NBA選手の守備ランキング ウェンバンヤマや渡邊雄太らが11~100位にランクイン

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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年間最優秀守備選手賞は、リーグ最高のディフェンダーに贈られる。オールディフェンシブチームには、リーグで認められた10選手が選ばれる。そしてリーグで最も守備が悪い選手が誰か、我々は知っている。

しかし、昨季出場したその他500人超の選手たちの守備能力が分析され、話題となるのはまれだ。

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筆者は自身でも初めてとなるディフェンダーのトップ100を選出することで、それを変えようと思っている。完璧なリストにはならないだろう。だが、何かあるほうが良いはずだ。何より大切なのは、これによって議論が進み、優れたディフェンダーたちがふさわしく評価され、バスケットボールにおいてひどく過小評価されている側面がもっと注目されるようになるのを願うということだ。

始める前に、選出方法について少し説明しよう。

ランキングの10%は、NBAインサイダーの調査でベストに選ばれた予測基準である『DARKO』による決定だ。さらに10%は、年間最優秀守備選手賞とオールディフェンシブチーム選出の投票結果に基づいている。

その他の80%は、筆者の主観だ。守備を評価する上で、しっかりと注視し、チームの守備スキームやその中で選手がいかにうまくやっているか把握する以上のことはないと強く信じている。新シーズンの所属チームでその選手がどれほど強いディフェンダーであるかによって序列化した。

また、一般的には守備で最も影響力を持つビッグマンに対して大きな先入観を抱かないよう、ポジションのバランスにも努めた。100選手のうち、ビッグマンは30人。ウィングが43人、ガードが28人となっている。

本ランキングは2部構成となり、1部では11位から100位、2部でトップ10を選出した。

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NBAの守備ベスト100選手:11~100位

Ben Simmons
(TSN Illustration)

11~25位

順位 選手 筆者 DARKO 年間最優秀守備選手/
オールディフェンシブ得票
11. ニック・クラクストン 10 43 32
12. ルディ・ゴベア 16 1 0
13. OG・アヌノビー 11 76 89
14. マティース・サイブル 15 35 4
15. デリック・ホワイト 13 76 99
16. ハーバート・ジョーンズ 22 21 15
17. カワイ・レナード 18 43 0
18. ウォーカー・ケスラー 17 62 1
19. マーカス・スマート 20 62 35
20. ジェイデン・マクダニエルズ 14 114 40
21. ジミー・バトラー 19 76 23
22. ポール・ジョージ 26 21 2
23. デニス・スミスJr. 24 43 0
24. ヤコブ・パートル 30 62 0
25. ベン・シモンズ 28 26 0

ルディ・ゴベアとカワイ・レナードはランキング化するのが最も難しい2選手だった。

ゴベアはミネソタ・ティンバーウルブズの新システムで不調のシーズンだった。それがどれだけ続くのか。DARKOによれば、彼はまだリーグ最高のディフェンダーだ。

レナードは長年にわたってその座にあったが、年齢とケガのためにレギュラーシーズンの守備力は落ちている。もう長いこと、最も重要な局面でベストの彼を見ていない。

この中には、とても長きにわたってうまくやり、どれほどの守備の才能を持つかが周知となっている選手たちも多い。OG・アヌノビー、マティース・サイブル、デリック・ホワイト、マーカス・スマート、ジミー・バトラー、ポール・ジョージ、ベン・シモンズは、合わせて17回もオールディフェンシブチームに選ばれている。順位への不満はあるかもしれないが、トップ25入りにふさわしい。

ニック・クラクストン、ハーバート・ジョーンズ、ウォーカー・ケスラー、ジェイデン・マクダニエルズは、知名度でより劣っている。だが、彼らはみな、オールディフェンシブチームの投票で票を獲得した。新シーズンで飛躍する可能性が高い選手たちだ。

昨季のデニス・スミスJr.は、あまり話題とならなかった中で最高の物語のひとつだった。攻撃の起点となる相手選手を粘り強く守るディフェンダーとなり、NBAに戻る道を見つけたのだ。2017年にドラフト全体9位指名されて以降、守備への関心の低さを批判されてきた選手が見事に変貌した。

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Victor Wembanyama
(TSN Illustration)

26~50位

順位 選手 筆者 DARKO 年間最優秀守備選手/
オールディフェンシブ得票
26. アーロン・ゴードン 25 62 1
27. ジャレット・アレン 31 18 3
28. ロバート・ウィリアムズ三世 32 11 0
29. ビクター・ウェンバンヤマ 29 N/A 0
30. ジャレッド・バンダービルト 35 43 0
31. ディアンソニー・メルトン 33 76 1
32. ジョナサン・アイザック 36 55 0
33. ジョシュ・オコーギー 38 43 0
34. ギャリー・ペイトン二世 37 55 0
35. ディロン・ブルックス 27 172 54
36. カイル・アンダーソン 47 14 0
37. マイルズ・ターナー 34 125 0
38. ケビン・デュラント 40 92 1
39. アンドリュー・ウィギンズ 42 76 0
40. PJ・タッカー 45 62 0
41. ケボン・ルーニー 49 26 0
42. ダイソン・ダニエルズ 43 76 0
43. フレッド・バンブリート 48 43 0
44. クリス・ダン 39 140 0
45. デロン・ライト 46 101 1
46. ゼイビアー・ティルマン 50 62 0
47. ドリアン・フィニー・スミス 44 114 0
48. ミケル・ブリッジズ 21 320 33
49. ヘイウッド・ハイスミス 56 55 0
50. アル・ホーフォード 61 18 0

次のグループにはファンタスティックなリムプロテクターたちが選ばれた。ジャレット・アレン、ロバート・ウィリアムズ三世、マイルズ・ターナーは、それぞれブロックマシンだ。

ビクター・ウェンバンヤマはバスケットボール史上最高の守備の有望株かもしれない。7フィート3インチ(約221センチ)ながらペリメーターでも守れ、3ポイントショットをブロックする。すでにエリート級のリムプロテクターで、タイミングばっちりのローテーションと素晴らしいカバーリングで相手のショットを打ち消す。

※ウェンバンヤマはスパーズのインサイダーであるNoah Magaro-George記者が分析

ディロン・ブルックスとミケル・ブリッジズは、DARKOが示すコートでの守備のインパクトが大きく異なるケースだった。両者ともアイソレーションで派手なストップを見せるのが素晴らしいが、何か見過ごされていることがあるかもしれない。統計での影響力が平凡なため、ランクダウンとなった。

アーロン・ゴードンはデンバー・ナゲッツで優勝を果たす中で、チームのために守備ですべてをこなし、リーグ最高の選手たちを守った。ジョナサン・アイザックは負傷による長期離脱から戻り、すぐに再びハイレベルな守備を見せるようになっている。ジャレッド・バンダービルトは守備のスペシャリストとしてステフィン・カリーを守り、ロサンゼルス・レイカーズがプレイオフでゴールデンステイト・ウォリアーズを倒すのに貢献した。

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Patrick Beverley
(TSN Illustration)

51~75位

順位 選手 筆者 DARKO  年間最優秀守備選手/
オールディフェンシブ得票
51. ルーゲンツ・ドート 23 351 9
52. ケンリッチ・ウィリアムズ 54 92 0
53. ジェイレン・サグス 51 125 0
54. ブルース・ブラウン 52 125 0
55. パトリック・ベバリー 62 92 0
56. クリスタプス・ポルジンギス 64 76 0
57. ジェボン・カーター 55 152 0
58. ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ 65 76 0
59. パスカル・シアカム 53 172 0
60. クリント・カペラ 63 92 0
61. ロバート・コビントン 75 6 0
62. ニコラ・バトゥーム 73 35 0
63. チェット・ホルムグレン 69 76 0
64. オニエカ・オコング 66 101 0
65. イマニュエル・クイックリー 57 189 0
66. アイザック・オコーロ 67 114 0
67. デニ・アブディヤ 60 172 0
68. ジェイソン・テイタム 58 189 0
69. ホゼ・アルバラード 59 189 0
70. ケイレブ・マーティン 77 62 0
71. コディー・マーティン 72 114 0
72. デイビオン・ミッチェル 41 368 0
73. ウェスリー・マシューズ 71 172 0
74. ミッチェル・ロビンソン 85 29 0
75. スコッティ・バーンズ 70 172 1

ルーゲンツ・ドートとデイビオン・ミッチェルも、評価とDARKOの指標が異なる例だ。筆者はペリメーターのディフェンダーとして両選手をもっと上位に評価したが、彼らの高さ不足が全般的な守備のインパクトを制限するのかもしれない。

ジェボン・カーターとホゼ・アルバラードも同様だ。これら4選手は、相手の攻撃の起点となるガードを苦しめる点でエリートクラスである。

ロバート・コビントンはロサンゼルス・クリッパーズで安定した出場時間を得られなかったが、長年にわたって様々な指標で最も影響力のあるディフェンダーのひとりだ。ディフレクションマシンで、ウィングでは素晴らしいサイズと長さを持つ。

デニ・アブディヤは出場時間を得たが、ワシントン・ウィザーズの注目度が高くなかった。だが、彼は最も厳しい相手を守りながらもうまく保ち、このロスターで最高のウィングディフェンダーだった。

コディー・マーティンは双子の兄弟で全般的により優れたディフェンダーと見なされるが、DARKOのスコアも含めるとケイレブ・マーティンのほうが上位となった。

ジェイソン・テイタムはこのグループで最も守備の才能を持つ選手かもしれない。だが、それ以上に攻撃での役割を担っていることが、ディフェンダーとしてピークに達するのを阻んでいる。

チェット・ホルムグレンはケガで昨季を全休し、まだあまりデータがそろっていない。ドラフト時のプロフィールやサマーリーグでのパフォーマンスに基づけば、ルーキーイヤーに素晴らしいリムプロテクションを提供できるはずだ。

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Jayson Tatum
(TSN Illustration)

76~100位

順位 選手 筆者 DARKO  年間最優秀守備選手/
オールディフェンシブ得票
76. ウェンデル・カーターJr. 74 152 0
77. ロイス・オニール 76 140 0
78. クリスチャン・コロコ 87 55 0
79. ジェイレン・マクダニエルズ 79 140 0
80. ドンテ・ディビンチェンゾ 81 125 0
81. 二コラ・ヨキッチ 96 6 0
82. キャメロン・ジョンソン 84 114 0
83. ディーン・ウェイド 86 140 0
84. ポール・リード 101 30 0
85. ナジ・マーシャル 78 218 0
86. アンソニー・エドワーズ 89 152 4
87. クエンティン・グライムズ 83 189 0
88. タリ・イーソン 95 125 0
89. パトリック・ウィリアムズ 92 152 0
90. 渡邊雄太 93 189 0
91. クリスチャン・ブラウン 98 152 0
92. プレシャス・アチューワ 68 393 0
93. アーロン・ニスミス 80 320 0
94. ジョシュ・グリーン 82 320 0
95. ジェイショーン・テイト 99 218 0
96. アヨ・ドスンム 100 256 0
97. キリアン・ヘイズ 88 368 0
98. ジェイレン・デューレン 97 320 0
99. デビン・バセル 90 393 0
100. アンドリュー・ネムハード 102 450 0

二コラ・ヨキッチは長く守備がひどいとのレッテル貼られてきたが、これまでの様々なアドバンスドスタッツでは非常に力強くランキングされている。ナゲッツが優勝を飾る過程でも、サイズ、フィーリング、極めてアクティブな手さばきでポジティブなディフェンダーになれると示した。相手の攻撃をリセットさせるのにボールを蹴るという、やや物議を醸す作戦のパイオニアだ。

アンソニー・エドワーズは攻撃で大きく飛躍する準備を整えているようだ。そして守備でも大きく成長した。ボールを持つ相手を守るのに優れ、1on1で最高のスコアラーたちを封じる能力も素晴らしい。ボールのないところではまだちょっとしたミスがあるものの、昨季のブランドン・イングラムに対する守備はチェックする価値があるものだった。

ジョシュ・グリーンは昨季、ペリメーターでボールを持った相手に対する守備でダラス・マーベリックスのベストプレイヤーだった。ヘルプのポジショニングで大きな飛躍を遂げている。アヨ・ドスンムはボールを持つ相手にとって脅威で、プレッシャーをかけてやりづらくさせる選手だ。

パトリック・ウィリアムズは静かに極めて堅実なウィングディフェンダーへと成長した。クリスチャン・コロコは攻撃で成長し、もっと安定した出場時間を得られれば、リムプロテクターとしてすでにどれほど優れた選手かを世界に知らしめられるはずだ。

デビン・バセルはチームディフェンダーとしてボールを狙う能力が特別だと示した。ただ、スパーズから攻撃で大きな責任を負うように求められていることで、そのインパクトが落ちている。鍛えた体格がマンツーマンのストッパーとしての着実な成長に役立った。

※バセルはMagaro-George記者が分析

原文:NBA top 100 defender rankings (100-11): Where do Ben Simmons, Jayson Tatum, Victor Wembanyama land on list?(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。