30チームの先発スモールフォワードランキング|NBA 2023-2024シーズン

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

30チームの先発スモールフォワードランキング|NBA 2023-2024シーズン image

各ポジションで最強のスターターを擁するチームはどこなのか。そして、その反対となるのはどのチームなのだろうか。

『スポーティングニュース』が、2023-2024シーズンのNBA全30チームのスターターをポジションごとにランキング化した。

[AD] NBAがWOWOWに帰ってきた!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!


NBAは絶えず先発ウィングを必要としている。行きわたるほどに足りていないからだ。

だからこそ、ベスト・オブ・ベストの選手たちは真に価値のある存在となる。このリストの上位4名は、NBA全体でもトップ15に入り、チームをNBAファイナルや優勝に導けるだけの選手たちだ。

リストの中位に入った選手たちも非常に堅実だ。だが、下位の選手たちは、ポジション別先発ランキングの全選手の中でも下位に属する。

NBA 2023-24シーズンのスモールフォワードランキング

Jayson Tatum Boston Celtics
(NBA Entertainment)

1. ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)

テイタムは攻撃で試合を支配でき、攻守両面に優れているまれな選手だ。昨季はリーグ最多得点で貢献し、リーグ6位で自己最多の平均30.1得点を記録した。

また、自己最多の平均8.8リバウンド、4.6アシストもマークしており、オールNBAファーストチーム選出に十分にふさわしい出来だった。MVP投票で4位だった25歳は、向上を続けている。

2. レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)

10年前と同じ選手ではなくなった。だが、ジェームズがリーグで最も影響を及ぼす選手のひとりであることは変わらない。強さがすぐになくなることはなく、フルスピードの時やポストで彼を守るのは大変なことだ。そしてリーグ屈指の視野を持つ。

レギュラーシーズン平均28.9得点、8.3リバウンド、6.8リバウンドという数字は見事だ。そしてさらに素晴らしいのが、最も重要な局面でさらにレベルアップできることだろう。昨季ウェスタン・カンファレンス・ファイナルでは、平均27.8得点、10アシスト、9.5リバウンドをマークしている。

3. ジミー・バトラー(マイアミ・ヒート)

バトラーはいつもこういったリストであまりに下位に終わってしまう。リーグで彼ほどプレイオフに入ってからプレイが向上する選手はおらず、それゆえに所属チームが期待されていた以上に勝ち進むことを望まれるのだ。

ボールを持った時が優れており、ポストで自分のスポットを手にしようとディフェンダーたちを圧倒する。毎シーズン、ファウルを獲得する確率はすさまじい。ヒートの攻撃のエンジンであり、守備でも試合を救うようなプレイを見せる。

4. カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)

レナードの問題はもちろん、コートにとどまり続けられないことだ。クリッパーズがレギュラーシーズン中に負荷管理を徹底しても、プレイオフでは2試合しか出場できず、半月板断裂に見舞われた。

健康な時は支配的な選手だけに、残念なことだ。出場したプレイオフの2試合では、リーグ最多の平均34.5得点をあげるなど、まさに止められない存在だった。フロアのあらゆるところからショットを決められる優れたシューターで、年間最優秀守備選手賞も2回受賞している。出場できる時の彼の能力は、いまだトップ5に値するほどなのだ。

5. ラウリ・マルカネン(ユタ・ジャズ)

マルカネンは常に得点能力をうかがわせていた。昨季はそれがようやく開花し、平均25.6得点、8.6リバウンドを記録。初のオールスター選出も果たしている。

昨季のマルカネンはあらゆるかたちで得点できる選手になり、攻撃をけん引できると示した。7フッター(約213センチ)ながらスモールフォワードもこなし、今季は再びその位置でプレイするだろう。

6. デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)

デローザンはリーグ有数のアイソレーションスコアラーだ。パンプフェイクを駆使し、ミッドレンジで相手に致命的な存在となり、ファウルを誘うのも素晴らしい。いつでも得点をあげることができ、ブルズに加入してからの第4クォーターの得点力は有数の出来だ。

7. ブランドン・イングラム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

夏のFIBAバスケットボールワールドカップ2023では真価を発揮できなかった。ベストの力を出すのに、彼はチームをけん引する存在のひとりになることが必要なのだ。

ペリカンズのようにその役割が許されるところであれば、イングラムは素晴らしいショットクリエイターであり、攻撃のエンジンとして役に立つことができる。パサーとしても成長し、昨季は自己最多の平均5.8アシストを記録した。

8. デズモンド・ベイン(メンフィス・グリズリーズ)

昨季のベインはグリズリーズで2番手のボールハンドラーとして活躍し、平均21.5得点、5.0リバウンド、4.4アシストを記録した。堅実なディフェンダーで、賢く、数多くの様々な分野で貢献する。

ベイン最大の武器は、動きのあるショットだ。昨季は3ポイントショット成功率40.8%。さらにパンプフェイクやドライブも素晴らしく、相手の守備を混乱させる。

9. クリス・ミドルトン(ミルウォーキー・バックス)

近年のミドルトンは攻守両面で衰えが見られる。32歳になり、ケガも問題となっている。だが、昨季プレイオフで平均23.8得点をあげており、バックスにとって非常に重要な選手であることは変わらない。素晴らしいシューターで、バックスがショットを必要としている時に自ら攻撃できる。

10. ミケル・ブリッジズ(ブルックリン・ネッツ)

ブリッジズは長く、リーグ有数の3&D(3Pと守備を得意とする選手)と考えられてきた。かつて年間最優秀守備選手賞の投票で2位になっており、複数のポジションでうまく守れるだけの長さを持つ。

昨季は3P成功率38.2%を記録したが、シンプルに3Pを決める以上の力を持つかもしれない。ネッツにトレードされて以降、ブリッジズは主たる得点源の役割を担うようになり、平均26.1得点と爆発した。シーズンを通じてこれを維持できれば、このリストでも急浮上するだろう。

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!

Andrew Wiggins 05112023
(NBA Getty Images)

11. アンドリュー・ウィギンズ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)

12. フランツ・バグナー(オーランド・マジック)

13. ジェイレン・ウィリアムズ(オクラホマシティ・サンダー)

14. マイケル・ポーターJr.(デンバー・ナゲッツ)

15. スコッティー・バーンズ(トロント・ラプターズ)

  • 好調時のウィギンズは見事なディフェンダーであり、素晴らしい3Pシューターで、多くのリバウンドを拾うことができる。2シーズン前にオールスターで先発出場したほどだ。だが、彼は浮き沈みがある。
  • バグナーはリーグ有数のエキサイティングな若手だ。スコアラーとして頭角を現してきており、すでに優れたチームディフェンダーでもある。コートビジョンも良い。FIBAバスケットボールワールドカップ2023でドイツ優勝に貢献し、素晴らしい夏を過ごした。
  • 昨季の新人王投票で2位だったウィリアムズは、リーグで将来的なスターとなる選手かもしれない。3Pシューターの能力を持ち、リムに到達する巧みな方法を見つけられ、そこでのフィニッシュも確率が良い。
  • ポーターJr.はNBAファイナルで苦しんだが、それ以外は堅実なシーズンだった。かつてないほどのショットを決め、3P成功率41.4%はリーグの誰よりもショットを決められる選手である証だ。
  • バーンズは2年目に周囲が期待したほどの飛躍を遂げられなかった。3P成功率は28.1%に落ち、リバウンドも平均6.6リバウンドに下がっている。得点も平均15.3得点にとどまった。今季は彼が輝けるプレイメークの役割をもっと担うチャンスを得られるはずだ。
Tobias Harris (76ers)
Getty Images

16. トバイアス・ハリス(フィラデルフィア・76ers)

17. ジェイデン・マクダニエルズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

18. ベネディクト・マサリン(インディアナ・ペイサーズ)

19. RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)

20. ディロン・ブルックス(ヒューストン・ロケッツ)

  • ハリスは契約のために、必要性が高いポジションでかなり優れた選手であるという事実が隠されてしまっている。12年の経験を持つベテランは昨季、平均14.7得点、5.7リバウンド、3P成功率39%を記録しており、守備でも有能だ。
  • マクダニエルズは惜しくも初のオールディフェンシブチーム選出に及ばなかった。長さを生かして相手をどれほど混乱させてきたかを考えれば、十分にふさわしかっただろう。3Pシューターとしても大きく成長し、昨季は成功率39.8%を記録した。
  • マサリンはルーキーイヤーで得点力を発揮した。平均16.7得点をあげている。次はパサー、そしてディフェンダーとしての成長が課題だ。
  • バレットはバスケットへのアタックが優れ、昨季は平均19.6得点を記録した。ただ、ショットセレクションや効率が問題となり得る。
  • ブルックスは昨季、初のオールディフェンシブチーム入りを果たした。血気盛んな性格だが、自身の役割にとどまり、3Pを決められれば、素晴らしいスターターになれるだろう。

[AD] AmazonでNBAグッズをチェック!

Harrison Barnes Sacramento Kings
(NBA Entertainment)

21. ハリソン・バーンズ(サクラメント・キングス)

22. ゴードン・ヘイワード(シャーロット・ホーネッツ)

23. ティム・ハーダウェイJr.(ダラス・マーベリックス)

24. ケルドン・ジョンソン(サンアントニオ・スパーズ)

25. マックス・ストゥルース(クリーブランド・キャバリアーズ)

  • バーンズは昨季、キングスで4番手のオプションだった。だが、それでも平均15得点をあげ、全82試合に出場している。優れた3Pシューターで、有能なディフェンダーだ。
  • ヘイワードは13年目のシーズンで平均14.7得点、4.3リバウンド、4.1アシストを記録し、まだやれることを証明した。彼にとって大きな問題はケガだ。
  • ハーダウェイJr.は相次いで決めることもあるシューターだ。それらの3P以外にはあまり多くをやらないが、そのショットをうまく決める。
  • ジョンソンは昨季、低調だったスパーズで平均22得点をあげた。サイズを生かしてリムに到達し、ショットをつくり出す。だが、3Pと守備が不安定だった。
  • ストゥルースはプレイオフで調子を上げ、何度かショットで素晴らしいパフォーマンスを披露した。ディフェンダーとしても十分で、通算成功率37%の3Pでフロアを広げるはずだ。
Ausar Thompson 07092023
(NBA Getty Images)

26. アサー・トンプソン(デトロイト・ピストンズ)

27. サディック・ベイ(アトランタ・ホークス)

28. マティース・サイブル(ポートランド・トレイルブレイザーズ)

29. コーリー・キスパート(ワシントン・ウィザーズ)

30. ケイタ・ベイツ・ジョップ(フェニックス・サンズ)

  • トンプソンはサマーリーグで見事だった。トランジションからの攻撃がうまく、高いレベルのリバウンドを拾い、守備も粘り強い。すさまじい身体能力を持つ。だが、シューターとして改善が必要だろう。
  • ベイはトレードデッドライン(トレード期限)でホークスに加入し、質の高い3Pをもたらした。トレード後の3P成功率は40%だ。強さと長さも良い。だが、守備に難がある。
  • サイブルはリーグ有数のストッパーだ。攻撃に関してはキャリアの大半で何も出せず、そのために出場するのが難しくなっていた。だが、ブレイザーズにトレードされてからは、3P成功率38.8%を記録するなど、新たな局面を迎えたかもしれないことをうかがわせている。
  • キスパートは素晴らしいシューターで、昨季は3P成功率42.4%だった。昨季終盤にブレイクし始めている。
  • ベイツ・ジョップは昨季、スパーズで目立たないが良いシーズンを過ごした。守備が良く、3P成功率は39.4%だ。33.9%という数字からずっと変えていくことができれば、スターぞろいのサンズが必要とする、ユーセージ率が低い中で3Pと守備で貢献する存在となれるかもしれない。

原文:Top NBA small forwards for 2023-24: Ranking all 30 starters from Jayson Tatum, LeBron James to Jimmy Butler(抄訳)

[AD] NBAがWOWOWに帰ってきた!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

Stephen Noh

Stephen Noh Photo

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。