アーロン・ベインズが人種問題について手記を公開「無知は言い訳」

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無知は幸福であると言われています。そんなのクソ食らえだ。無知は言い訳であり、寄り掛かれるものであり、気を付けなければこの世界を引きずり下ろすものになりかねません。

僕は正気です。信じてほしい。

僕は無知な状態で育ちました。教育されないまま育ちました。問題の一部として育ったのです。オーストラリアの小さな町に住む大多数の白人として。

ただ、勘違いしないでほしいと思います。僕は決して誰かのことを人種や文化を理由に嫌いになったことはありません。でも、サポートすることもありませんでした。それは同じくらい駄目なことなのです。僕は傍観者でした。虐げられたり、阻害されている人たちのために立ち上がるという知識も意志もありませんでした。

世代を超えるほど虐げられるという気持ちを、僕は身をもって経験したことがないので分かりえません。だけど、自分の子供やほかの子供たちが肌の色を理由に偏見の目で見られることが、どれだけ胸を痛めるかは知っています。平等を勝ち取るための戦いにある恐怖、怒り、無力感、反発力を少し理解できるようになりました。

父として、僕は人生そのものよりも、子供たちの喜びのほうが大切に感じています。だからこそ、これまで自分がしてきたように静かに淡々と自分の目標に向かって進むのではなく、今回の件についてしっかりと自分の信念を、自分の言葉を通して表現したいと思いました。

人種差別がいろいろな形と大きさで存在するのだと理解できたのは、16歳頃のことです。それを大きく誇らしげに掲げる形もあれば、清流のように静かに、人々を蝕んでいく形もあるものです。

それがどのような形であれ、どれだけ明確に提示されたとしても、問題は社会全体に浸透しており、無知は問題の一部であるだけでなく、言い訳にもなっていることに気付きました。

歳を取ると共に、僕は多くの機会を通して勉強し、世界中の人々にとってより良い人間になれるように努めてきました。

父として、ひとりの男性として、自分が不正だと感じるものを見たときに声をあげることができることを今は知っています。無知に頼ってはいけないのです。

普段僕はあまりプライベートなことは話しません。だからほとんどの人が、僕の妻が黒人で、子供たちが混血児であることを知らないだろうと思います。僕が子供たちに世界のことを教えてあげたのと同じくらい、子供たちから多くを学ぶ機会をもらっていることにとても感謝しています。

僕はあらゆる背景、あらゆる人種の人々を愛することを教えています。そして子供たちが理解できるくらい大きくなったとき、この世界にある不正や不平等を教えることが僕の責務です。

無知について僕が言ったことを思い出してください。教育は家から始まるもので、早く始めるに越したことはありません。色や背景で人を判断していけないということを、私たちは子供たちに言葉と行動を通して教えなければなりません。男性や女性を、そのキャラクターで判断しましょう。誰もがそれを選ぶわけではありませんが、誠実さはすべての文化に与えられています。

僕は昨日4歳の息子にこう言われました。「お父さん、僕はたまにお父さんのことが好きじゃないけど、一生愛しているよ」って。彼らの父親として変わることができた僕のように、人はより大きな善のために変わることができるのです。

僕よりもよっぽど賢く、詩的で、影響力を持った人たちがすでにたくさん発言しています。僕の言葉に耳を傾けてくれたことに感謝しています。そしてこれが、無知を横に押しのけ、教育を手に取ることをもっと若く、早い段階からできるように、ほかの人たちに伝わっていくことを望んでいます。

平等の追求は世界的な問題で、人類、我が国、地域社会、同僚、友人のための戦いです。自分の影響力の及ぶ範囲内で、愛情、受け入れる心、理解することが最優先であり、無知が居場所を持たないようになるよう、できる限りのことをしていきます。僕の家族、妻と子供たちは僕にとってかけがえのない存在であり、無知なんかに引きずり下ろされないようにしていきます。

原文:An Open Letter from Aron Baynes by Aron Baynes/Suns.com
翻訳:大西玲央 @ReoOnishi


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