昨季は八村塁のロサンゼルス・レイカーズへのトレードを皮切りに、カイリー・アービング、ラッセル・ウェストブルック、ケビン・デュラントなど多くのスター選手が移籍することとなったNBAトレードデッドライン(トレード期限)だが、今年もその時期がやってきた。
今年はトロント・ラプターズがRJ・バレットやパスカル・シアカムをトレードするなど、すでに大きく動き始めている。ここでは期限までに起きたトレードをまとめていく。
2024年のNBAのトレードデッドライン(トレード期限)はいつ?
NBA 2023-2024シーズンのトレードデッドラインは日本時間2月9日 金曜 午前5時(米国東部時間8日 木曜 午後3時)。
NBAのトレード期限とは?
各チームが契約下にある選手を他チームにトレードすることができる期限日のこと。当該シーズン中のトレードはこの期限を最後にできなくなる。
2024年の期限日付近で起きたトレード(随時更新)
76ersが三角トレードでバディ・ヒールドを獲得 ペイサーズはスパーズからダグ・マクダーモット(現地2月8日成立) |
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76ers獲得:
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ペイサーズ獲得:
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スパーズ獲得:
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別々に報じられていたトレードが三角トレードとして成立。76ersがリーグ屈指のシューターであるヒールドを獲得。絡んでる3選手ともこのオフにはFAとなる。確かに当初はトレード要求していたヒールドだが、その後は活躍しペイサーズの躍進に貢献していただけに、ペイサーズにとってこのトレードがどう転ぶかは注目。その分ペイサーズはスパーズからシューターのマクダーモットを獲得。スパーズはモリスをバイアウトする予定。
サンズがネッツからロイス・オニールを獲得 渡邊雄太が古巣グリズリーズへ(現地2月8日成立) |
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サンズ獲得:
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ネッツ獲得:
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グリズリーズ獲得:
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マイルズ・ブリッジズの獲得を噂されていたサンズだが、ターゲットを変更しロイス・オニールを獲得。渡邊雄太がトレードに含まれる三角トレードとなり、古巣グリズリーズへの復帰が決まった。今季のグリズリーズはケガ人が多く、渡邊のプレイタイム増加が見込まれる。メトゥはウェイブ(保有権放棄)されると報じられている。
ペイサーズがウォリアーズからコーリー・ジョセフを獲得(現地2月8日成立) |
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ペイサーズ獲得:
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ウォリアーズ獲得:
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ペイサーズはジョセフをウェイブ(保有権放棄)するとのこと。
セルティックスがダラノ・バントンをブレイザーズへ放出(現地2月8日成立) |
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ブレイザーズ獲得:
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セルティックス獲得:
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76ersがジェイデン・スプリンガーをセルティックスへ放出(現地2月8日成立) |
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セルティックス獲得:
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76ers獲得:
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バックスがロビン・ロペスをキングスへ放出(現地2月8日成立) |
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キングス獲得:
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バックス獲得:
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バックスがロビン・ロペスをキングスにトレード。キングスはウェイブ予定で、FAとなる。2015年全体59位指名のアグラバニスは29歳のギリシャ人フォワード。
ピストンズがキリアン・ヘイズらをウェイブ(現地2月8日報道)
いくつかのトレードで複数選手を獲得したピストンズが、キリアン・ヘイズ、ジョー・ハリス、ダニュエル・ハウスをウェイブ(保有権放棄)することが報じられている。
バックスがパトリック・ベバリーを獲得 キャメロン・ペインが76ersへ(現地2月8日成立) |
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バックス獲得:
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76ers獲得:
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ペリメーターの守備強化を狙っていたバックスが76ersからベバリーを獲得。ベバリーもペインも今オフにFAとなる。ベバリーはデイミアン・リラードと確執のある関係だったが、お互いそこは歩み寄る姿勢をすでに見せている。
マーベリックスがPJ・ワシントンを獲得 グラント・ウィリアムズとセス・カリーがホーネッツへ(現地2月8日成立) |
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マーベリックス獲得:
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ホーネッツ獲得:
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あまりハマっていないと噂されていたグラント・ウィリアムズ、そしてセス・カリーと1巡目指名権を組み合わせてマーベリックスがPJ・ワシントンを獲得。ギャフォードに加えてフロントコートを大幅に補強。
ラプターズがスペンサー・ディンウィディー獲得 デニス・シュルーダーがネッツへ(現地2月8日成立) |
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ラプターズ獲得:
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ネッツ獲得:
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ディビジョンライバル同士がガードを交換。ラプターズはディンウィディーをウェイブ(保有権放棄)しており、バイアウト市場で獲得するチームが注目される。ネッツはヤングをウェイブする。
ニックスがボーヤン・ボグダノビッチとアレック・バークスをピストンズから獲得(現地2月8日成立) |
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ニックス獲得:
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ピストンズ獲得:
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ニックスがシューターのボーヤン・ボグダノビッチを獲得。バークスも3P成功率が40%を超えるシューターで、得点力アップを狙う。昨季からトレードを要求していたエバン・フォーニエはようやく新天地へ。
マーベリックスがウィザーズからダニエル・ギャフォードを獲得(現地2月8日成立) |
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マーベリックス獲得:
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ウィザーズ獲得:
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ドンチッチからギャフォードへのロブパスがたくさん見れそう。デレック・ライブリー二世に加えて、巧みなガード陣とプレイできるインサイド選手をマーベリックスが獲得。マーベリックスはトレード用の1巡目指名権を獲得するために、サンダーに2028年1巡目指名権と、サンダーから獲得していた2028年1巡目指名権を送り、2024年1巡目指名権を別のトレードで獲得した。それをこのトレードでウィザーズへ送る。
76ersがダニュエル・ハウスと2巡目指名権をピストンズにトレード(現地2月8日成立) |
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ピストンズ獲得:
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76ers獲得:
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サラリーキャップとロスター枠をあけるための動き。このトレードで76ersは2枠空き、ラグジュアリータックスを下回ったことで、バイアウト市場での選手獲得も見据える。
サンダーがトレイ・マンと引き換えにゴードン・ヘイワードを獲得(現地2月8日成立) |
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サンダー獲得:
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ホーネッツ獲得:
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サンダーが元オールスターのヘイワードを獲得。最近はケガで欠場が続いている。ホーネッツは若手ガードのトレイ・マンを獲得。ミチッチはサンダーでなかなかローテーション入りできていないものの、ユーロリーグでの実績は抜群なだけに、新チームでの活躍が期待される。
ラプターズがジャズからケリー・オリニクを獲得(現地2月8日成立) |
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ラプターズ獲得:
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ジャズ獲得:
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以前からトレードの噂のあったオリニクがラプターズへ。オフにFAになるだけに少し不思議な動きではあるが、アバジの成長に期待か。
ホーネッツのマイルズ・ブリッジズはトレードを拒否しホーネッツに残留するとのこと(現地2月8日報道)
クオリファイング・オファーでの契約であることからあらゆるトレードを拒否することができるブリッジズは、その権利を利用してホーネッツに残留すると代理人のリッチ・ポールがホーネッツに伝えたと報じられている。ブリッジズはサンズなどが獲得に興味を示しているとされていた。
ウルブズがピストンズからモンテ・モリスを獲得(現地2月8日成立) |
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ティンバーウルブズ獲得:
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ピストンズ獲得:
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マイク・コンリーJr.がいない時間帯に起用できるガードを欲していたウルブズがピストンズからモンテ・モリスを獲得。今季は脚のケガで開幕から欠場が続き、1月下旬にシーズンデビューを果たし、まだ6試合しかプレイしていないが、これでベンチからの得点力向上に期待できる。ピストンズはトレードと、ベテランガードのミルトンとブラウンJr.の獲得で、若手の育成の貢献を期待する。
セルティックスがゼイビアー・ティルマンSr.を獲得(現地2月7日成立) |
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セルティックス獲得:
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グリズリーズ獲得:
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セルティックスがグリズリーズからティルマンを獲得。平均20.6分の出場で、1.2スティール、1.0ブロックを記録しており、インサイドの守備力を補強した形となる。グリズリーズはスティーブン・アダムズのトレードからもわかる通り、指名権獲得で来季以降の補強を中心とした動きをしている。
ピストンズがシモーネ・フォンテッキオを獲得(現地2月8日成立) |
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ピストンズ獲得:
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ジャズ獲得:
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ピストンズが長期的な活躍を期待できるフォンテッキオをジャズから獲得。今季は3P成功率39.1%とシュート力が高く、東京オリンピックやFIBAワールドカップではイタリア代表のスコアラーとして活躍している。
グリズリーズがスティーブン・アダムズをロケッツへトレード(現地2月1日成立) |
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ロケッツ獲得:
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グリズリーズ獲得:
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グリズリーズがケガで今季全休しているアダムズをロケッツにトレードしたことが報じられている。代わりに獲得するオラディポも今季はケガで出場しておらず、さらにこのオフに契約が満了する。2巡目指名権も3つ手に入れていることから、グリズリーズが来季に向けてシフトしている現れだ。アルペレン・シェングンの控えセンターポジション補強が課題なロケッツとしては、起用していない選手と指名権の代わりに、来季の補強に向けて早めに動いた形になる。
ヒートがテリー・ロジアーを獲得 カイル・ラウリーがホーネッツへ(現地1月23日成立) |
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ヒート獲得:
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ホーネッツ獲得:
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それぞれ噂のあった2人が直接トレード。ロジアーは今季30試合で平均23.2得点、6.6アシストを記録しており、ヒートはガードの若返りとアップグレードを計る。ホーネッツはラウリーをバイアウトする可能性も出てくるため、バイアウト市場も気になるところ。
ペイサーズがパスカル・シアカムを獲得 ブルース・ブラウンがラプターズへ(現地1月17日成立) |
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ペイサーズ獲得:
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ラプターズ獲得:
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ペリカンズ獲得:
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今年はラプターズがアクティブだ。OG・アヌノビーを出した次は、チームの要として活躍していたオールNBA選出経験もあるパスカル・シアカムをペイサーズにトレード。本格的にスコッティ・バーンズを中心にチームを再構築することとなる。ペイサーズはハリバートンとフィットが良さそうなシアカムを獲得し、今季さらなる躍進が期待できる。ペリカンズはトレードに絡むことで、ラグジュアリータックスを回避できるポジションに入った。
関連:【NBAトレード評価】ラプターズとペイサーズによるシアカムのトレードをどう見るか
ウィザーズとピストンズがトレード バグリー三世ら4選手(現地1月14日成立) |
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ピストンズ獲得:
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ウィザーズ獲得:
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歴史的な連敗を記録するなど、苦しいシーズンの続くピストンズだが、ケイド・カニングハム、ジェイデン・アイビー、ジェイレン・デューレンなど将来を託したいコアメンバーはある程度見え始めていた。そこにより彼らの能力を有効に引き出せそうなベテラン選手を獲得。ウィザーズは高順位となりそうな2巡目指名権を獲得したことに加え、2018年に全体2位で指名されたバグリー三世や、ケガであまりプレイできていなかったリバースにチャンスを与えることができる。
ニックスがバレットと引き換えにラプターズからアヌノビーを獲得(現地12月30日成立) |
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ニックス獲得:
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ラプターズ獲得:
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両者にとってウィンウィンと言えそうなトレードだ。RJ・バレットがジェイレン・ブランソンとジュリアス・ランドルの横で輝けるタイプではないと判断し、代わりにトム・シボドー・ヘッドコーチが好みそうなディフェンスの良いOG・アヌノビーを獲得できたニックスに対して、ラプターズは地元のスター選手であるバレット、そしてクイックリーで大幅にガードポジションを強化することができた。
関連:【NBAトレード評価】アヌノビーやバレットが移籍したニックスとラプターズのトレードをどう見るか