レイカーズとの第5戦を前に再び1勝3敗の窮地に立たされたナゲッツ

Michael C. Wright, NBA.com

レイカーズとの第5戦を前に再び1勝3敗の窮地に立たされたナゲッツ image

デンバー・ナゲッツはウェスタン・カンファレンス・ファイナルでロサンゼルス・レイカーズを1勝3敗で追っている。これをナゲッツが望む状況だと見なしてはいけない。

同じ年のポストシーズンの複数シリーズで1勝3敗から逆転を果たしたNBAプレイオフ史上初のチームになったとはいえ、これは決してナゲッツが望んだことではなかった。

レイカーズとの第4戦に108-114で敗れたナゲッツのマイケル・マローン・ヘッドコーチは、9月25日(日本時間26日)にそれをはっきりさせている。

マローンHCは「外部の人たちは、(1勝3敗を)我々が望んでいる状況と考えるのだろう」と話した。

「そうじゃない。我々はむしろ3勝1敗にしたかった。これまではこの立場になり、見事な挽回力でそこから抜け出してきた。(レイカーズとの第5戦で)同じようにファイトすることは疑いない。このシリーズをまだ続けていけることを願っている」。

それが大変なタスクであることは確かだ。

だから、第4戦の試合直後、ナゲッツが翌日に練習しないと発表したことも驚きではなかった。ユタ・ジャズやロサンゼルス・クリッパーズとのシリーズで、1勝3敗から挽回したときと同じだ。

ナゲッツは、一歩前進できるように一歩後退することを決めた。

アンソニー・デイビス(34得点)とレブロン・ジェームズ(26得点、8アシスト)が2人で60得点以上をマークしたときのレイカーズは今季18勝1敗の成績だ。しかも第4戦では、レイカーズはオフェンシブリバウンドで12-6、セカンドチャンスからの得点で25-6とナゲッツを上回った。さらに、大きな役割を果たしたのが、ベテランのドワイト・ハワードだ。第1クォーターで8リバウンドを記録し、フィールドゴール4本中4本成功の8得点をマークした。

マローンHCは「ハワードが第1Qを支配した」と話している。

「ショットが良いときは、もっとフィジカルにならなければいけない。我々はボールをただ見ていてしまったりして、必要な量の熱量でファイトできなかった」。

「このシリーズの前に、我々は何度も2つのことを話してきた。トランジションディフェンスとリバウンドだ。リバウンドに関しては、昨夜だけでなく、シリーズ全体を通じてもっとやらなければいけないと思う」。

だから、25日(同26日)の朝、マローンHCはチームをコートに立たせ、リバウンドの練習をしたかったはずだ。だが彼は、1日ごとに試合をしている負担を考慮すれば、それが「現実的ではない」ことも認識していた。

代わりにマローンHCが選んだのは、「見直して、考えて、選手たちとコミュニケーションをとる」ことだったと明かしている。

それは、第4戦で負けたマローンHCが、ホテルの部屋に戻ってすぐに始めたプロセスだ。マローンHCは妻に連絡して記念日を祝い、2人の娘のひとりには誕生日を祝ってから、着替えて第4戦の映像に向かった。

マローンHCが寝床に入ったのは、おおよそ午前4時のことだった。そして目覚めるやいなや、彼はすべてのメモと第4戦の映像を調べ、さらに手早くメモを取り、第5戦に向けて話し合った。

マローンHCは「スタッフと会って、彼らが見たことや、どこを改善できるかを話した」と述べている。

「それからチームと話すんだ。映像を見せ、それについてたくさん話す。こういう日に肉体的にできることは多くない。だから、もっとメンタル的なことに関してたくさんやるんだ」。

これまでのシリーズでは、このアプローチがナゲッツにとってうまくいった。マローンHCは、今の1勝3敗という状況も、これまでの2回と何も違わないと感じている。

マローンHCは「我々は2回経験した。そして応じてきた」と話した。

「正直、クリッパーズとのシリーズだって、彼らはレイカーズ以上にすべてを勝ち取ると有力視されていた。だからクリッパーズは偉大なチームだ。レイカーズも偉大なチームだよ。そして残念ながら、我々は再び1勝3敗になったということだ」。

今回の相手は、今季のポストシーズンにおける第2戦から第5戦までの成績が10勝1敗というレイカーズだ。17年目のベテランであるジェームズは、3勝1敗とリードしたシリーズを落としたことがない。さらに、レイカーズはポートランド・トレイルブレイザーズとヒューストン・ロケッツをそれぞれ第7戦に至る前に倒しており、王手のかかった試合で2勝0敗だ。

25日(同26日)の映像セッションで、レイカーズは第5戦に向けて守備の改善点に集中した。ジェームズは第4戦の終盤にマークしたジャマール・マレーを「スペシャル」(特別な選手)と評している。マレーは今季のポストシーズンですでに4試合で40得点を記録している。レイカーズとの第4戦でも、32得点、8アシストをマークした。マレーが30得点超をあげた今季のポストシーズン6試合で、ナゲッツは4勝2敗だ。

第4戦でファウルトラブルに苦しんだニコラ・ヨキッチは、昨季と今季のポストシーズンの14試合で20得点&10リバウンド&5アシスト超を記録している。

レイカーズのフランク・ボーゲルHCは「まだ我々が改善できるところはたくさんある。そしてこのシリーズで勝ちたければ、改善しなければいけない」と述べた。

「ウチのグループはこのプレイオフの試合すべてを必ず勝たなければいけない試合として扱ってきた。そういう姿勢だった。ロケッツやブレイザーズとの最終戦でも、そういう心構えだった。いつだってシリーズを決める勝利を手にするのが最も難しいと分かっている。今回も同じだ」。

レイカーズは、この機会を無駄にしたくないと思っている。

ハワード(12得点、11リバウンド)は、2017年4月以来となるポストシーズンでのダブルダブルを達成した。2015年以降、彼は今季までファーストラウンドを突破できていなかった。多くの選手にとって、こういう機会は頻繁に訪れるものではない。だからこそ、ハワードは、第5戦でレイカーズがどんなことに直面するかを知っている。

ハワードは「彼らは僕ら相手に全力を尽くしてくるだろう」と述べた。

「僕らもそれは分かっている。僕たちは夢まであと一歩だ。だから、緩めたりはしない。これまでよりもっと激しさを出すつもりだよ。このシリーズがいかに大事か、この試合がどれほど大切か、僕たちは分かっている。第7戦のつもりで激しく努力しなければいけない」。

原文:Nuggets are in a familiar, undesirable position heading into Game 5 by Michael C. Wright/NBA.com(抄訳)​


NBA公式動画をチェック!

Michael C. Wright, NBA.com

Michael C. Wright, NBA.com Photo

NBA.com