【NBAプレイオフ2024展望】西準決勝:ナゲッツ対ウルブズ

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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NBAプレイオフ2024のセカンドラウンドで、デンバー・ナゲッツは最も厳しい挑戦者と対戦することになるかもしれない。フェニックス・サンズをスウィープ(4勝0敗)で沈めた第3シードのミネソタ・ティンバーウルブズだ。

シリーズを迎える時点で有利なのはナゲッツだろう。リーグ最高の選手を擁しており、優勝の経験もある。だが、第5戦で勝利した昨季のプレイオフ・ファーストラウンドを始め、ウルブズには対戦時に極めて良いプレイを見せられてきた。

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昨年夏、ナゲッツのブルース・ブラウンはポッドキャスト『Run Your Race』で「正直、最もタフだったシリーズはウルブズ戦だった」と話している。

今季もそれは変わらなかった。レギュラーシーズンの対戦は2勝2敗と五分。ルディ・ゴベアとカール・アンソニー・タウンズの独特な長身コンビは、ナゲッツの攻撃を抑えられると期待できるほどに優れている。そしてアンソニー・エドワーズは今プレイオフのスターのようだ。

ナゲッツとウルブズの対戦は、今季のプレイオフで最も面白いシリーズのひとつだろう。ここではそのシリーズを展望する。

ナゲッツ対ウルブズの予想

ナゲッツは昨季ほどのチームではない。ブラウンという強力なベンチメンバーを失った。レジー・ジャクソンとジャマール・マレーは小さなケガも抱えている。

マレーはロサンゼルス・レイカーズとのファーストラウンドでふくらはぎのケガに影響された。第2戦と第4戦でチームを勝利に導く見事な決勝ショットを決めたが、第5戦で32得点をあげたのを除けば、以前ほどの支配力ではなかった。

それでも、ナゲッツが西地区のベストチームであることは変わらない。ニコラ・ヨキッチは試合終盤の最終兵器だ。決して動じることがない。1on1で止めることのできないスコアラーであり、ナゲッツはいつも勝負どころで良いかたちをつくる。

しかし、ウルブズも負けていない。エドワーズは向上し、ファーストラウンドで平均31.0得点、8.0リバウンド、6.3アシストを記録するなど、プレイオフにおける真のエリートクラスのひとりとなった。彼の身体能力の高さは注目に値し、楽しんで自信たっぷりにプレイする姿は周囲に伝わる。

ただ、それだけで今のナゲッツを乗り越えられるだろうか。ファーストラウンドでトップの得点をあげたにもかかわらず、ウルブズの攻撃に関してはまだ懸念がある。そしてナゲッツよりもクラッチタイムで不安定だ。

優勝した昨季のプレイオフで、ナゲッツは第7戦までもつれ込むことがなかった。その彼らと第7戦まで戦うことになれば快挙だ。両チームがいかに優れているかを考えれば、それが実現する可能性はある。そして勝負が決まる一戦でホームコートアドバンテージがあることは、ナゲッツがラウンドを突破するのに十分なはずだ。

予想:第7戦でナゲッツ勝利

ナゲッツ対ウルブズ、2023-2024シーズンのレギュラーシーズン成績

2023-2024シーズンのレギュラーシーズンでナゲッツとウルブズは4回対戦し、2勝2敗と五分の成績だった。

  • 2023年11月1日:ウルブズ 110-89 ナゲッツ
  • 2024年3月19日:ナゲッツ 115-112 ウルブズ
  • 2024年3月29日:ウルブズ 111-98 ナゲッツ
  • 2024年4月10日:ナゲッツ 116-107 ウルブズ

タウンズが出場したのは最初の試合のみ。また、ゴベアとマレーもそれぞれ1試合を欠場した。

ナゲッツ対ウルブズの注目ポイント:ウルブズの守備はニコラ・ヨキッチを抑えられるか?

ウルブズの守備はレギュラーシーズンで圧倒的なトップだった。エリート級のペリメーターディフェンダートリオのおかげで、サンズの危険な攻撃を相手にしても良い仕事をしている。

ウルブズの守備で最も称賛されるのは、4回目の最優秀守備選手賞受賞が近いゴベアだ。ただ、ガード陣も見逃せない。ジェイデン・マクダニエルズはオールディフェンシブチーム選出で投票されるべき選手だ。ニキール・アレクサンダー・ウォーカーはリーグで最も過小評価されているディフェンダーだろう。そしてエドワーズは1on1で相手をシャットダウンする力を持ち、常に終盤で最も厳しいマッチアップを望む。

この見事なガード陣の守備は、リーグで最も致命的な攻撃であるマレーとヨキッチによるナゲッツのツーメンゲームに対抗する上で非常に重要だ。特にアレクサンダー・ウォーカーは、マレーとヨキッチが好むハンドオフやピック&ロールをかわすのがファンタスティックな選手である。

素晴らしい人材に加え、ウルブズはクリス・フィンチ・ヘッドコーチが極めて良い指導をしている。プレイオフでも彼らの守備は自在だ。

ナゲッツは相手チームがローテーションでミスをした時に仕留めてくる。そのミスは、ヨキッチがヘルプを引きつけることによって生じることがしばしばだ。ウルブズは2人目のディフェンダーを絡めなければならない。だが、タウンズやナズ・リード、カイル・アンダーソンをヨキッチにつけ、ゴベアにアーロン・ゴードンを守らせながらヘルプの役割を任せることで、ダメージを制限できる。

それでも、ヨキッチは活躍できるだろう。ウルブズとのレギュラーシーズンの対戦では、平均33.3得点、11.8リバウンド、4.3アシストを記録している。ただ、ウルブズも、少なくともより厳しいショットにしたり、キラーパスを抑えることには成功した。

それに加えてエドワーズとタウンズが攻撃で十分に活躍できれば、ウルブズがこのシリーズに勝つチャンスとなるかもしれない。

原文:Nuggets vs. Timberwolves prediction, odds, schedule for 2024 NBA Playoffs second round series(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。