【NBAスタッツ】最もドライブを仕掛けている選手たち

大西玲央 Reo Onishi

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3ポイントショット多投の時代になって、それと同じくらい重要視しなければならないのがリム周りでの得点だ。そしてその両方を生み出すことができるのがドライブ。切り込んでそのまま自ら得点することもできれば、収縮したディフェンス相手にパスアウトし、フリーになった選手の3Pショットに繋げることもできる。

ドライブの効果は得点とアシストだけではない。ドライブからパスアウトし、さらにそこからもう一本パスを繋ぐことでより良いショットが狙えることも多々ある。直接アシストにならなくても、ドライブすることによってプレイの起点となることができるのだ。

それでは、今季のNBAで最もドライブを仕掛けている選手たちと、それがどういう数字を生み出しているのかをチェックしてみよう。

※スタッツはNBA.com/Statsより。日本時間2022年1月27日の日程終了時点。

平均ドライブ回数ランキング

選手 チーム ドライブ数 得点 アシスト
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー OKC 24.4 13.9 1.8
ジャ・モラント MEM 20.6 14.1 1.8
ルカ・ドンチッチ DAL 20.5 11.3 2.5
トレイ・ヤング ATL 18.2 9.8 2.0
デジャンテ・マレー SAS 17.5 8.2 2.6

1試合で最もドライブの回数が多いのは、オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの平均24.4回だ。彼はドライブで自らシュートまで持っていく回数が10.4本、そしてフリースローも平均4.5本獲得しており、1試合で平均13.9得点をドライブから獲得している。

ドライブ数が20.6回で2位にランクインしているメンフィス・グリズリーズのジャ・モラントは、約4回ドライブが少ないながらも、より多い平均14.1得点を獲得している。モラントはリム周りでの得点がインサイド選手と並ぶほど多く、その強みをうまく活かせているのがわかる。

一方、平均20.5回のドライブ数であるルカ・ドンチッチはモラントよりもパスを選択する回数が多い。モラントが平均6.3回パスしているのに対して、ドンチッチは9.0回パスをしており、平均アシスト数もトップ2選手の1.8アシストを上回る2.5を記録している。

ドライブからの平均アシストがリーグトップなのが、サンアントニオ・スパーズのデジャンテ・マレーで、平均17.5回のドライブから2.6アシストを生み出しており、ドライブの回数に対してパスが占める割合(47.4%)の方が得点の割合(46.8%)を上回っているのはトップ5選手のなかでマレーのみだ。

ちなみにパスの割合が最も高いのは、平均14.4回のドライブに対して58.9%でパスを選択しているトロント・ラプターズのフレッド・バンブリートだ。ドライブ数トップのギルジャス・アレクサンダーよりも10回ドライブが少ないにもかかわらず、アシスト数は同じ1.8となっている。

このように、ドライブの回数とそこから生み出されている数字を見るだけでも、その選手がどのようなプレイスタイルなのかを確認することができる。こういった数字を踏まえた上で、次に試合を見るときは、ドライブをした選手がどのようなプレイを選択する傾向にあるのか注目してみよう。

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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。