ペイサーズ加入後のパスカル・シアカム評価:タイリース・ハリバートンとのポテンシャルなど

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

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パスカル・シアカムはインディアナポリスを家のように感じ始めている。そして新しい状況は彼にうまく合っている。

インディアナ・ペイサーズに加入してから最初の3試合で敗れたシアカムだが、その後はチームの勝利に大きく貢献した。通算6回目となるトリプルダブルを達成し、ペイサーズを白星に導くと、チームはここから3連勝。デビューから1週間以上が経ち、シアカムはインスタグラムで「これに慣れることができた」と述べている。ペイサーズのファンも同じように思っているはずだ。

シアカムとペイサーズの関係はまだ始まったばかりだ。それでも、その進化ぶりをチェックするには十分だろう。

ペイサーズ加入のパスカル・シアカムを評価

シアカムはタイリース・ハリバートンと組むためにペイサーズに加入することになった。ハリバートンはシアカムのデビュー戦でハムストリングの負傷から復帰したが、その後の5試合を欠場している。

5試合欠場というのは、大きな枠組みで考えれば小さな数でしかない。だが、6試合という中では大きなものだ。

シアカムはペイサーズに加入してからの6試合で平均21.3得点、7.7リバウンド、5.7アシスト、フィールドゴール成功率57.6%、3ポイントショット成功率38.5%を記録している。その大半が、アシストでリーグのトップに立つ選手からのお膳立てがない状況でマークしたものだ。

デビュー戦でシアカムが決めたFG9本のうち、5本はハリバートンのアシストからだった。だが、ハリバートン不在時の数字は、ペイサーズに加入がシアカム獲得に動いた理由を示している。シアカムは自分で、そしてチームメイトのためにつくることができる選手なのだ。

ペイサーズのリック・カーライル・ヘッドコーチは、トレードについて「6フィート9インチ(約206センチ)のプレイメークできるパワーフォワードを獲得できれば非常に貴重だ」と話していた。

「パスカルは攻守両面で様々なスキルをたくさん持つ選手だ。リバウンドを拾い、プレイメークができる。だから、もちろんタイリースとうまく合い、チームにうまくフィットすると考えている」

トレードが正式決定したのが、チームがウェスタン・カンファレンスのチームとのロード遠征に臨む時だったため、シアカムのペイサーズでの始まりは不利だった。デビューまでにシアカムはトロントからインディアナポリス、それからポートランドに移動し、新たなチームメイトたちに馴染むための真の練習時間なしにコートに立つことになったのだ。

それでもシアカムが貢献できたことは、選手としての彼の地位を物語っている。

カーライルHCのシアカムへの期待や評価は、ここまでの選手の貢献を評価するのに適している。繰り返すが、サンプル数は少ない。しかし、シアカムは今季トロント・ラプターズで記録した以上にリバウンドを拾い、よりうまくショットを放っている。守備でもペイサーズにより柔軟性を与えた。

シアカムのトレードまで、今季のペイサーズはディフェンシブレーティングがリーグ27位だった。だが、ペイサーズを追うケイトリン・クーパー記者が指摘したように、シアカムの万能性が守備でペイサーズの穴をたくさん埋めている。センターのポジションでもシアカムが快適にプレイできることについて、ペイサーズはラプターズ時代のスモールラインナップにおけるシアカムの役割に感謝だろう。
 

シアカムとハリバートンのケミストリーについては、いずれもっと分かるだろう。だが、ともに出場した1試合は、実りあるコンビとなれそうだと示している。

ペイサーズが2020年以来となるプレイオフ進出を目指す中で、2番手のプレイメーカーとしてのシアカムの役割は、カーライルHCにラインナップの柔軟性をもたらす。それは層の厚さという点で大きなボーナスだ。

ハリバートンがベンチに下がっても、リザーブ中心のラインナップにおいて、シアカムがメインのクリエイターになれる。相手の守備は休むことができないだろう。その得点力とプレイメーク力から、シアカムは様々な方法で相手を苦しめられる。そしてペイサーズには、彼の強さを生かして活躍できる選手たちがいる。

まだ始まったばかりだが、ペイサーズに加入してからのシアカムを見る限り、時間とともに良くなっていくばかりだと示されている。改善の余地があることは確かだ。しかしその多くは、ハリバートンが完全復帰してからの成長につながるだろう。

評価:B+

ペイサーズでのパスカル・シアカムのスタッツ

  • 1試合平均21.3得点
  • 1試合平均7.7リバウンド
  • 1試合平均5.7アシスト
  • 1試合平均0.8スティール
  • 1試合平均1.7ターンオーバー
  • フィールドゴール成功率57.6%
  • 3ポイントショット成功率38.5%
  • フリースロー成功率65.4%

原文:Grading Pascal Siakam's early returns with Pacers: Analyzing forward's fit and potential with Tyrese Haliburton(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Gilbert McGregor

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Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。