トレードデッドラインで注目のNBAチームは? 八村塁所属のレイカーズら

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

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NBAのトレードデッドライン(トレード期限)は、半年にわたるレギュラーシーズンにおいて最も重要な日のひとつだ。毎年、多くの選手が移籍するが、大半の取引における背景は同じである。

もちろん、まずは買い手がいるからだ。目標を争っているチームは、ローテーションの強化を目指し、ロスターを大きくアップグレードさせようと、最後の機会を狙っている。そして、それに対して売り手もいる。自分たちのスケジュールに合わない才能ある選手たちに別れを告げ、未来に集中するチームたちだ。

買い手と売り手以外にも小さなグループが存在する。彼らはトレードデッドラインを生かし、競うための方向に進むか、再建を示唆して違う方向へと進む。彼らはしばしば、トレードデッドラインのワイルドカードとなる。

2月8日(日本時間9日)の今回のトレードデッドラインも例外ではない。そしてだからこそ、魅力的なトレードデッドラインとなる可能性がある。今回のトレードデッドラインで最も興味深いチームたちをまとめた。

NBAトレードデッドライン2024で最も注目のチーム

D'Angelo Russell Los Angeles
(NBA Entertainment)

ロサンゼルス・レイカーズ(買い手)

レイカーズにとっては、まったく新たな領域ではない。過去数年のトレードデッドラインで、レイカーズは常に買い手に分類できたのではないか。今季のレイカーズはシーズンを通じて勝率5割前後をさまよっており、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのオールスターコンビを中心とするロスターの強化を図っている。

レイカーズはアトランタ・ホークスのデジャンテ・マレーや、トロント・ラプターズのブルース・ブラウンへの関心が大きく取りざたされてきた。シカゴ・ブルズのデマー・デローザンも常に注目されてきた選手だ。ブルズの彼へのコンタクトが報じられた今はなおさらだろう。

放出に関しては、ディアンジェロ・ラッセル、ゲイブ・ビンセント、八村塁の誰かがいずれかの取引に含まれると見られている。また、2029年のドラフト1巡目指名権も手放すかもしれない。

ニューヨーク・ニックス(買い手)

ニックス周辺は21世紀になって最高というくらいに盛り上がっている。そして彼らには、大きく動く唯一無二の機会がある。

センターのミッチェル・ロビンソンは足首を負傷し、今季終了となる可能性がある。オールスターに選出されたジュリアス・ランドルも肩を痛めた。だが、ニックスはそれでもイースタン・カンファレンスの上位に食らいついている。オールスターに選ばれたジェイレン・ブランソンや、最近のトレードで獲得したOG・アヌノビーの活躍によるところが大きい。

最初のトレードが成功だったのだから、ニックスがさらに動くことはないと誰が言えるだろうか。

エバン・フォーニエを使えるのも役立つ。年俸1890万ドル(約27億9720万円/1ドル=148円換算)の契約が満了する彼は、経済的な理由から重要な存在となるかもしれない。また、3ポイントショットと守備を得意とするが、ローテーションから外れたクエンティン・グライムズは、貴重な選手をトレードするチームに対して十分な選手だ。

DeMar DeRozan Zach Lavine Chicago Bulls
(Getty Images)

シカゴ・ブルズ(売り手)

ブルズの状況は芳しくない。だが、シーズン開幕前ほどではない。

コービー・ホワイトが先発ポイントガードとして力を発揮するようになり、ブルズは少なくともひとりは未来を築くための堅実な戦力を確かなものとした。以前はザック・ラビーンの移籍が不可避と思われたが、シーズン終了の手術により、その可能性は非常に低くなった。

一方で、ブルズはデローザンに退団の可能性がある。また、アレックス・カルーソに対するビッグオファーに耳を傾けるかもしれない。アンドレ・ドラモンドも、ポストシーズンに向けてフロントコートの強化を目指すチームの関心を引くだろう。

オクラホマシティ・サンダー(買い手)

サンダーは当初の見通しよりも先に進んでおり、シーズンを折り返してもウェスタン・カンファレンスの上位につけている。

シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、チェット・ホルムグレン、ジェイレン・ウィリアムズの主軸は定まった。次は周囲を固め、このグループで初のプレイオフに向けて備えるべく、非常に明確な必要性を検討していくことができる。

ニックスのように、サンダーにはダービス・ベルターンスという貴重なトレードのカードがある。ローテーションから外れており、サラリーは1700万ドル(約25億1600万円)だ。ベルターンスとローテーション外の若手有望株、そして無限にも思えるドラフト資産の一部を条件とすれば、サンダーは真のゲームチェンジャーとなるかもしれない。

 

シャーロット・ホーネッツ(売り手)

ホーネッツはトレードデッドラインに先駆けて、テリー・ロジアーの放出と引き換えに、カイル・ラウリーと将来のドラフト1巡目指名権を手にした。

ラメロ・ボール、ブランドン・ミラー、マーク・ウィリアムズの主軸は確実と見るべきだろう。だがそれ以外は、どんなことも起こり得る。ラウリーの新天地を見つけることに加え、ホーネッツはマイルズ・ブリッジズ、ゴードン・ヘイワード、ニック・リチャーズ、PJ・ワシントンらを手放すかもしれない。

ボール加入からの4シーズンでまだプレイオフに進出できていないホーネッツにとっては、重要な分岐点となる。足首のケガでボールがシーズン残りを欠場するとの声もあるが、彼の状態にかかわらず、ホーネッツは2024年のドラフトで全体1位指名を争うチームとなるだろう。

新たなオーナーの下で実りあるトレードデッドラインにできれば、最も優れた若手スターのひとりを中心に築いてきた球団にとって、真の再建に向けた第一歩となるかもしれない。

原文:The most interesting NBA teams at trade deadline: What to know about Lakers, Knicks, Bulls and more rumors(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Gilbert McGregor

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Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。