トレード期限が早まることの影響は?

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昨季、大半のチームはオールスター期間までに55~57試合を消化した。そしてオールスター期間はトレード期限までに評価や交渉をするための時間として役立った。今季、リーグはトレード期限を2月8日(日本時間9日)に前倒しし、開幕を早めてシーズンそのものも長くしている。これらの変更は、トレード期限において大きな違いとなり得るだろう。

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期限までにオールスター期間があったことで、各球団のフロントは試合がない間に、プレイオフに向けてそれぞれの状態を吟味することができた。55~57試合の消化は、評価をするうえでフェアだったと考えられる。今季はその期限までの消化試合数が減る予定だ。わずかではあるが、売り手になるか買い手になるかといった大きな方針は、それまでに決めておく必要がある。

仮に、昨季までオールスター期間に充てられていた1週間の時間を確保するのなら、今季は2月1日(同2日)までにそれぞれの道を決めておくことになる。それはスケジュールのバランスを動かし、フロントが取り組む不確実さを増すことにつながるだろう。56試合消化で残り26試合よりも、50試合消化で残り32試合といった状況に近い。

2017年のオールスター期間までに、イースタン・カンファレンスは12チーム、ウェスタン・カンファレンスは13チームが、プレイオフ出場権のボーダーラインである第8シードから4ゲーム差以内にひしめきあっていた。ただし、ウェストは8チーム中7チームがほぼ定まっていたが――。

50試合を消化する時期はおおよそ2月2日(同3日)と、両シーズンとも似たようなものだ。面白いのは、そこからトレード期限までの違いだ。2016-17シーズンは、その時点で明らかにプレイオフに出場できないチームは3つだけだった。ブルックリン・ネッツ、フェニックス・サンズ、ロサンゼルス・レイカーズだ。フィラデルフィア・76ersやオーランド・マジックも敗退に向かっていたが、明確になったのは2月最初の2週間が終わってからだった。そしてマジックはサージ・イバカをトロント・ラプターズへトレードし、76ersはナーレンズ・ノエルをダラス・マーベリックスに放出した。

今季がどうなるかを予想するのはまだ早すぎる。ただひとつ、プレイオフ争いがよりオープンだということにはまず注目しておくべきだ。ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)の負傷により、ウェストの大勢は変わった。デトロイト・ピストンズや76ers、マジック、インディアナ・ペイサーズの向上は、イーストにおいて必要な勝ち星の数を、シーズン前のプラン以上のものにするかもしれない。

それらが組み合わさり、重要な問題のひとつにつながる。どれほどの買い手と売り手がおり、それらのチームがいつの時点で動く確信を持てるのかということだ。

例えば、ニューオーリンズ・ペリカンズだ。序盤戦はアンソニー・デイビスとデマーカス・カズンズが圧倒している。だが、カズンズがフリーエージェントとなるのは大きなリスクだ。彼が7月に移籍を選んだら、チームはオールスター選手をトレードに使えなくなる。これからの10週間で、ペリカンズは買い手にも売り手にもなり得るのだ。だが、50試合消化の時点でそれを完全に把握するのは早すぎる。様子を見ることもあり得るが、ペリカンズがプレイオフ出場を競っていたら、オーナーからの重圧や自身の職の不確実さから、デル・デンプスGMが“買い”に動くかもしれない。

ペイサーズも重要な存在だ。シーズン序盤で驚くほどの強さを見せているが、2月初旬までにポストシーズンを戦う可能性が下がっていれば、どうなるかわからない。ペイサーズにはプレイオフ出場チームの役に立ち得るベテランたちがいる。サディアス・ヤングは来季1400万ドル(約15億8000万円)のプレイヤーオプションを有しており、コリー・ジョセフには790万ドル(約8億9000万円)の年俸がある。ボーヤン・ボグダノビッチとダレン・コリソンは、2018-19シーズンの契約が保証されている。早い段階で決断することにより、2018年夏のキャップスペースを空けられるかもしれない。

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最も面白いのは、売り手と買い手のぎりぎりにあるチームたちだ。だが、早期決断はほかのチームたちのトレード期限に向かうアプローチにも影響するだろう。

クリーブランド・キャバリアーズの序盤戦はイーストの上位争いを分からなくさせたが、ラプターズやワシントン・ウィザーズ、ボストン・セルティックスといったチームたちにとって、プレイオフに向けた出方を決めるのに50試合では不十分かもしれない。ウェストはそのときまでにより状況が明確になっているだろうが、オクラホマシティ・サンダーはできる限りの競争力とラグジュアリータックスの支払いを減らすバランスを取る必要がある。そして、そのときの立場が明確でなければないほど、その判断はより難しいものになるだろう。

これらの要素により、必ずしも今季のトレードでこれまでの活発さや面白味が失われるとは限らない。どの選手の契約が満了するのか、次のオフシーズンの柔軟性、レブロン・ジェームズを取り巻く不確実さなど、結局のところ要素はたくさんあるのだ。

スケジュール変更により、各フロントはそれぞれのアプローチや展望を変えなければならず、それは今季全体のスカウティングや選手の評価にも影響するはずだ。そしてそれは、広範囲に及ぶかもしれない。

原文: New NBA trade deadline forces teams like Pelicans, Pacers to make tough choices earlier than usual by Sporting News(抄訳)


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