インシーズン・トーナメント準決勝を戦う4チームの注目の数字

John Schuhmann, NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

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NBA初のインシーズン・トーナメントは12月7日(日本時間8日)、ネバダ州ラスベガスで準決勝の2試合が行われる。

セミファイナルに進んだミルウォーキー・バックス、ロサンゼルス・レイカーズ、インディアナ・ペイサーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズの4チームは、それぞれ現在のリーグで3位、4位、10位、16位につけている。だが、初のNBAカップ(優勝トロフィー)を勝ち取るために必要なことをしてきた。

ここでは、準決勝に向けて4チームの数字をまとめる。スタッツはいずれも5日(同6日)現在の数字。

OffRtg(オフェンシブレーティング):100ポゼッションあたりの得点(リーグ順位)
DefRtg(ディフェンシブレーティング):100ポゼッションあたりの失点(リーグ順位)
NetRtg(ネットレーティング):100ポゼッションあたりの得失点差(リーグ順位)
Pace(ペース):48分あたりのポゼッション(リーグ順位)

インディアナ・ペイサーズ(11勝8敗)

OffRtg: 123.6 (1) DefRtg: 120.2 (28) NetRtg: +3.5 (9) Pace: 104.1 (1)

・ペイサーズは100ポゼッションあたり123.6得点

これは大差でNBA最高の数字だ。現在のリーグ平均(113.8)を9.8点も上回る。2003-2004シーズンのダラス・マーベリックス(+9.0)も超えており、play-by-playのデータ収集開始以降の28シーズンで最多の数字だ。

・ペースとオフェンシブエフィシエンシーのどちらもリーグトップは18シーズンぶり

この記録を前回達成したのは、2005-2006シーズンのフェニックス・サンズだ。48分あたりの平均ポゼッションは現在のペイサーズより7.1回少なかった。ペイサーズは現在のペース(play-by-playのデータ収集開始以降の28シーズンで4位)とエフィシエンシーで、1試合平均128.4得点をあげている。NBAの歴史で2位に1.9点差をつけてのトップだ。

・タイリース・ハリバートンのアシスト/ターンオーバー比率は5.05

これはリーグ7位の数字だが、ここ34シーズンの1試合平均10アシスト超を記録した選手では、平均10.7アシストでアシスト/ターンオーバー比率5.94だった1989-1990シーズンのマグシー・ボーグス以来の数字だ。

ミルウォーキー・バックス(15勝6敗)

OffRtg: 119.2 (3) DefRtg: 115.3 (21) NetRtg: +3.8 (8) Pace: 102.1 (5)

・バックスはペイサーズとともに、ペイント内からのフィールドゴール成功率(62.3%で1位)、ミッドレンジからのFG成功率(45.5%で5位)、3ポイントショット成功率(38.4%で6位)のいずれもリーグトップ10に入っている2チームのひとつ

エフェクティブフィールドゴール成功率(eFG%)で、ペイサーズ(58.9%)とバックス(58.2%)はNBA史上最高の数字を記録している2チーム。過去最高は2020-2021シーズンのブルックリン・ネッツで57.5%だった。

・バックスの100ポゼッションあたりの失点は昨季(110.9点で4位)から4.4点増

バックスの攻撃は、100ポゼッションあたりの得点でリーグ2位の上げ幅を記録している。一方、守備は100ポゼッションあたりの失点でリーグ3位の上げ幅だ。攻撃でトップ10、守備でボトム10というチームは4つあり、バックスとペイサーズはいずれもあてはまる。

・ヤニス・アデトクンボはペイント内からの得点が1試合平均20.8得点

これは今季のリーグで2位に3.1得点差をつけてのトップだ。ここ24シーズンでは、1999-2000シーズンのシャキール・オニール(22.5)以来の数字となる。

ニューオーリンズ・ペリカンズ(12勝10敗)

OffRtg: 114.2 (14) DefRtg: 112.8 (15) NetRtg: +1.4 (14) Pace: 100.4 (12)

・ここ12試合の8勝でペリカンズは100ポゼッションあたり119.8得点

これは同期間のリーグで9位の数字となり、ペリカンズが開幕からの10試合で記録した107.7得点(リーグ28位)から上昇している。向上の要因はペイント内からのショットが改善され、フリースローとオフェンシブリバウンドが増えたことだ。

・CJ・マカーラム出場時は7勝2敗

マカーラムが出場した時のペリカンズは、100ポゼッションあたりで0.2点しか対戦相手を上回っていない。だが、彼を起用できる時のチームは白星をあげている。最も使われているラインナップ(マカーラムの代わりにダイソン・ダニエルズ)でプレイしたのはわずか84分間。全チームの最も使われているラインナップで4番目に少ない数字だ。

・『Second Spectrum』によると3Pの85%はキャッチから

これはリーグ最高の数字だ。ペリカンズはボールと選手の動きでどちらもトップ10入りしている6チームのひとつ。だが、3Pを打つ割合はリーグ26位だ。ショットの35.0%にとどまっている。なお、ペリカンズよりも3Pを打つ割合が少ない4チームのひとつがレイカーズ。3Pの得失点差で、ペリカンズ(1試合平均-7.4)とレイカーズ(同-11.9)はリーグの27位と30位だ。

ロサンゼルス・レイカーズ(13勝9敗)

OffRtg: 110.6 (24) DefRtg: 111.4 (9) NetRtg: -0.8 (21) Pace: 100.5 (11)

・ペイント内からのFG成功率60.6%(リーグ4位)、ペイント外からのeFG%は46.6%(同30位)

ペイント内外からでショットの差がリーグ最多は、レイカーズにとってここ5シーズンで4回目となる(2シーズン前はリーグ2番目の数字)。3Pでは1試合平均で相手を11.9点下回っており、3P導入からの45シーズンでワースト3位の数字だ。

・前半終了時にリードしていた試合で無敗の4チームのひとつ

開幕からの18試合でリードしてハーフタイムに突入したのは3試合。ここ4試合では3試合だ。100ポゼッションあたりの得失点差で後半(+3.7)は前半(-5.3)より9.0点多く、その差は守備でより大きい。

・レブロン・ジェームズのeFG%は61.1%

これはジェームズのキャリア最高の数字だ。ペイント内からのFG成功率(68.9%)と3P成功率(38.7%)はレイカーズでの6シーズンで最高。一方、ミッドレンジからのショットがショットの13%というのは、キャリアで最も低い数字だ。

原文:NBA In-Season Tournament Semifinals: Numbers to know(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。