インシーズン・トーナメント決勝の注目ポイント 対照的なレイカーズとペイサーズ

Steve Aschburner, NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

インシーズン・トーナメント決勝の注目ポイント 対照的なレイカーズとペイサーズ image

レギュラーシーズンの順位には反映されない。選手個人とチームのスタッツもカウントされない。

だが、12月9日(日本時間10日)にネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われるインディアナ・ペイサーズとロサンゼルス・レイカーズのインシーズン・トーナメント決勝は、NBAの歴史に残る唯一無二の一戦となる。

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注目ポイント

サプライズvs.優勝候補:インシーズン・トーナメントは、ペイサーズとタイリース・ハリバートンにとって飛躍する舞台となった。レイカーズはNBAで優勝17回と最も成功してきた球団のひとつだ。レブロン・ジェームズという、現役で最も有名な選手を擁している。

対照的なスタイル:ペイサーズは走ってペースを早め、得点を量産することを好む。100ポゼッションあたりのぺースや得点(123.5)、速攻からの得点(17.2)はリーグトップだ。一方、レイカーズはジェームズを通じたプレイでより伝統的な攻撃を展開しようとする。ディフェンシブレーティング(100ポゼッションあたり110.3失点)はリーグ7位だが、速攻から許した失点(15.0)は25位だ。

ベンチメンバーのバトル:今季のペイサーズのベンチメンバーは重要な存在だった。1試合平均46.5得点をあげており、これはリーグ2位の数字だ。一方、レイカーズは31.0得点で20位となっている。一発勝負の決勝戦で、両軍の監督はどれほどローテーションを駆使していくのだろうか。インシーズン・トーナメントにおけるベンチメンバーの得点は、1試合平均42.5得点で両チームとも同じだ。


注目選手

ペイサーズはハリバートン、レイカーズはジェームズと、両チームのスター選手のどちらかが、初のインシーズン・トーナメントMVPに選ばれる可能性がある。

ハリバートンは準々決勝と準決勝の2試合で53得点、28アシストを記録し、ターンオーバーなしだった。混雑の中で指揮を執り、チームメイトたちを助け、速いプレイもスローなプレイもこなして、ほかの選択肢がない時は自ら狙う。

通算得点でNBA歴代最多のジェームズは、15歳若い選手のような活気と、超絶な耐久性の肉体を駆使してプレイしている。36分あたり26.9得点、8.1リバウンド、7.2アシストという数字は、マイアミ・ヒートでの4年(26.9得点、7.6リバウンド、6.7アシスト)と比べてもそん色ない。ジェームズがヒートを退団したのは、9年前のことだ。

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注目のXファクター

どんなスター選手にも助けは必要だ。ハリバートンとジェームズも例外ではない。重要な貢献が期待できる彼らのチームメイトたちを見てみよう。

TJ・マコーネル:ペイサーズには平均10得点超の選手が8人いる。マコーネル(7.4)は含まれていない。だが、ベテラン控えガードは厄介に相手をいら立たせる。アンドリュー・ネムハードが不在(ひざ)の中で、彼の存在は必要となるだろう。

アンソニー・デイビス:気力が充実している時のデイビスは、NBA創設75周年記念チームに選ばれた時のような選手だ。そうでない時は、それほどではない。これまでにジェームズがもっと若いスターにバトンを託していておかしくなかったが、安定性が課題のままとなっている。


両陣営のコメント

リック・カーライル・ヘッドコーチ(ペイサーズ):「ジェームズはまだ全盛期だ。昨夜の彼を見たが、とんでもないね。リーグ最年少でもリーグ最年長でもあったNBAの歴史で唯一の選手だ。息の長さ、そして彼の場合は偉大さを物語っている。通算得点で歴代最多のスコアラーであり、NBAのラシュモア山があるなら、彼はそのひとりとなる選手だ」

ダービン・ハム・ヘッドコーチ(レイカーズ):「(ハリバートンは)多面的で非常に才能ある選手であり、絶好調でバスケットボールをしている。いつも笑っているんだ。常にチームメイトたちを元気づけている。彼らが楽しんで一緒にプレイしているのが分かるよ。彼はほとんどすべてをやっているんだ。最初から最後まで相手にプレッシャーをかけ、ペースを早められる選手であり、信じられないようなパスを出し、ショットを決める。とにかく何でもできるんだ」

タイリース・ハリバートン(ペイサーズ):「誰も僕らがここにくるとは思っていなかった。おそらくはトーナメントの大半の試合を落とすと思われていた。フィラデルフィア・76ers戦もそうだし、ボストン・セルティックス戦は間違いないそうだ。ミルウォーキー・バックス戦もね。それがこの物語の一部であり、とても楽しい。でも、まだ終わっていない。明日に向けて準備し、正しく試合に臨まなければいけない」

オースティン・リーブス(レイカーズ):「(ジェームズは)すべてが少し違うかのようだ。僕は3年目で、彼と3年いるけど、今季の彼はとても生き生きしており、健康で、競争心と細部へのこだわりは常に素晴らしい。でも、彼のプレイが何か少し違うようなんだ。誰だろうと、何歳だろうと、すごく高いレベルなんだけど、あれだけ長くプレイしてきた選手だからなおさらだ」


予想

新鮮な予想は同僚に委ねる。だが、ジェームズの目標へのまい進ぶりから、最初に選んだチームを変わらずに選ぶ。レイカーズの優勝と予想。

原文:NBA In-Season Tournament Championship: 3 key storylines before Lakers-Pacers(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。