渡邊雄太について元チームメイトのミルズが語る「情熱あふれるプレイに共感を覚えた」

YOKO B

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「素晴らしいチームメイトだ」

渡邊雄太の名前を出すと、間髪入れずにパティ・ミルズはそう言った。11月6日(日本時間7日)、オクラホマシティ・サンダーとの試合でオクラホマシティを訪れたミルズに単独インタビューを行ったときのことだ。

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今シーズンからフェニックス・サンズに加入した渡邊とアトランタ・ホークスに移籍したミルズは、2022-2023シーズンをともにブルックリン・ネッツで過ごしている。

同時期にネッツで一緒だったケビン・デュラントが渡邊を気に入り、移籍先のサンズに渡邊を誘った経緯などもあり、デュラントとの絆に注目が集まるが、実は渡邊は当時似たような状況にいたミルズから学んだことも多かった。

昨シーズン後半のトレードでネッツの状況が一変し、背中の痛みも重なって出場機会に恵まれなかった時期に、渡邊は同じく試合に出ていなかったミルズとオフの日にも練習を続けた。そして、試合に出れなくても「ベンチにいるときは常に立ち上がったり、声出したりしてみんなを応援している」ミルズの姿をしっかりと目に焼き付けていた。

Yuta Watanabe and Patty Mills in Tokyo 2023
(Getty Images)

ミルズがNBAに長くいられるのはそういう姿勢があるからだと渡邊は感じていた。「だから、試合に出れなくても、僕もチームメイトのためにやれることを優先的にやっていこうと思っています」と、渡邊は当時話している

渡邊のそのチームを第一に考える姿勢は当然ミルズも感じ取っていたのだろう。渡邊がどんなチームメイトだったかという質問に、「彼はチームのためなら何でもするし、チームのために犠牲を払う。誰にでもできることじゃない」と答えている。

「人としても、とても寛大で礼儀正しくてきちんとしている。チームメイトとしてロッカールームにいてほしい選手の1人だよ」

今シーズンの渡邊はサンズで8試合に出場し、1試合平均19.9分の出場で6.1得点(フィールドゴール40.0%、3ポイント成功率34.4%)、3.3リバウンドを記録(現地11月8日時点)。ここまで全試合に出場し、ロールプレイヤーとしてのポジションを確立しつつある。

そんな渡邊の活躍にミルズは特に驚きはないようだ。彼はその理由を「雄太はどんな環境に置かれても、与えられた環境を最大限に生かすタイプの選手なんだ」と説明する。

「オープンスリーを決められるスキルや運動能力もあるし、いつもハードにエネルギー溢れるプレイをする。彼には長さもあるから、コートがオープンならリムまで行ってダンクすることだってできるしね」

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Yuta Watanabe Brooklyn Nets
(Getty Images)

さらにミルズはこう続けた。

「彼とチームメイトだったとき、あの情熱あふれるプレイに僕はすごく共感を覚えたんだ」

渡邊とミルズは、NBAのキャリアのまったく異なるステージでたまたま1シーズンをともに過ごしただけに過ぎない。それでも、その短い期間に渡邊は、NBA優勝やオーストラリア代表としての銅メダル獲得など経験豊富なミルズからプロとしての姿勢を学んだ。

一方のミルズも、情熱をもって真摯にバスケに取り組む渡邊にどこか自分を重ねていたのかもしれない。インタビューの最後に、ミルズはもう一度繰り返した。

「彼は素晴らしいチームメイトだったよ」

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YOKO B

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。