバウンド、3.5アシストを記録した。

ジョージのスタッツで最も重要なのは、おそらくキャッチ&シュートの3ポイントショット成功率だ。『NBA Stats』によると、2023-24シーズンは45.4%。ボールを持っても持たなくても、彼は完璧に活躍してくれるだろう。

ケガをするまでは再びMVP級のシーズンを過ごしたエンビードとともに、ジョージはリーグ最高のナンバー2となるだろう。タイリース・マクシーが成長を続けているだけに、ナンバー3となる可能性もある。

そこで問題となるのが、76ersの健康面だ。エンビードは継続的に負傷してきた。そしてそれはジョージも同じだ。2023-24シーズンはレギュラーシーズンの74試合に出場し、プレイオフでは全6試合に出場した。だが、シーズンの大半でひざの痛みを抱えながらのプレイだった。そしてそれまでの4シーズンでは平均出場48試合に達していない。

この点で76ersが賭けに出たことは確かだ。だが、モーリーは決してギャンブルから逃げない。リーグはこれまでないほどにどうなるか分からなくなっている。ジョージとの契約は、すべてがうまくいけば、76ersに優勝の可能性をもたらすかもしれない。

ボストン・セルティックスは好チームだが、第4クォーターの不安定さは本当に解消されていない。ニューヨーク・ニックスはミケル・ブリッジズの獲得で向上した。ヤニス・アデトクンボとデイミアン・リラードを擁するミルウォーキー・バックスも控えている。現時点で、76ersはニックスと並び、イースタン・カンファレンスの2番手となるチームだろう。

だが、76ersはさらに向上する可能性もある。アンドレ・ドラモンドというリーグ有数の優れた控えビッグマンを獲得し、ケリー・ウーブレイJr.というスターターを引きとめ、ベテランのミニマム契約でエリック・ゴードンという控えシューターを手に入れた。そしてまだロスターに空きがあり、新たな主軸にフィットするような最高級のFA選手を狙うだけの柔軟性も持つ。

モーリーのキャップスペース計画は、様々な方向に進む可能性があった。そして彼らはプランAを達成したのだ。大胆なプランを立て、それを完璧に実行したことは称賛に値する。

評価:A-

原文:Paul George contract details, grade: 76ers make a championship swing with addition of Clippers star(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。