ナゲッツのヨキッチはどうやってレイカーズの裏をかいているのか?|NBAプレイオフ2023

Scott Rafferty

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ニコラ・ヨキッチは、デンバー・ナゲッツ対ロサンゼルス・レイカーズのウェスタンカン・ファレンス・ファイナル第2戦第1戦のように支配することはなかったが、それでも試合の至る所でその存在を示した。

ヨキッチは、第1戦の34得点、21リバウンド、14アシストの歴史的なトリプルダブルに続き、第2戦でも23得点、17リバウンド、12アシストのトリプルダブルを達成。これで2023年のNBAプレイオフで彼が達成したトリプルダブルは7回目になる。トリプルダブルを2回以上達成している選手はほかには誰もいない

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さまざまなエリアで試合に影響を与えなければトリプルダブルは達成できないが、なかでもヨキッチがこのシリーズでレイカーズを苦しめているある特別な方法が存在する。

レイカーズの裏をかくヨキッチ

レイカーズはロスターを一新した後、より圧倒的なオフェンシブリバウンドのチームとなった。

トレード期限後にレイカーズが戦ったレギュラーシーズン27試合では、1試合あたりのオフェンシブリバウンド数が11位(10.8)、1試合あたりのセカンドチャンス得点が10位(14.3)に跳ね上がった。2023年のNBAプレイオフでも、14試合を通して同様の数字を記録している。

レイカーズで最高のオフェンスリバウンダーといえば、アンソニー・デイビスだが、このシリーズで彼が直面しているのは、リーグ最高のリバウンダーの1人であるヨキッチと主にマッチアップするという問題だ(レギュラーシーズンでヨキッチより1試合平均のディフェンシブリバウンド数が多かったのは、ヤニス・アデトクンボのみ)。ヨキッチは、コート上で最も速わけでも、最も運動能力が高いわけではないにもかかわらず、自らボールをプッシュすることに優れているため、速攻の脅威にもなる。

ヨキッチとナゲッツは、デイビスとレイカーズをオフェンシブリバウンド獲得からうまく遠ざけているだけでなく、その機会を求めようとする彼らに対してダメージを与えることができている。それは、バスケット周りのショットを決められなかった場合も同様だ。

レイカーズのオフェンシブリバウンド(2023NBAプレイオフ・シリーズ別)
シリーズ
(西地区)
試合数 オフェンシブリバウンド(1試合平均) セカンドチャンスからの得点(1試合平均)

1回戦
対グリズリーズ

6 11.3 17.3
準決勝
対ウォリアーズ
6 8.2 11.0

決勝
対ナゲッツ

2 4.5 9.5

ディフェンシブリバウンドを取ったヨキッチは、デイビスを探しているように見えることが多い。デイビスが自分より先にいる場合は、ゆっくりとボールを運んでいくか、ほかの選手にボールをパスすることも多い。デイビスが横にいる場合は、それを利用して思い切りボールをプッシュする。

そういうポゼッションがレイカーズのディフェンスにどのようなプレッシャーを与えるか見てみよう。

ハーフコートを越えた時点でヨキッチの前にいるのは、ディアンジェロ・ラッセル、オースティン・リーブス、レブロン・ジェームズだけだ。誰かがボールを止めなければならないので、リーブスはコートの中央に位置取る。その結果、このプレイオフで3ポイントショットを42.2%の確率で成功させているマイケル・ポーターJr.がウイングに1人取り残される。

ヨキッチは、第2戦では12アシストを記録した。そのうちの4本はオープンコートでのアシストだった。

これには、ヨキッチがアシストにつながるパスを出した回数すら考慮に入れていない。

あるいは、彼が一生懸命にコートを走ったことで、ほかの人にチャンスが生まれた場合もある。

ナゲッツもすべてがうまくいったわけでなかった。

第1戦では、トランジションの得点でナゲッツがレイカーズを19-13で圧倒している。第2戦では22-21でナゲッツが優勢で、その差はそれほど大きくなかったが、試合の大部分においてオープンなコートに走り出すことはナゲッツの最善の攻撃手段だった。

デイビスとレイカーズはどう調整すればいいのか

第2戦の後、レイカーズのヘッドコーチであるダービン・ハムは、オフェンシブリバウンドの確保することとトランジションで戻ることのバランスをどう取るのがベストか、という質問を受けた。

「私たちにはルールがあってね、たとえば、もし選手がリバウンドを取れそうな位置にいたら、そのときはできるだけ全力で確保に向かってもいいんだ」と、ハムは答えている。

 「しかし、バスケットから離れた場所にいるならショットの直後に走り出さなきゃいけない。ボールがリムに当たったときでもなく、コートに落ちたときでもなく、誰かがキャッチしたときでもない。チームメイトの手からボールが離れたのを見たら、すぐに戻らなければいけないんだ」

「だから、第3戦ではその点をもっと改善したいと思っているよ」

オフェンシブリバウンドで優位に立つことがレイカーズのアイデンティティーの大事な部分である一方で、このシリーズはオフェンシブリバウンドの確保のために積極的に攻めることをどこまで抑えるかにかかっているのかもしれない。

原文:How Nuggets' Nikola Jokic is outsmarting the Lakers, forcing Anthony Davis to adjust
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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Scott Rafferty

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Scott Rafferty is an experienced NBA journalist who first started writing for The Sporting News in 2017. There are few things he appreciates more than a Nikola Jokic no-look pass, Klay Thompson heat check or Giannis Antetokounmpo eurostep. He's a member of the NBA Global team.