30チームの先発パワーフォワードランキング|NBA 2023-2024シーズン

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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各ポジションで最強のスターターを擁するチームはどこなのか。そして、その反対となるのはどのチームなのだろうか。

『スポーティングニュース』が、2023-2024シーズンのNBA全30チームのスターターをポジションごとにランキング化した。

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現在の先発パワーフォワードは、エリート級の古株(ヤニス・アデトクンボやケビン・デュラント)たちと、オールNBAの栄誉も手にするチャンスがある多くの選手たちによって構成される。昨季のオールNBAサードチームに選出されたジュリアス・ランドルでさえ、このリストでは11位だ。

さらに、このグループには有望な若手選手たちもいる。過去5年のドラフトでロッタリーピックだった選手は9人。つまり、このリストでは、成長中の選手と、すでに実績のあるベテランとが興味深く混在しているのだ。

NBA 2023-24シーズンのパワーフォワードランキング

Giannis Antetokounmpo Milwaukee Bucks
(NBA Entertainment)

1. ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)

昨季は自己最多でリーグ5位の平均31.1得点、リーグ3位の11.8リバウンドを記録した。エリート級の守備、とてつもない才能、止めることが不可能なリムへのドライブで、常にMVP候補となる。

2. ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)

これまでの得点力に加え、デュラントはウィークサイドのリムプロテクターやディフェンダーとしても優れた選手になった。フロアのあらゆるところから得点をあげ、ブルックリン・ネッツとサンズで平均29.1得点を記録している。

年齢を重ねるとともにケガが問題となっており、ここ3年は1シーズン平均46試合出場に達していない。

3. パスカル・シアカム(トロント・ラプターズ)

攻守両面で素晴らしい選手であり、ミッドレンジからのシューターとしても強力な存在となった。昨季は平均24.2得点、7.8リバウンド、5.8アシストを記録し、平均出場時間はリーグ最長だった。

4. ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)

リーグ有数のリムプロテクターで、昨季の年間最優秀守備選手賞を受賞した。リバウンドとファウルトラブルで苦しむが、彼のようにスペースのあるところで守ることができ、すべてをブロックできるような選手は多くない。

攻撃面でも向上し続けており、昨季は自己最多の平均18.6得点をあげた。昨季の成功率35.5%と、ここ数シーズンは3ポイントショットも成長している。

5. ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

健康なシーズンとすることができるのだろうか。昨季は出場29試合にとどまり、その前年は全82試合を全休している。

健康だったシーズン当初、ウィリアムソンはリーグ最高の選手のひとりだった。平均26.0得点、7.0リバウンド、4.6アシストでオールスターにも招待されている。問題だった守備も大きく改善された。ハムストリングの問題から完全に回復し、開幕に間に合うはずだ。

6. ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)

リーグ最高のディフェンダーのひとりであることは変わらない。ここ9シーズンでオールディフェンシブチーム選出8回だ。ウォリアーズの守備の司令塔で、複数の異なるスキームでプレイできる。

攻撃ではそれよりも限界があり、受け身になりすぎると問題となる。素晴らしいスクリナーであり、ファシリエイターではあるが、プレイオフではフィニッシュが問題だった。

7. カール・アンソニー・タインズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

本人が主張するようなゲームチェンジャーのビッグマンではないが、このポジションで最高のシューターのひとりであることは否定できない。3Pは通算成功率39.5%で、ステップバックなどムーブからの3Pも打てることを考えれば、なおさら見事な数字だ。ポストでも良いオプションとなれ、ドリブルもできるだけに、攻撃で特別な選手となっている。引き続き懸念は守備の問題だ。

8. エバン・モーブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)

昨季は年間最優秀守備選手賞の投票で3位となるなど、リーグ最高の守備を支える貢献を見せた。リーグ有数のヘルプディフェンダーで、フロアの広範囲にわたってカバーすることができ、ペリメーターで守ることもできる。

次のステップとなるのは、攻撃面でより成長することだろう。レギュラーシーズンでは平均16.2得点と堅実だったが、プレイオフでは平均9.8得点に落ちている。

9. パオロ・バンケロ(オーランド・マジック)

昨季は大差をつけて新人王に選出された。夏にアメリカ代表でスモールボールのセンターとしての役割も経験。ガードのような独特なスキルセットで世界でも有数の選手として目立つことができると示した。

得点をあげられることはすでに証明済み。今季の鍵となるのは、効率面の向上だろう。

10. アーロン・ゴードン(デンバー・ナゲッツ)

昨季のゴードンはプレイオフで最高の選手のひとりだった。守備では相手チームのベストプレイヤーを守り、攻撃では自分より小さい相手のディフェンダーを圧倒。カッティングと身体能力が二コラ・ヨキッチと完璧にフィットした。勝つために必要なことを何でも喜んでこなす、素晴らしいロールプレイヤーに成長している。

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Julius Randle (New York Knicks) 05082023
Getty Images

11. ジュリアス・ランドル(ニューヨーク・ニックス)

12. ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)

13. アル・ホーフォード(ボストン・セルティックス)

14. ボーヤン・ボグダノビッチ(デトロイト・ピストンズ)

15. ジェレミー・グラント(ポートランド・トレイルブレイザーズ)

  • ランドルは昨季、平均25.1得点、10.0リバウンドを記録し、オールNBAサードチームに選ばれた。エリート級の攻撃で驚かせたニックスにとって優れたアイソレーションの武器だ。
  • ウェンバンヤマは7フィート3インチ(約221センチ)の高さのおかげで、リーグ有数のリムプロテクターとなるはずだ。ペリメーターにも出てこられるだけの足さばきの速さもある。昨季はフランスで3P成功率27.5%と、ショットに関してはすぐに移行できないかもしれない。だが、ポストで素晴らしいサイズを生かし、脅威を与えるシューターになっていくと見込まれる。
  • ホーフォードは37歳にしてなお、素晴らしいディフェンダーであり、優れた攻撃の選手だ。昨季は自己最高の3P成功率44.6%を記録し、アデトクンボのようなスターを相手に素晴らしい守備を見せた。
  • ボグダノビッチは昨季のピストンズで最高の選手だった。効率よく平均21.6得点をあげている。ポストプレイが極めて巧みで、昨季は3P成功率が41.1%と見事な数字だった。
  • グラントは攻守両面で優れたプレイのおかげで、この夏に大型契約を結んだ。複数のポジションを守れるだけのサイズと機動性を持ち、昨季は平均20.5得点も記録している。
Kyle Kuzma Washington Wizards
(NBA Entertainment)

16. カイル・クーズマ(ワシントン・ウィザーズ)

17. ジョン・コリンズ(ユタ・ジャズ)

18. キーガン・マレー(サクラメント・キングス)

19. ジャバリ・スミスJr.(ヒューストン・ロケッツ)

20. グラント・ウィリアムズ(ダラス・マーベリックス)

  • クーズマはウィザーズに加入してからさらに多才な選手となっている。ロサンゼルス・レイカーズのころの純粋なスコアラーではなく、昨季は自己最多の平均3.7アシストを記録。平均21.2得点をあげただけでなく、守備も向上している。
  • コリンズはアトランタ・ホークスで厳しいシーズンを過ごした。手のケガもあり、3Pは成功率29.2%と急落。序列もどんどん下がり、平均13.1得点とルーキーシーズン以来の低い数字にとどまった。ジャズでフレッシュなスタートを切ることこそ、彼に必要なことかもしれない。
  • マレーはルーキーイヤーながら活躍し、新人王の投票で5位となった。さえたカットやショットで攻撃にフィットしていく方法を知っている。
  • スミスJr.はドラフト全体3位指名されて迎えたルーキーイヤーに苦しんだ。ガードのプレイのまずさに苦しんだが、新加入のフレッド・バンブリートは助けになるはずだ。ラスベガスでのサマーリーグでは最高のひとりだった。その成功を生かしていきたい。
  • ウィリアムズはルカ・ドンチッチとプレイし、オープンな3Pを決めることで、マーベリックスでうまくフィットするはずだ。昨季はセルティックスでそのかたちから成功率39.5%を記録した。多才なフォワードだ。

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Ben Simmons
(Getty Images)

21. ベン・シモンズ(ブルックリン・ネッツ)

22. PJ・ワシントン(シャーロット・ホーネッツ)

23. ルーゲンツ・ドート(オクラホマシティ・サンダー)

24. 八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)

25. 二コラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)

  • シモンズをこのリストに含めるべきか、誰にも分からない。昨季はまだケガに悩まされたようで、健康面が常に彼の大きなクエスチョンマークだ。全力でやれれば、守備でリーグ有数の選手であり、素晴らしいファシリエイターでもある。
  • ワシントンはお得な内容でホーネッツと再契約を結んだ。攻撃ではほぼすべてを少しずつやれる選手だ。守備のストッパーでないものの、自分なりの力を出せる。
  • ドートは相手の攻撃の起点となる選手を守るのがリーグ有数の選手だ。昨季は効率的に得点することに苦しみ、平均13.7得点と得点力が大きく落ち込むなど、浮き沈みのあるシーズンだった。
  • 八村はトレードデッドライン(トレード期限)でレイカーズに移籍してから、完璧な役割を見つけたようだ。攻撃の才能に、守備も大きく改善されたようで、プレイオフでは多くの出場時間を得た。
  • バトゥームは16シーズン目を迎えるが、いまだ非常に高いレベルでプレイしている。クリッパーズのラインナップにはスターやショットをつくり出せる選手たちがいるだけに、バトゥームの仕事はシンプルだ。守備が優れており、クリッパーズでの3シーズンは3P成功率39.8%を記録している。
D'Angelo Russell Lakers 2023
Getty Images

26. パトリック・ウィリアムズ(シカゴ・ブルズ)

27. ディアンドレ・ハンター(アトランタ・ホークス)

28. ケビン・ラブ(マイアミ・ヒート)

29. PJ・タッカー(フィラデルフィア・76ers)

30. ジェレス・ウォーカー(インディアナ・ペイサーズ)

  • ウィリアムズは優れたディフェンダー、そして3Pのスポットアップシューターとなった。それ以上を見せる機会が多くなかっただけに、今季はショットクリエイターないし配給役としてさらに多くをやれるシーズンとなるかもしれない。
  • ハンターはまずまずのディフェンダーかつ3Pシューターで、昨季は自己最多の平均15.4得点を記録した。ドリブルや味方のためにつくるプレイに限界がある。
  • ラブはヒートに加入してから再生し、NBAファイナルまで勝ち進んだチームで重要な役割をこなした。守備での機動性が常に問題だが、ショットはプレイオフで3P成功率37.5%を記録しており、アウトレットパスがリーグ有数なのは変わらない。
  • タッカーは複数のポジションを守れる屈強なディフェンダーであり、オフェンシブリバウンドも優れている。3P成功率は39.3%で、大半がワイドオープンからだったが、チームがそのワイドオープンに彼をしようとしたときに、得点力で控えめなことが76ersを苦しめた。
  • ウォーカーはサマーリーグで活躍し、スティールやブロックを記録するなど、守備で魅了した。一方攻撃はそこまでではなかった。20歳だけに、ペイサーズはその点で忍耐強くならなければいけないだろう。

原文:Top NBA small forwards for 2023-24: Ranking all 30 starters from Jayson Tatum, LeBron James to Jimmy Butler(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。