トレードで獲得のシアカムとペイサーズは完璧なマッチング 理想的なハリバートンの相棒に

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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インディアナ・ペイサーズはタイリース・ハリバートンのプレッシャーを軽減するために、もうひとりのスターを必要としていた。パスカル・シアカムは理にかなう選択だろうか?

『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者とサム・エイミック記者が1月17日(日本時間18日)に報じたところによると、トロント・ラプターズとインディアナ・ペイサーズが「シアカムを中心に3つのドラフト1巡目指名権を含む取引を活発に交渉している」という。『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は、取引が完了したと伝えた。

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ペイサーズはフリーエージェントでスター選手を獲得することができていなかった球団だ。おそらくベストは2011年のデイビッド・ウェストだろう。その意味で、市場で獲得できる最高の選手をトレードで手に入れるのは理にかなっている。おそらく、シアカムがその選手だ。オールスター選出2回で、2シーズンでオールディフェンシブチームの票を獲得した。今季は平均22.2得点をあげている。

シアカムがハリバートンに次ぐ存在となるのはどれだけの影響を及ぼすだろうか?

なぜパスカル・シアカムとペイサーズは完璧に合うのか

シアカムとハリバートンは互いをうまく活用

デニス・シュルーダーとフレッド・バンブリートに敬意を欠くつもりはないが、シアカムは長きにわたり、ハリバートンクラスのポイントガードとプレイしてこなかった。ペイサーズに加入すれば、人生で最も簡単に得点できるようなお膳立てをしてもらえるだろう。

彼らによるピック&ロールは、相手にとって致命的となるだろう。シアカムはピック&ロールにおけるスクリナーとして非常に堅実だ。今季はロール役としてフィールドゴール成功率64.7%を記録している。

2人のトランジション攻撃も本当にエキサイティングなものとなるはずだ。シアカムはイージーバスケットを決めるのがうまい。そういった状況における優れたプレイメーカーでもある。ハリバートンはそういった攻撃を始める上でおそらくリーグ最高の選手であり、シアカムのようなフィニッシャーがいれば止められなくなるだろう。

また、シアカムはプレイオフでペイサーズを違うチームにできるはずだ。ハリバートンを中心につくられたチームだが、うまくいかなかったり、ハリバートンが息をつく必要がある時、シアカムは自ら攻撃する力を十二分に持つ選手である。ミッドレンジからのショットは脅威的で、成功率47.4%。ディフェンダーを押し込んで自分のスポットを得ることもできる。

試合終盤は大半の場面でハリバートンがボールを持つだろう。だが、シアカムは少なくとも相手の守備にとって警戒しなければならない別の選手となる。2人にとってオープンな状況につながるはずだ。

シアカムはオフボールのプレイも可能

一部のチームにとってシアカムはフィットするのが難しいと懸念されたのは、ショットに至るまでの傾向が理由だ。ボールを持つことを好むのは事実である。だが、いつもそうというわけではない。

2019年にラプターズが優勝した時、シアカムはFG試投が3位だった。彼の得点の多くはアシストされたものであり、その役割で非常に効率的なスコアラーだったのだ。

攻撃力を欠くラプターズにおける一番手の選択肢となったことで、シアカムは自分でつくる場面が着実に増えていった。だが、スコッティー・バーンズがパサーとして成長し、今季は間違いなくチーム最高の選手となったことで、シアカムは再び得点の多くをチームメイトのパスから記録するようになっている。

パスカル・シアカムのアシストからの得点(NBA Stats
シーズン アシストからの得点率
2018-19 56.6%
2019-20 48.6%
2020-21 42.3%
2021-22 37.4%
2022-23 39.7%
2023-24 59.4%

シアカムのオフボールの能力に関する主な懸念は、3ポイントショット成功率が31.7%とあり、もう相手の守備を広げることができないということだ。ただ、この数字の裏には微妙な意味合いもある。

まず、シアカムは序盤に26本中2本成功という不振の時期があった。これが今季の数字に影響している。11月22日(同23日)までの不振以降は、3P成功率36.7%を記録している。

次に、シアカムはキャッチ&シュートでより脅威になっている。キャッチ&シュートの3P成功率は、34.9%と立派な数字だ。

さらに、シアカムはコーナーからの3Pが当たっている。『Cleaning the Glass』によれば、46.5%と絶好調なのだ。

また、最も重要なのは、シアカムがショット以外の方法でチームメイトたちに重要な存在となっていることだろう。危険なカッターであり、彼のカットからポゼッションが終わった回数は、248人中で32位となっている。そしてそれらの状況でフィニッシャーとしても優れている。

ペイサーズがいかに動きの多い攻撃をするか、シアカムがロール役とスクリナーとしていかに優れているか、そして彼のカッティングの脅威を考えれば、シアカムはボールを支配することなく、すでにダイナミックなペイサーズの攻撃をさらに危険なものとするだろう。

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シアカムでペイサーズは守備も強化

今季のペイサーズの大きな問題は守備にある。マイルズ・ターナーというリムプロテクターを擁しているにもかかわらず、相手を止めることができなかった。守備はリーグ26位。これが、NBA史上最高の攻撃にもかかわらず、プレイイン・トーナメント出場を争う位置にある理由だ。

その点でシアカムは役立つだろう。6フィート8インチ(約203センチ)でウィングスパンは7フィート3インチ(約221センチ)。万能なディフェンダーで、ラプターズはスモールフォワードからスモールボールのセンターまで、幅広くシアカムを起用してきた。今季はそれほど影響を及ぼしていないが、攻撃での負担が減れば、シアカムは再び以前のように極めて高いレベルに戻るかもしれない。

多くの異なるタイプの選手を守れるだけでなく、シアカムは異なる様々なスキームでプレイできる。ラプターズのヘッドコーチ時代、ニック・ナースは相手に対して何でもやっていたが、それを可能にする上でシアカムの存在は大きかった。

シアカムはボールに対しても、ヘルプとしても、ディフェンダーとして優れている。ローテーションに関しても賢く、ディフェンシブリバウンドは素晴らしい。特にこの点は、ディフェンシブリバウンド率が26位のペイサーズに役立つだろう。ターナーはこのサイズで支配的なリバウンダーではない。シアカムはその弱点をカバーできる。

ペイサーズがハリバートンを完璧に補える存在をつくれるとしたら、サイズと身体能力があり、攻守両面で優れた選手になるだろう。シアカムはそれに当てはまる。理論上は、彼らが一緒になればうまく機能するはずだ。

原文:Pascal Siakam and Pacers are a perfect match: Why former Raptors forward is ideal star to pair with Tyrese Haliburton(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。