第3戦勝利の鍵は八村塁? レイカーズはニコラ・ヨキッチをどうやって止めるのか|NBAプレイオフ2024

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ロサンゼルス・レイカーズは昨季のウェスタン・カンファレンス・ファイナルでデンバー・ナゲッツにスウィープ(4勝0敗)を許した際、ニコラ・ヨキッチに平均27.8得点、14.5リバウンド、11.8アシストと苦しめられた。そして今季のプレイオフ・ファーストラウンドでも、ヨキッチに平均29.5得点、16.0リバウンド、8.5アシストを記録されている。レイカーズはシリーズ2連敗スタートとなった。

レイカーズはどうやってこの男を止められるのだろうか。ダービン・ハム・ヘッドコーチは、その答えは多くないと認めている。

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第2戦の試合前、ハムHCは報道陣に「彼は相手を殺す様々な方法を知っている。とにかくプレッシャーをかけ続けなければいけない。それでも彼を煩わせるわけじゃなさそうだけどね」と話した。

「どうすればいいか、分からないよ」

第2戦を前に、アンソニー・デイビスは自分が「守備でリーグ最高の選手」だと高らかに主張した。彼は正しいかもしれない。それでも、ヨキッチには第2戦で27得点、20リバウンド、10アシストをマークされている。

デイビスが試合を通じてヨキッチをマークしたわけではない。そして彼はほかの選手たちよりうまくヨキッチを守った。ここでは、ヨキッチを抑えるのに、何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかをまとめる。

レイカーズはどうやってニコラ・ヨキッチを守ったのか

アンソニー・デイビスがヨキッチをマーク

リーグのマッチアップデータによれば、今シリーズで主にデイビスが守った時、レイカーズはヨキッチをフィールドゴール15本中6本成功にとどめさせている。

だが、デイビスが守っている中で、ヨキッチにはターンオーバーなしで7アシストを記録されている。また、デイビスがリムプロテクターとなれず、チームメイトたちが代わりを務めることになった。

このようにデイビスがヨキッチに張りつかなければいけない状況になれば、ヨキッチとジャマール・マレーのツーメンゲームを最も生かされる。マレーにバスケットへの明確な道筋を与えるのだ。

また、ヨキッチからインサイドのアーロン・ゴードンへとつながれ、高さで下回るレイカーズの選手たちが簡単にフィニッシュされた場面もある。

デイビスの戦略は技術的にヨキッチをスローダウンさせる。だが、あまりレイカーズの助けにはならないのだ。ナゲッツに別の打開策を見つけられてしまうからである。

八村塁がヨキッチをマーク

レイカーズは八村をヨキッチにマッチアップさせ、デイビスが動けるようにするかたちでシリーズを始めた。だが、これもあまり機能していない。このマッチアップでヨキッチにはFG16本中11本成功、6アシストを許している。ターンオーバーなしだ。

すぐにヘルプが来なければ、八村はヨキッチ相手にあまりに小さすぎる。54ポンド(約24キロ)の体重差があるのだ。そしてヨキッチの強さと巧みさの兼ね備えぶりは圧倒的である。

ダブルチームができても、ヨキッチには常に適切なパスを出されてしまう。この守備戦略は、ナゲッツにしっかりと対策されてきたのだ。

レブロン・ジェームズがヨキッチをマーク

昨季のシリーズでレイカーズが切り札としたのがこの方法だ。ジェームズの消耗度から、頻繁には使えない。だが、レイカーズの選択肢の中では最も機能していた。

今季のシリーズでは少ししか使っていない。だが、ジェームズは八村よりもうまく持ちこたえられるはずだ。ヨキッチをスローダウンさせ、デイビスがヘルプできるようにする。実際、ヨキッチに簡単に決められたようでも、ジェームズがタフショットに持ち込んでいたという場面もあった。

ここまで成功してはいないが、理論上はこの方法がレイカーズの最善であり、ハムHCの次の調整点となるかもしれない。レイカーズが必死となる中、今後の試合でジェームズにさらに多くを求め、より重い負担をかけることになる可能性はある。

ヨキッチ対策でレイカーズにとって最善の戦略

ヨキッチはコンディショニングに関してあまり称賛されない。全盛期のアスリートのように見えないのは確かだ。しかし、それでも多くの時間に出場し、試合終盤でも極めて鋭い。

とはいえ、ヨキッチも人間だ。第2戦の前半、レイカーズはヨキッチ相手のピック&ロールで多くの成功を収めた。主にデイビスを通じ、59-44とハーフタイムまでに15点のリードを奪っている。

しかし、第3クォーターに入り、ナゲッツのマイケル・マローンHCが見事な調整をした。ヨキッチがデイビスではなく、八村をマークするようになったのだ。これには2つの大きな効果があった。

  1. 守備がより優れるゴードン相手に、前半24得点のデイビスが後半8得点
  2. 第2戦でFG7本中1本成功だった八村を通じたプレイの増加

レイカーズは試合を通じてヨキッチ相手に守備の仕事を続けなければならない。ナゲッツは再び、前述のマッチアップを狙うだろう。八村は、それでナゲッツが代償を払うようにしなければいけない。第3戦での勝利に向け、最も重要な鍵を握るひとりは、八村になるだろう。

原文:Nikola Jokic is carving up Anthony Davis and Rui Hachimura, leaving Lakers with one strategy against Nuggets star(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。