レジョン・タッカーは、3回にわたって母に連絡した。12月23日(日本時間24日)から24日(同25日)にかけての電話で、反応は3回とも異なるものだった。
最初に連絡した時、母親は冷静だった。息子に「あなたはハードワークした。これにふさわしい」と伝えた。タッカーが夕食後に再び電話すると、母親は「本当に幸せで、ハイで、笑って叫んでいた」。
そして24日の朝、再びタッカーは母親に電話した。彼は「その時に母が泣いたんだ」と話す。
「それが、最初の時に僕が待っていたことだった。思っていたようにならなかったけどね」。
タッカーほど、待つことが報われると知っている者はいない。
今年6月のドラフトで指名されなかったタッカーは、サマーリーグを経てGリーグに向かった。その彼が今週、ユタ・ジャズと複数年契約を結び、NBAの舞台にたどり着いたのだ。
26日(同27日)の新チームでの練習後、タッカーは「今週は本当に素晴らしかったと言えるよ」と述べた。
「きっと、これまでで最高のクリスマスギフトだ」。
ウィスコンシン・ハードで16試合に先発出場したタッカーは、1試合平均23.8得点、フィールドゴール成功率49.4%という成績を残した。それでも、エージェントからあの連絡が届くとは思っていなかったという。タッカーは「望んでいたけどね」と述べた。
「本当に連絡が来るかは分からなかった」。
23日の夜、その電話は鳴った。タッカーは「ショック状態みたいだったよ」と振り返る。
「びっくりした。何と言えばいいか分からなかったよ」。
24日までに取引は決まった。タッカーはクリスマスの夜22時にソルトレークシティーに到着し、26日の朝にはポートランド・トレイルブレイザーズとの試合に向けて準備していた。
タッカーは「僕は飲み込みが早いんだ。2日でシステムに溶け込み、たくさんの映像を見て、試合前にコートでの練習に取り掛からなければいけなかった」と述べている。
「僕はエネルギーや守備をもたらす。優れたロールプレイヤーとして勝利を目指す。それが何より大切なことだ」。
発表後にタッカーに最初に連絡した1人が、ジャズのドノバン・ミッチェルだった。タッカーは「大好きなんだ」と話す。
「彼のハイライトを見るのが好きでね。ずっと彼にくっついているよ」。
ミッチェルとタッカーは高校時代からの知り合いだ。スラムダンクコンテストで競った仲である。現在マイアミ・ヒートに所属するデリック・ジョーンズJr.が優勝し、タッカーが2位、ミッチェルが3位だった。
ミッチェルは「彼は僕より高く飛べる。それは認めるよ」とした上で「もちろん、やり直さないとね」と再戦を求めている。
タッカーは「必ずショーを見せるよ」と、試合前のウォームアップ中に高く飛ぶところを見せると約束した。
原文: New Utah Jazz guard Rayjon Tucker says NBA call-up was the 'best Christmas gift I’ve ever gotten' by Aaron Falk/Jazz.com(抄訳)