NBA選手の守備ランキング ベスト10に選ばれたのは?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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第1部をご覧になっていない方に説明すると、ここでは新シーズンのNBAにおけるディフェンダーのトップ100の選出を試みている。第1部では11位から100位までを紹介した。ランキングはアドバンスドスタッツや昨年のアウォードでの投票結果、そして筆者の主観に基づいている。

第2部では、トップ10を紹介する。このリストの選手たちは全員がワールドクラスのディフェンダーで、それぞれに様々な強みと弱点がある。厳選された最高級のディフェンダーたちを見ていこう。

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NBAの守備ベスト100選手:トップ10

Alex Caruso
(TSN Illustration)

順位

選手 筆者 DARKO   年間最優秀守備選手
/オールディフェンシブ得票
1. ドレイモンド・グリーン 1 1 123
2. アレックス・カルーソ 3 4 127
3. アンソニー・デイビス 4 5 9
4. ジャレン・ジャクソンJr. 5 21 586
5. ブルック・ロペス 7 10 490
6. ヤニス・アデトクンボ 8 6 74
7. エバン・モーブリー 2 62 233
8. バム・アデバヨ 6 30 71
9. ドリュー・ホリデー 9 30 200
10. ジョエル・エンビード 12 11 22

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1位:ドレイモンド・グリーン

グリーンはNBA史上でも有数のディフェンダーとなるだろう。オールディフェンシブチーム選出は8回。昨季も選ばれた。2017年には年間最優秀守備選手賞を受賞している。

33歳になっても、グリーンはリーグで最も多才なディフェンダーのひとりだ。ペリメーターで守ることも、低い位置でビッグマンを苦しめることもできる。異なる様々なスキームで守ることができ、ゴールデンステイト・ウォリアーズが王朝を築く中で、チームの守備の重要な役割を担ってきた。

グリーンが本当に輝いているのは、その優れた守備感覚だ。ウォリアーズの守備のクォーターバックと言える。役割を指示し、味方を正しい場所に送り込む。2on1の速攻における守備は歴代最高かもしれない。相手に自分が望むことをやらせるように誘導するのだ。

引退してからも長年にわたり、後進の選手たちは彼の守備を研究していくだろう。

2位:アレックス・カルーソ

わずか6フィート5インチ(約196センチ)という体格ながら、カルーソほど守備で影響力を及ぼす選手はいないはずだ。個々の守備では優れないシカゴ・ブルズを、全体のディフェンシブレーティングで5位にまで押し上げた。

カルーソにスクリーンをかけるのは不可能だ。相手チームが狙うことを止めようと、フロアのあちこちを動き回る。『NBA Stats』によると、昨季の36分あたりのディフレクション(5.2)は、出場200分超の選手でロバート・コビントンに次ぐ2位の数字だ。

相手に多くのターンオーバーをさせ、テイクチャージをし、リーグ最高級のスコアラーたちを封じるカルーソは、チームメイトたちを向上させられる選手だ。コート上でのコミュニケーション能力はエリートクラス。デマー・デローザンは以前、カルーソのリーダーシップについて、「常に論文か何かを説明している大学教授のよう」と評している。

また、カルーソは思われている以上に多才な選手だ。ヤニス・アデトクンボやジュリアス・ランドルのようなスコアラーを守るのに、ブルズの守備における最高の選択肢となるのがカルーソであり、そういった選手たちをアイソレーションで止めることができる。まさにNBA最高のディフェンダーだ。

3位:アンソニー・デイビス

健康であれば、デイビスはリーグ最高のディフェンダーとも言える。

昨季、ロサンゼルス・レイカーズがウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進む中で、デイビスは相手が攻撃で狙うことを完全に変えさせられると示した。レイカーズと対戦したすべてのチームが、ペイントから彼を遠ざけようとした。1試合平均2.0ブロックは、リーグ6位の数字だ。

また、デイビスはガードへのスイッチもうまく、大舞台でNBA有数の選手を相手にその力を見せた。西地区準決勝第4戦で、決めれば勝利というステフィン・カリーのショットを止めている。

4位:ジャレン・ジャクソンJr.

ジャクソンJr.が昨季の年間最優秀守備選手賞を受賞した理由はたくさんある。だが、まずはリムプロテクションだろう。2シーズン連続でブロック王に輝いた。1試合平均3.0ブロックと、ニック・クラクストンやブルック・ロペスを0.5ブロック上回っている。

手を出せない場合でも、ジャクソンJr.は相手のショットを失敗に導いている。その頻度はリーグのほぼ全員よりも高い。『Crafted NBA』によると、リム付近でジャクソンJr.が守った時の相手選手のショット成功率は13%落ちるという。

ピック&ロールでジャクソンJr.を相手に得点するのは不可能に近く、1on1のマッチアップでそびえ立つ壁となる。スイッチからペリメーターでガードを守ることも可能だ。

弱点はディフェンシブリバウンドが月並みなのとファウルぐせの2点。だが、まだ24歳だけに、これから向上するばかりだろう。

(SN/Getty)

5位:ブルック・ロペス

ロペスほどドロップディフェンスがうまい選手はいないかもしれない。まるで無限にレーンにとどまれるかのようで、リムプロテクションの能力を最大限に活用し、ペイントを完全に封鎖できる。

その特別なリムプロテクションで、昨季は年間最優秀守備選手賞の投票で2位となった。平均2.5ブロックはリーグ2位タイ。リム付近でロペスが守った時の相手のショット成功率は13.5%ダウンだ。ジャクソンJr.の13%をも上回る。

機動性の欠如から、他の状況ではそこまでうまくいかないかもしれない。だが、ロペスのブロックのタイミング、7フィート1インチ(約センチ)の高さ、そして最高級のポジショニングから、ミルウォーキー・バックスと対戦するチームが、シンプルにレイアップでロペスに挑むことはないのだ。

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6位:ヤニス・アデトクンボ

その身体能力で攻守両面において特別な選手となったアデトクンボだが、守備におけるインパクトは最近軽視されている。見事な数字にもかかわらず、昨季はオールディフェンシブチームに選ばれなかった。

1on1で優れたディフェンダーだが、アデトクンボが特別なのはヘルプディフェンスだ。そのスピードと7フィート3インチ(約221センチ)のウィングスパンで、コートのどこからでもペイント周辺に壁を築くことができる。

バックスは守備でアデトクンボを動き回らせ、相手に混乱を生み、そのプレイを止める能力を最大限に活用している。一見すると至るところにいるかのようで、そのサイズと多才ぶりで多くの穴をふさぐ選手だ。

7位:エバン・モーブリー

複雑な守備スキームを高いレベルで理解できるモーブリーは、まだ22歳なのが信じられないほどだ。クリーブランド・キャバリアーズのビッグマンは、将来的な年間最優秀守備選手賞の受賞が確実と思われる。

モーブリーはリーグ屈指のヘルプディフェンダーだ。彼のように一瞬でコートの広範囲をカバーできるビッグマンはいないのではないか。だが、リーグ最高のキャバリアーズの守備に亀裂が生まれるや、彼はすぐさまコートのどこへでも飛んでいく。

また、モーブリーはアイソレーションでビッグマンやガードを守る時も素晴らしい。機動性と長さがある彼を相手に楽なショットを打つのは極めて難しいだろう。

8位:バム・アデバヨ

守備におけるアデバヨの最大の強みは、その万能性だ。このリストで自分より上位に位置する選手たちのハイブリッドがアデバヨなのである。

マイアミ・ヒートのゾーンディフェンスの指揮から、下がってのリムの守備、そしてガードへのスイッチと、アデバヨはディフェンダーに求められる仕事をすべてハイレベルでこなす。まさに守備の何でも屋で、ほとんど弱点がない。

9位:ドリュー・ホリデー

ホリデーの守備を最もよく表す言葉は「粘り強さ」だ。最高級のスコアラーたちは、自分が好きなスポットを手にするための方法を見いだす。だが、ホリデーは戦わずしてそれを少しでも許すことをさせないのだ。

その粘り強さでホリデーは多くのスティールやディフレクションを記録する。ギャンブルに出ることなく、強さとトップクラスの横への動きを駆使し、最高級のスコアラーたちを苦しめるのだ。

また、ホリデーはスクリーンをかけるのが最も難しい相手でもある。常にマークする選手に張りつく。パターン認知はエリートクラスで、誰よりも先に何が起きるかを推測するのだ。

これらのスキルに加え、ホリデーはペリメーターでの守備もリーグ屈指の選手である。

10位:ジョエル・エンビード

もっと安定すれば、エンビードはこのリストでもっと上位に位置するだろう。ただ、攻撃での負担を考えれば、常にトップレベルで守備ができないのは理解できる。

プレイオフのようにピークに達した時のエンビードは、ペイント付近を守るバリアのようになる。7フィート5インチ(約226センチ)というウィングスパンを誇るだけに、エンビードの上からショットを決めるのはほぼ不可能だ。相手選手は彼にチャレンジすらしようとしない。

原文:NBA top 100 defender rankings (10-1): Anthony Davis, Draymond Green and more fight for No. 1 spot on list(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。